教会御飯(9)魯肉飯

他はどうか知りませんが、うちの教会の御飯は、いろいろな都合から原則的に「混ぜ御飯」か「丼物」になってしまいます。

「御飯とおかず」ということが出来れば、いろいろバリエーションの幅が作れるのですが、「おかず」をいい感じに分配する方法が思いつけていないので、

ワンプレートランチ

にならざるをえません。「そういったものだ」という制約の下に、献立を考えます。

また、個人的には「今まで作ったものを作らない」という方針を持ってやっています。これはまぁ、ここにこうやって書く時に「○月と同じでした」とか書くとつまらないからです。毎月、実験をしつつ、メニューを考えて、それを提供する。そこに、

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があるわけです。

とは言え、他の制約事項、「誰でも食べられる」とか「予算」とか、そういったものがあるために、自ずと出来ることには限りがあります。まぁ、それもクリアしつつやるのが面白いわけですが、そうなるとだんだん「普段食べないもの」に目が行くようになります。なんとゆーか、

世界味めぐり

的方向と言うか。そんな感じ。

とゆーわけで、いきなり台湾料理です。

魯肉飯」というのは、簡単に言えば

挽肉を煮たのを御飯にかけたもの

です。なので、この「挽肉を煮たの」を作ることになります。

主に使うのは、

  • 豚肉
  • たまねぎ
  • 茸類

です。

豚肉は、普通の挽肉ではなくて、ゼラチン質の多い部分がある方がおいしいです。手間とか入手が許せば、スネのような堅い肉が良いですね。そして、それを挽肉状に刻みます。まぁ、面倒臭ければ、挽肉でもいいんですが。私はたった100g10円の差のために、自分で肉を刻むことを選んでしまいました。「刻む」と言っても、5mm角くらいを目標にすれば十分です。

たまねぎは、普通サイズ1つが8人分くらいになります。これも5mm角くらいを目標に刻みます。

茸類は本来は椎茸を使うものですし、それが一番おいしいと思います。とは言え、椎茸は好き嫌いがあるもので、あれが食べられないとか言う人は少なくないので、ブナシメジで代用することにします。これだと、あまり嫌いな人はいないようです。これも5mm角くらいを目標に刻みます。刻む時は、傘の方から刻む方が楽です。

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実際にはこの他に竹の子とかもやはり5mm角くらいに刻んで入れたりしますが、今回は予算と手間の都合で割愛。余裕があれば入れた方が良いと思います。

この他に、調味料として

  • ニンニク
  • ショウガ

を使います。適当な量を小さめに刻みます。どちらも好き嫌いがあるものなので、控え目にしておいた方が良いと思います。

まず、鍋に油を入れて、ニンニクとショウガを炒めます。ここであまり高温にすると焦げるだけなので、じっくりという感じで炒めるのが良いでしょう。

ニンニクとショウガを炒めたら、たまねぎを炒めます。軽く火が通ったあたりで肉を入れて、さらに炒めます。この時に軽く塩をします。この塩は味付けと言うよりは、肉の味を安定させるためなので、そんなにたくさんは入れません。薄く塩味がつくくらいで。肉がいい感じに炒められたら、茸を入れてさらに炒めます。

炒めものに火が通ったあたりで、日本酒を少し入れます。これはまぁ、無理にと言うものでもないのですが、入れた方が味の深みが出ます。分量は、そんなに大量でなく、「調味料」くらいの感じで。アルコールはどうせ料理しているうちに飛ぶので、煮切って入れる必要はありません。多少多くても少なくても、極端に味が変わるものではないので、あまり細かいことを気にする必要はありません。

この後に、

  • かえし

を入れます。水は全体にひたひたという感じになるくらいに。「かえし」は味を見ながら適当に。「かえし」の作り方は、親子丼の作り方にあります。とは言え、今回は親子丼の時の残りがあったので「かえし」を使いましたが、何も「かえし」に拘ることもなく、醤油、味醂、砂糖を適当に合わせたものを使えばそれで十分です。

味はちょっと甘いかなというくらいにすると良いでしょう。まぁ、あまり甘くなってもクドいだけですが、大雑把に

豚の角煮

を想像してもらうと良いかと思います。まぁ、魯肉飯はお店によって味はいろいろなので、適当に好きな感じにしてもらえば良いですし、極端な味になっていなければ、それなりにおいしく食べられる、失敗の少ないものです。

と言えば、風味つけに「五香粉」を少し入れます。これを入れると、いかにも中華っぽい感じになります。でも、多過ぎるとあざといだけじゃなくて、これが嫌いな人も少なくないので、ほんのちょっと風味つけという感じにしておいた方が良いでしょう。

今回はこの状態で運びました。本当は水とか入れる前の方が軽くて良いのですが、味付けとかちゃんとしておきたかったので、少し重いですが、ほぼ完成の状態で。

魯肉飯には、青梗菜の茹でたのと、茹で卵がつきものです。異論は認めませんw

青梗菜を茹でるのは家で行う必要はないので、生のままで運んで、教会で茹でます。茹で方は普通の青菜の茹で方で、塩をお湯に入れます。この塩は色を綺麗にするだけじゃなくて、水っぽさを減らすという意味もありますので、ちゃんと味がつくくらいにした方が良いでしょう。青梗菜は茹で上がりがよくわからなくて茹で過ぎになってしまうことがあるので、よく注意して。まぁ、茹で過ぎても塩が入っているので、そんなに水っぽくはなりませんが。生でも食えないことはないですから、あまり神経質になる必要はありません。

卵は茹でて運びます。本当は茹でて味をつけておきたいのですが、工程的にも材料的にも難しいので、茹でて、殻を剥きます。味つけたかったら、肉と一緒に煮ておくと良いです。

買って来る卵は新しく、新しい卵は殻が剥きにくいので、茹で玉子に向いてないのですが、フライパンで茹でると簡単に殻が剥けるようになります。

フライパンに水深1cmくらいの水を入れ、卵を並べます。これをこのまま蓋をして火にかけて、沸騰して5分で火を止めて、5分くらい放置します。これだけです。後は熱くない程度に水で冷やして殻を剥くと、なぜだか簡単に殻が剥けます。

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さて運んでからは、火を通します。ここでしっかり煮た方が良いです。本当は肉にはスジっぽいものを使い、そのスジが柔らかくなるくらい火を通すのが、正しい作り方なわけですから、たとえスジっぽくなくてもしっかり煮ましょう。挽肉を使うとポロポロしやすいので、しっかり煮てしっとりさせるのが良いです。

仕上げには、水溶きの片栗粉を入れてとろみをつけます。スジっぽい肉を使えばこれは多分いらないし、タマネギ多めにしてしっかり煮てあれば、なくても大丈夫な感じではあります。その辺は出来上がりを見て考えてみて下さい。片栗粉が多過ぎると、なんとなく中華丼っぽい風味になってしまって、これはこれで残念ですから、その辺は注意して下さい。

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こんな感じに盛りつけで出来上がりです。