これを読んで思ったのが表題。いわゆる「あるふぁな人達」にありがちの物言いではあるんだが。
この手の話の時には、たいていの「あるふぁな人達」は、「そんな会社とっとと辞めてこっち側に来い」的なメッセージを垂れ流す。まぁ、「仕事」が「キャリアパス」とか「自分」とかを中心としてだけであれば、それは一つの方向だ。マズい環境にいるくらいだったら、とっとと辞めて良い環境に行けばいい。愚痴る時間がもったいない。で、日本ではたいていダメな会社ばかりだから、シリコンバレーに来いと。件の記事でも、
だから、じゃぁどこに転職すればいいの?と聞かれたら、答えに窮してしまう。最も技術的にエッジっぽいベンチャーを全部かき集めても、日本でトップクラスの技術者すら吸収しきれるキャパはない。選択肢がないんだよ。
と、暗に「日本のIT業界はもうだめだから」的な誘いかけがある。
はっきり言おう。これは2つの点で間違っている。
1つは、「仕事」の「公共的」側面を無視しているということ。
仕事をするのは自分だ。だから、自分を中心に考えれば、「やりたい仕事」「自分の能力の発揮できる仕事」を選ぶのは正しい。しかし、みんながそれをやったら、
面白くないけどやらなきゃいけない仕事
をやる奴はいなくなる。また、そんな仕事に適性がある人までが勘違いして転職してしまう。どれだけ「IT業界(SI業界)」がつまらなく、腐っているにしても、そういった仕事の需要がなくなってしまったわけじゃない。
「自分の人生」の主役はあくまでも自分だ。だから、自分中心にやることは間違いではない。しかし、主役ばかり走るステージはありえないし、主役ばかりのステージもありえない。脇役があってこそ主役が引き立つということもある。長い人生のうち、自分の方向が本当に見えるようになるまでくらい、
つまんない仕事に使われるのも悪くない
と思う。また、「自分の人生の主役は自分」であると共に、「自分が世界の主役であるとは限らない」ものでもある。主役には主役にふさわしいキャラがあり、脇役には脇役にふさわしいキャラがある。自分が「脇役キャラ」だと見極めたら、「名脇役」を目指すべきだ。
もう1つの間違いは、
そんなことを言ってるから、日本にロクな会社が残らない
ということだ。
「あるふぁな奴」にその自覚があるんだったら、「不満なら転職」みたいな「サラリーマン根性」なんて捨ててしまって、「あるふぁな奴のための会社」を起業しろ。日本の業界にそんなにキャパがない? そう思うんだったら、そのキャパを1人分でも増やす努力をしろ。産業構造や日本の経済構造がそれを許さない? そう思うんだったら、
社会そのものをhackしろ!
確かに「自分の能力」は自分の努力の結果かも知れない。それをどう使うかは自分の自由だろう。しかし、自分が思っている以上にある能力は、社会に環元するべきものだ。
もういい加減「あるふぁな奴等」はグダグダとしたり顔で業界の問題点なんて挙げてないで、どうやったらその問題が解決出来るか考えて、
解決案の提示と実装
をすることを考えろ。そうでなかったら、黙って使われるだけの技術者やってろ。
何も作ってない奴にアジる資格はない
って思ってるんだろ? プログラムの時は。それは社会だって同じだ。
PS.
「校正」されたんで直しました^^;
PS.2
「何も作ってない奴にアジる資格はない」についてのコメントがあったのだけど、この発言の元を知りたければ2ちゃんの私のスレの過去ログでもあたると良いかと。
PS.3
なんか江島氏トーンダウンしてるなぁ。
まー、これに対するつっこみは、いつか書くことに。