自分が働きたい会社にする

お向かいの人が、

自分が働きたい会社にしない

とか言ってるので。

お向かいにしては本人に一度も会ったことないのが不思議である。本当にお向かいで、資源ゴミは同じ捨て場に出してる場所なんだけど。って、「お向かい」なのは登記上と前の本拠地で、普段は秋葉原の事務所にいるってこともあるんだが。「お向かい」とは言え、入口は1本違う通りだからかも。そう言えばあのビル、1階はこっち向きに入口があって、そこを借りてる人はうちのゴミ置き場に置いて行く。それはいいんだが出し方が良くないので、うちの大家が渋々片付けている。

弊社はだいたい9:30〜18:00の定時制で大雑把に7時間くらいの労働。今時ならちょっと長めの定時だと思うのだけど、開始時間についてあまりうるさく言わないし、終了時間も早上がりについて気にしないので、実質は7時間弱だと思う。まぁ、人数少ない会社で、適当に遊びに行ったりしてるので、根詰めたような仕事はしない。とゆーか、あまり根詰めることは禁止してる。シェスタ的なものをする自由もある(寝ている人は起こさない)。ちなみに、12:00と18:00には「鐘」が鳴る。その「鐘」を聞いたら、少なくともその瞬間はみんな手を止める。

とは言え、みんな仕事とゆーか物を作ることが好きなので、20時くらいまでは

会社で遊ぶ

ことが多い。遊ぶのは本当に遊んでるわけで、業務は原則としてしない。定時後であるから、基本的に拘束はない。帰りたかったら帰っていい。「基本的に」と言うのは、20時には追い出してしまうから。20時以降会社にいる「自由」は存在しない。残業は(私の)身体に良くないので、原則禁止である。まぁ、翌日が納品だとかであれば、残業でも徹夜でもするのだが、定常的に残業をするようなスケジュールとなる受注はやらない。金に目がくらんで引き受けないこともないが、そーゆーのは私が片付けることにしている。

金曜日の定時は15:00だ。つまり、毎週がプレミアムフライデー。こうしておくと、

1人月 = 20人日

となって計算がしやすいからだ。営業力があまりなくて仕事が少ないことを良いことに、休日とか余暇は多めにしてある。金曜日の定時後は、上野方面の美術館や博物館に行ったり、パーティーを開いたりしている。何して遊んでいるかは、会社のブログによく出ている。

そう言えば「ゾロ目休日ルール」というのがあって、「月と日が同じ数字になってかつ他の休日とかぶらない日」は休日である。つまり、2月2日、3月3日、4月4日、6月6日、7月7日、8月8日、9月9日、10月10日、11月11日、12月12日が土日と重ならなければ休日となっている。こうすれば、毎月1回は余分の休日が存在する。

緩くはしているが、基本的に「定時」は存在するし、基本的には「出勤」をする。それがコストを下げ、能力を最大限に生かすことが出来る方法だと思っている。もちろん、諸事情で在宅勤務とかを臨時に行うことは制限しない。台風来たりした時は基本出勤停止だし、会社に出たくない時は来なくても良い。ただ、それを前提とはしない。「出勤なしの在宅前提にすれば、世界から人材が」みたいな話もあるのだが、それは我々の目指すところではない。この辺の考え方については、いずれ別エントリで書こうと思う。

仕事はあまり選べない。金になる仕事は基本的には「外から来た仕事」なので、選びようがない。幸い嫌いな類の仕事はやって来ないので、「金のために不本意な仕事をする」みたいなことはない。そういった意味では、外から来た仕事をやっていても、そんなに面白くないわけではない。

とは言え、それではいろいろ楽になれないので、独自商品を作ろうとしている。それには何の制約も設けずに「自分(達)の強みと思えることを商品にする」という程度のことは考えている。いずれ「自前の仕事」が軌道に乗れば、あるいは選ぶことも可能になるかも知れない。しかし、基本的には「会社の仕事」という制約はあるだろう。そうなると、自分の好きなことを仕事にまで昇華させる必要がある。そして、みなそれを思っている。

技術は自由に選べるのだが、習得コストの低さとか賞味期間の長さとか外注確保を制約事項にしているので、流行りものに飛びつくことはない。特に「外注確保」は大事だと考えている。先日からやっと納品物にNode.jsも使うようになった。新しいことに手を出すのはみな嫌いではないので、いかにして我慢するかが課題である。仕事に使うにはどうなればいいかと考えるのも、それはそれで楽しみである。

給料は個々人のレベルと比べると高めだが、賞与はない(弊社従業員達は普通のアラサー女子である)。それどころか、時々給料が遅れることもある。資金繰りの安定よりは給与を多めに出す方がいいと思っているからだし、それをみな了承している。なお、私の給料は一番低い。給料が安くて辞める従業員はいるだろうが、給料が安くて辞める創業者はいないから当然である。

給料を低めにして賞与で出すようにすれば、資金繰りは随分と楽になるし見てくれも良いのだが、労使共に「甘え」が出てしまうのでしないことにしてる。賞与は

「売上イマイチだったんで賞与はなし」

みたいなことが正当化されてしまう。それよりは「年収」がちゃんと出てる方が嬉しいだろうと。今の社員が40歳になるまでに「年収1000万」を達成したい。それは「凄い技術者」がそうなるのではなくて、「普通」のレベルでの話だ。つまり、会社の仕組みそのものを、それに向けないといけない。

これらは結局のところ、

自分の理想の(従業員としての)労働環境

を求めた結果だ。そんなに遠くない未来、私はただの平社員になるつもりでいる。その時に「クソったれな会社」と思いたくないからだ。

今は私がオーナーであり代表取締役であるが、いつまでもそうするわけには行かない。私ももう55歳なので、昔なら定年になっていた歳だ。かと言って「自分の代で終わり」な会社にはしたくない。もっと楽に回るようになったら、なるべく早い時期に誰かに今の立場を譲るつもりでいる。それでも私は仕事が好きだから、今の会社にはいたいと思うのだ。

前の会社からは事実上追い出されるように退職しているので、

居場所が欲しいから起業した

のだ。だから、「自分が働き続けたい会社である」ということは大事だ。

とか書いていると、結局のところお向かいの人と同じようなことを考え同じようなことを指向していることがわかる。要するに単なる

実装の違い

に過ぎない。