夏には「雑なお漬物」

毎日暑いと、火食するのが面倒臭くなる。

冬にはあれだけ煮物とか作っても平気だったのが、たとえエアコンをガンガンかけていても、あまり火を使って料理したくなくなる。

とは言え、「ちゃんとしたもの」を食わないと身体に悪い。「焼けば食える」ということで焼肉的なものに走りがちなのだが、ちゃんと野菜は食べるべきである。

とゆーことで、夏の暑い時に野菜を大量に食べる方法を考える。

今回はその方法の1つである「漬物」である。

「漬物」をあまり野菜として食べることがない。そして、あまり「ヘルシー」な文脈で語られることもない。しかし、ここで上げる「漬物」は「ヘルシー」でかつ手軽で野菜がガンガン食べられるものである。

まずは野菜を用意する。いろいろ考えられるのだが、「固い」感じの野菜が良い。たとえば、大根、キュウリ、ニンジン、蕪…「葉もの」はあまり向いてないと思うが、キャベツとかは良いかも知れない。

よく洗ってからこれを適当な大きさに切る。料理本だと「一口大」とか言うけど、世間で言う「一口大」はちょっと大きい気がする。私は「親指」くらいの大きさにする。

これに塩を混ぜる。分量は例によって適当なのだが、「表面が軽くザラザラする」くらいで良いと思う。なーに、薄いようなら後の方で足せばいいし、辛いようなら次から減らしておけばいい。

これを「そのまま」しばらく置く。私は蓋の出来る鍋の中で塩をして、そのまま一晩置いておく。こうやると、乳酸菌の繁殖する「隙」が出来る。この時の乳酸菌は天然のもので不安定なので、コントロールをしたければちょっと酒粕とか混ぜてやるといい。ほんのちょっとでいいが、「バラ粕」が良い。

そうやって放置したら、汁がいっぱい出ていると思う。これをそのまま全部ジップロックの袋に入れる。

そして、冷蔵庫に入れておく。1日でも置いておけばだいたい漬かるので、食べても良い。

最初の頃のものは、単に「塩味」である。これはこれで美味しい。フレッシュな野菜という感じである。

これを何日か冷蔵庫に入れておくと乳酸発酵が始まり、酸味が出て来る。なんとなく漬物っぽくなって来る。暑い季節にはぴったりの味である。

高々数日しか漬けていないので、野菜としての栄養価はそれ程劣化しているわけではない。また、漬けてあるので多少嵩が減っているし、味がついていて食べやすい。強い味でもないので、いくらでも食べられる。

食べると減る。減ったら「塩」をした野菜を足して行けば良い。高い頻度で回して行くと、劣化して「雑巾臭く」なることもない。

何度かやっていると水気が増えて来るので、邪魔なら捨ててもいいし、捨てるのがもったいないと思えば飲んでも良い。どうせ元は野菜の汁だし、乳酸発酵してて身体に良い。冷麺(ネミョン)の汁に応用するのも良い。てか、要するにこれは韓国の「水キムチ」と同じようなものなので、同じように使うことが出来る。

火も使わず、結構な量の野菜を手軽に食べられて重宝する。もちろん漬物としての味わいも悪くない。