天ぷらじゃないもの

素人に天ぷらは難しい。

魯山人も素人は作らない方が良いとして、他のものを勧めている。何が難しいと言って、「粘らない衣」が難しいのだ。粘らせないために、氷水を使ったりとかいろいろ工夫があるが、やっぱり難しい。いや、「らしい」ものを作ることは不可能ではないが、やっぱり違う。衣はサクサクしてなければならない。

今日は牡蛎を買って来て、「天ぷらのようだけど違うもの」を作った。魯山人は「素人は天ぷらの代わりに琥珀揚げを作れ」ということでレシピを書いているのだが、違うレシピにしてみた。

玉子を溶き、ちょっと水を入れる。ここまでは天ぷらと同じ。しかし、次に入れるものは「小麦粉」ではなくて「片栗粉」だ。小麦粉の代わりに片栗粉を使うのである。

片栗粉にはグルテンが含まれないので、粘ることがない。だから、揚げても衣が硬いということはなく、サクサクとしている。小麦粉のような風味には欠けるのでちょっと物足りないような気がするが、この辺も好みだ。粉が何であるかよりも、油や何で食うかの方が影響大である。

ネタには牡蛎だけでは寂しいので、オクラとネギを使った。オクラはヘタを取って、半分に割る。ネギは長さ1寸くらいに切る。

油の加減は普通に天ぷらと同様。

これに昔某氏にもらった、京都の「山椒入り塩」をつけて食うと、たいそうおいしい。オクラや牡蛎もいいが、ネギがなかなか味を出している。