SurfaceGoにした

持ち歩きと自宅用のIT機器をどうしようかとあれこれ検討していたのだが、結局Surface Goを買った。

背景

私の普段の環境はデスクトップである。あまり外に出掛ける仕事ではないので、ノートPCの必要性はあまり感じないでいた。

ただ、「普段の環境」は会社にあるため、家ではノートPCを使うようになった。家にデスクトップを置くのは、邪魔だなーと思ってのことである。また、それなりのパワーのものを自宅に持つと、環境が分断されやすいという経験から、自宅の環境はあくまでも従、補完の役目である。

とは言え、出張とか書記をする時とか外出用のパソコンがないと不便なのと、家や外出先での環境はあくまでも「補完」でしかないので、それ程強力なものが欲しいわけではない。

そんなわけで、パワーはそれ程必要としないのだが、手軽に使えることが大事である。

直前にはGPD Pocketを使っていた。

これは持ち運びにも良いし、なかなか良かった。しかし、

  • キー配列が厳しい
    JISでもASCIIでもないので、タッチタイプが難しい
  • CPUがショボ過ぎ
    あまりパワーはいらないとは言えねぇ…
  • suspendの動作がおかしい
    「おかしい」としか言いようがない動作をする。お陰で電池の持ちが…

ということで、ちょっと残念だった。

そのさらに前に使っていたのは、東芝の薄い奴である。

これがどうも使っていてしっくり来ない。また、サイズが大きいので、運ぶのにも覚悟が必要で、出張の時や家で使う分には良いのだが、ちょっとお出掛けで使うのは難しい。さらに、タッチパッドの動きがイマイチ身体に合わず不満であった。ちなみに、さらにその前に使っていたのは、ThinkPad X60で、「いぼ」のついているモデルであった。「いぼ」に慣れるとパッドはねぇ。個人的なイメージでは、控え目に言って

ゴミ

なのである。

要件

そういった背景から、適当に要件定義と試用をくりかえして、今回の選択に至った。

要件は、

  • 運びやすい
    セカンドバッグに入ることが希望。そうすると、最大でも10インチ。出来ればそれ以下
  • パワーはそんなにいらないし、ディスク容量もそんなにいらない
    あくまでも補完用。とは言え、今時のウェブはメモリを消費するので、8GBは欲しい
  • 動かすアプリはそれ程ない
    あくまでも補完用。ブラウザとsshが動けば合格。X serverが動けば嬉しいし、Officeもあればあるといいんだけど
  • OSは何でもいい
    運びやすさが優先。必要なアプリが動けば良い。なので、iPadでもAndroidでも。ただし、キーボード必須

たったこれだけである。

候補

要件が緩いと思っているので、候補は多いと思っていた。ところが、近頃の携帯用IT機器は、「大画面」が流行りである。そのため、みんなやたらに大きい。

かつてであれば、10インチ前後のディスプレイをつけたノートPCなんていくらでもあった。と言うか、それくらいが標準だったと言っても良い。ところが、今時のディスプレイは、12インチとか14インチとかが多くなってしまって、10インチ前後やそれ以下は極端に少ない。UMPCとかネットブックに相当するものは、もはや皆無に等しい。

同じようにタブレットも、ちょっと前なら8インチくらいのものが沢山あった。iPad miniとか、セカンドバッグに入れるのにちょうどいいサイズだったのだが、事実上ディスコンである。Androidも10インチ程度のものが主だ。

まずはGPD poket 2

直前に使っていたGPD pocketの後継機なので、心待ちにしていた。

ところが、CPUが良くなったのは良いのだが、「いぼ」がなくなってしまった。さらに、キーボードの配列は以前と大差ないものだということがわかったので、早々に候補から落ちだ。

次がYoga book

10インチ未満のノートPCの選択肢がもはや存在しなくなってしまったので、大幅に譲歩して10インチのものを探す。その中でYoga bookの新しい奴は、キーボードの斬新さと、「反対に折れる」という点で素晴しいと感じられた。レノボは「例の事件」のせいで二度と選ぶかと思っていたのだが、その信念を曲げるくらい魅力的なハードである。

ところが、スペックをよく見ていると、

4GBモデルしかない

のである。リプレースしてメモリが少なくなるなぞありえない。てゆーか、4GBってことは、X60と同じだってことで、10年前から進歩してないとかありえん。いかにショボいスペックで良いとは言え、これはさすがに勘弁である。

