まだまだ暑い日が続いているので、夏っぽい食べ物を。
教会に限らず、みんなで食べる御飯で困るのは、
- 好みがいろいろ
- 量の見積りが難しい
- コスト制約が厳しい
といったこと。この辺がうまくカバー出来るのが、カレーとか炊き込み御飯だったりします。カレーや炊き込み御飯が嫌いな人は少ないし、量は適当に調整出来るし、安く作ろうと思えばいくらでも安く作れる。とは言え、なんかパターン化してしまうとつまらないしーー と言うのが、この「教会御飯」シリーズを書いてみようという動機です。
と言うことで、こういった制約を越えられる新しいメニューを創ることにします。
こういった制約があると、どうしても「みたいなもの」になってしまいます。本格的なものが作りたくても、制約が重くて「みたいなもの」にならざるをえません。それはそれで残念なので、私は「似せる」ことを狙うのではなくて、「新しく創る」という
教会向け創作料理
という考え方で考えています。とは言え、「~風」みたいな名前にするのも好きではないので、「みたいなもの」と表現してますが。
今回は、タコライスをベースに考えることにします。
タコライスの基本は簡単なもので、
- 御飯を盛る
- タコの中身(タコミート)をかける
- チーズをかける
- レタスやトマトをかける
といった感じ。つまり、タコのシェルの代わりに御飯を使うだけ。タコシェルは手間もコストもかかるのですが、それを御飯でやってしまうというのが画期的かつ都合が良い。元々、タコライス自体が沖縄で作られた創作料理らしいです。比較的最近創られたものなので、伝統とか形式とかないようなので、これもまた都合良いですね。
1.タコミートを作ります
さてタコミートですが、お手軽にやるのであれば、シーズニングスパイスを買って来れば済みます。値段もあまり高くなくて、500gくらいのタコミートを作るのに200円もしないですから、経済的にも知れています。
私も今回のメニューを作る時に、参考用で買って来たのですが、
まぁまぁおいしいんだけど、なんかイマイチ
な気がして、自分でいろいろやってみることにしました。インスタントでやりたい人は、シーズニング使えば良いです。私はこの手のインスタントシーズニングは、スパイスとそれ以外の味が独立して制御出来ないので、どうも苦手です。「もっとクミンだけ効かせたい」と思っても、チリもトマトも増えちゃうわけで。そこにクミン粉を別途加えるのであれば、最初から自分で作っちゃう。
基本の材料は、
- 肉(合挽きの安いのでいい。てかその方がおいしい)
- タマネギ
- ピーマン
です。分量は肉は1人分50g程度、タマネギとピーマンはそれぞれ1人分が1/8くらいです。今回の私の教会では、40人分ということで、肉2kg程度、タマネギとピーマンは、ハナマサの1袋でした。
味つけの基本は塩です。上記の材料の割合だと、肉100gにつきヨーグルトについて来るプラスチックのスプーンに山盛り1杯でした。とは言え、これは塩の粒の大きさとか、スプーンの大きさ、湿度とかの影響を受けるので、適当に味見しながらが良いです。まぁ、極端に辛くならなければ、多少多くても構いませんし、その方が安上がりです。贅沢にしたければ、塩分控え目で材料多めに。
タマネギとピーマンは適当に刻んでおきます。と言っても、あまり気合いを入れて刻むこともなくて、適当で良いです。
フライパンを熱して、適当に油を入れます。油は野菜が炒められるくらいで良くて、安物の挽肉を使えば、どうせ油はいっぱい出て来ます。油を熱したら、タマネギとピーマンを入れて、軽く炒めたところに肉を入れて、塩を入れて炒めます。
本当は香ばしくしたければ、肉を先に入れるのだと思うのですが、フライパンにくっつきやすくなってしまうので、野菜を先に入れた方が楽ですね。
色が変わって来たら(完全に変わる必要はない)、スパイスを入れます。
私の使ったスパイスは、
- カレー粉
- クミン粉
- オレガノ
です。こういった料理の時にカレー粉は都合が良くて、風味と辛さを同時に入れることが出来ます。と言っても入れ過ぎるとカレーになってしまうので、風味を見ながら。そして、タコミートの風味の基本はクミンとオレガノです。前のカレーの時にも書きましたが、クミンは多少多く入れてもピリっとするだけで、そんなに辛くなりません。「いかにも異国風味」という感じにしたければ、クミンをいっぱい入れると良いでしょう。まぁ、好き嫌いはあると思いますが。
分量的には、カレー粉クミン粉は2人分で小匙1杯くらいを基本に調整して下さい。うちの中華鍋だと、1度に10人分くらい作れるのですが、カレー粉クミン粉は、それぞれ小匙山盛りで5杯くらい入れました。オレガノは味のするスパイスではないので、好みの風味になるように適当に。
