「松本」の「遺書」

私は落研にいたということもあって、「お笑い」にはちょっとうるさい。その私の笑いのセンスから言って、ダウンタウンはあまり好きではない。あの手の誰彼構わない攻撃で笑わせるのは、どうも好きになれないのだ。攻撃をするのなら「お笑い」などということで誤魔化して欲しくない。「お笑い」は「芸」であり、「芸」には「客」が必要である。「客」まで攻撃対象にするのは、「お笑い」とは言えないだろう。その点ではウッチャンナッチャンはちゃんと「客」を意識しているので、「お笑い」としてはそっちの方が好きだ。

とは言え、この本は物事ハッキリ書いてあって、なかなか気分がいい。私が常日頃思っているようなこと、その論理の展開がそっくりなのだ。なんか私の「暴言のページ」みたいな展開なのである。なかなか読んでいて嬉しい。また、「プロ意識」についての考えもあったりして、単に「お笑い芸人の書いた本」という面だけで見ないで、「その職業のプロ」という面で見れば、なかなか勉強にもなる。

とは言え、やっぱりダウンタウンは好きになれん。「お笑い芸人」というスタンスがなければ好きになれるかも知れないが。