Huaway MediaPad M5

ここに来てAndroidタブレットである。おそらく、現在日本で普通に手に入る10インチ未満のタブレットで一番パワーがあると思われるのがこれである。

Androidで期待するアプリがみんな動くかと言えば、多分大丈夫だということが事前にわかっているので、これを買うという選択はアリだと思う。手軽に持ち歩けるサイズであることもポイント高い。使ってみた感じでもサクサクと動いていた。キーボードも別売で存在している。

ただし、今回は選択しなかった。なぜなら、Surface Goがあまりに良かったからだ。セカンド機的なものが欲しくなったら、あるいは買うかも。

候補に挙げられるのは、これくらいである。それ以外の選択肢は事実上存在しえない。やはり一番の問題は、サイズであり、その次はキーボードだ。実はMac bookも候補に挙がっていたのではあるが、サイズがちょっと無理になってしまっていた。

ということで、結局Surface Goにしてしまった。

元々、Surfaceは東芝のKIRAを買う前から、候補に挙がっていた。しかし、

  • ちょっと高い
  • 電池交換が出来ない
  • タブレットとしてはデカい

といったことで候補から落としていた。

しかし、Surface Goが出るに至って、

  • 値段が手頃になった
  • 電池交換出来なくても値段が手頃なら良いのでは?
  • サイズもいい感じになった

ということで、選択肢に入るようになった。

結果

Surface Goで大変満足している。

まず、サイズが適当である。

10インチならギリギリでセカンドバッグに入る。つまり、普段から持ち歩ける。極端に重いということはない。持ち歩くことに不自由を感じない。飛行機の預け入れ荷物だとパソコンがダメなことがあるが(キャセイでは断わられた)、セカンドバッグに入るのだから預ける必要がない。

速度にそれ程不満がない。

まぁ、デスクトップと比べてもしょうがないとは思うが、それ程ストレスを感じない程度には動く。Facebookを使うとちょっと重さを感じるが、それはFacebookがダメなのだろう。

キーボードに不満がない。

タブレットのキーボードはストロークが小さかったり、ピッチや配列が残念だったりすることが多いのだが、このキータッチは素晴しい。そりゃデスクトップで普段使っているReal Forceと比較してもしょうがないが、安物のデスクトップ用よりも良いと思う。ストローク感も案外にある。バックライトもなかなかに良い。ピッチはむしろあり過ぎと言っても良いかも知れない。配列も素直だ。

キーボードを逆に折ると、機能しなくなる。つまり、タブレットになってくれる。

ディスプレイに無理がない。

解像度は、公式には書かれていないが、設定を見る限りでは1800×1200らしい。私はこれを100%にして使っているが、ディスプレイに対して小さ過ぎるということはない。逆に無駄に高解像度という感じもしない。無駄に解像度のスペックで勝負かけてないのは、好感が持てる。見た感じはとても綺麗だ。

電源ケーブルに無理がない。

近頃はこの手のデバイスの電源は、USB-Cだったりすることが多いのであるが、こいつは専用のコネクタである。これがベゼルに平行にケーブルが出るようになっているので、コネクタが妙に出っぱらない。また、ケーブルを上から出すことも下から出すことも出来る(=逆差しが出来る)のも便利だ。

電池の持ちに不満はない。

私が電池で使う分には、なくなるということを意識する必要がない程度には持つ。まぁ、あまりヘビーな使い方をしないということもあると思うが、どうせたいしたことさせないのでこれで良い。

インターフェイスが少ないという話があるのだが、持ち歩くことを考えると、外付けにマウスは邪魔臭いし、ディザリングはWiFi経由でやれば良いので、それ程USBが欲しいということはない。

まぁそんなわけで、私にとっては必要にして十分であり、それなりに愛情を注いで使いたいと思う程度には、良いマシンである(結構かわいい)。強いて言えば、電池交換に対応して欲しいなと思うのだけど。このエントリも真っ暗な部屋で、Surface Goを使って書いている。この程度のエントリを書くのには、特にストレスを感じない。スペックの割にお値段も手頃なので、同じようなことを思っている人は、ぜひお勧めしたいと思う。

あと、Linuxが動いていない。これについては、このPCでは特に動かしたいとは思ってなく、Windowsで十分だと考えている。ただ、Linuxの、特にベアメタルの環境が欲しいとは思っているので、小さい(GPD pocketくらい)サーバを作ろうかと思っている。96boardと電池が入るケースを作れば良いんじゃないかと。