この手のスパイスは基本的に炒める時に入れます。と言うのも、だいたいこれらのスパイスの風味というのは、油性のものなのだからです。油に溶かしている感じだと思うと良いです。
スパイスを入れて炒めてよく混ざったら、トマトピューレを入れます。これは分量適当なので、トマトジュースでも構いません。私はハナマサで売っている瓶入りのピューレを、1回に150ccくらい入れました。てか、1本が600ccくらいで、それを4分割して全部使ったというだけです。
炒めながらよく混ぜて煮詰めて、汁気がある程度飛んだら出来上がりです。汁気が飛んだらと言っても、カラカラになる必要はありません。あとここにパプリカ粉とか入れて、色を調整すると「らしい」感じになります。
オペレーションとしては、この状態のものを運びます。前日に作って保存することになるので、食中毒には注意。
2.トッピングのサラダ
「チーズとレタスとトマト」の部分も、ちょっと工夫します。
まずチーズなんですが、たいした量を使うわけではないので、コスト的には知れているのですが、「教会御飯」となると、チーズはちょっと面倒臭いものになります。と言うのも、やってみるとわかるのですが、「パラパラと適量ふりかける」ということをするのが、時間的にも手間的にも容易じゃないのです。同じように、「レタスとトマト」も、あまり簡単じゃありません。
そこで、ここは発想を変えて、
チーズっぽいドレッシングで作ったサラダを載せる
ことにします。これならオペレーション的にも無理がありません。
まずドレッシングですが、今回は
- 水切りヨーグルト
- 味噌
- 醤油
を使って作りました。ヨーグルトのホエーを抜いて、それに味噌と醤油を加えるわけです。ヨーグルトはホエーを抜くと、水気が減るだけではなくて、酸味も減ります。そうすると、コテージチーズのようなものが出来るわけです。ここに発酵食品である味噌と醤油を加えると、なんとなくチーズっぽい感じのするドレッシングが出来上がります。分量としては、ヨーグルト1パック(500g)で10人前。味噌醤油は味を見ながら適当に。この辺、ヨーグルトの水抜き加減とのかねあいがあるので、どれくらいとはっきりは言えませんが。水抜きは、ザルにキッチンペーパーを敷いて、ヨーグルトを載せときます。6時間くらい放置しておけば良いと思います。あまり抜き過ぎると、固くなってしまいますので、程々に。
レタスは1cm角くらいになるように刻みます。まー適当に。
そして、トマトの代わりに、赤パプリカを使いました。トマトを使うと良いんですが、トマトの質のいいのは入手が難しい上に結構高価なので、同じ赤と言うことで、パプリカです。一応塩で軽く茹でて使いましたが、茹でなくてもそんなに違うわけでもありません。
これらを混ぜてサラダにします。
3.提供
提供する時には、タコミートを御飯と混ぜてしまいます。そうすると、ミートの量の加減をしなくて済んで楽で良いです。もっと汁気の多いものであれば、「おたま1杯」を基本にして… ということが出来るのですが、タコミートはもうちょっと少な目になってしまうので、いっそ御飯と混ぜてしまった方が簡単に出せて良いです。混ぜると、チャーハンっぽいものになります。混ぜる前に、加熱しておく方が混ぜやすいですし、御飯も冷えませんし、食中毒を避けやすくなりますので、温めて混ぜましょう。
混ぜた御飯の上にサラダを載せて完成。オペレーション的にとっても簡単。
4.ナムルっぽいもの
いつも付ける漬物なんですが、今回はちょっと失敗してしまったので、ナムルのモヤシっぽいものを作って出しました。
作り方は簡単で、モヤシを塩気で茹でて、胡麻油とちょっと辣油を加え、ポン酢を混ぜて完成です。うちでは、いつも鶏を茹でているスープがあったので、それで茹でました。モヤシは普通のブラックマッペのモヤシではなくて、大豆モヤシです。ハナマサで1kg 250円とちょっと高め。でも、豆の部分が大きいのがいい感じです。
問題は、モヤシは茹でると量が減ってしまうので、結構必要だと言うこと。今回は40人分で2kgでもちょっと足りないかなーってくらいでした。
今回はちょっと費用がかかってしまって、1人分が120円くらいになってしまったのが、個人的には残念ですね。いつもの倍くらいかかってるのですが、原因は材料の種類が多かったということですね。あと、季節のせいかレタスがちょっと高い。モヤシも量が必要だし。まぁ、今回はお客様もあったので、まぁいいかなってことで。