やってはいけない?(2)

[テスト編]本番環境でいきなりテストしてはいけない

こいつの「やってはいけない度」は2らしい。これは昨日の「[実装編]メモリー管理を処理系任せにしてはいけない」よりも低いらしい。

馬鹿言っちゃいけない!

こっちの方こそ「やってはいけない度」は高い。その「いけない度」は「飲酒運転」に匹敵する。今や「クビ」をかけてやることだとさえ思う。

もちろん、本番環境でないと出来ないテストはある。いや、最後の最後は本番環境でテストをやらなければならない。そうでなければ、本当にテストをしたことにならないからだ。だからと言って、普段のテストを本番環境でやっていいとは言えない。

これが20年くらい前の、コンピュータやディスクがやたらに高くて遅い時代なら、「そうせざるをえない」ということは少なからずあった。と言うか、開発自体を本番環境でやっていた時代さえある。同じ環境で、昼間運用して、夜は開発とデバッグなんてのは、昔は当然でさえあった。

しかし、それは非常に大きなリスクを伴うものだった。そのせいで何度も「起きなくてもいい障害」が起きて苦労させられたものだった。幸いにして、そういった「運用」が日常的であったから、その分いろいろなノウハウがあったし、今のようにうっかり開発中のものを世界に公開してしまうようなこともなかった。だから、今のようにヤバいことは起きなかった。大昔は飲酒運転がとがめられなかったのと同じであり、そんな時代はそれなりの「常識」の範囲で飲酒運転をしていた… というのと似たようなものだ。

とは言え、そんなことは「そんな時代」だから許されたのだ。現代はそうは行かぬ。

本番でテストをしたばっかりに、

  • 環境を破壊してしまった
  • 現用とテストの環境が混ざってしまった
  • データを漏洩させてしまった

なんてことが起きたという例は、枚挙にいとまがない。場合によっては「SEごとき」の首の1つや2つでは落とし前がつけきれないような事故だって起きるのが現代だ。

もう現代はテストのためのリソースが確保できないという時代でもない。と同時にテストのために本番環境を使った時のリスクが小さいという時代でもない。そんな「時代」なのだ。

件の記事には、「VMを使え」ということが書いてあったが、これは極力避けた方がいい。テスト環境を作るために本番データを吸い上げて… ということも避けた方がいい。「テストの環境」というのは、ついぞんざいに扱ってしまって、不注意に放置してしまう危険があるからだ。もちろんそうならないように注意する必要はあるが、「注意する」だけで安全確保が出来るくらいなら、交通事故はとっくになくなっているはずだ。「事故」というのはそういうものだ。

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