打合せに二弁(東京第二弁護士会)に行く。
二弁は弁護士会館の中にある。なので、エレベータやロビーでは大勢の弁護士を見る。弁護士かどうかは一目でわかる。弁護士は弁護士バッチをしているか、裏返しでしているからだ。
この弁護士バッチは、銀の上に金メッキである。だから、新品は金ピカだ。弁護士活動をしている時には必ずつけてないといけないものらしいし、なくすと始末書書いて再発行してもらうという大事なものだ。そうやっていつも使っているものなので、新品のうちは金ピカでも、使っているうちに金は剥げ、銀色になって行く。逆に言えば、弁護士バッチが金ピカだということは、「なくして再発行」された後か、「新米」だということである。
新米の弁護士は法廷でも現場でもなめられるものなので、なるべくそれとわからないようにする。態度や知識は経験によるものだが、それは素人にはわからなかったり、人それぞれだったりする。だが、一目で見てわかるのはこの「弁護士バッチ」の色である。そんなわけで、金ピカなバッチの弁護士は新米ということでなめられる。
新米弁護士はそれがわかっているので、いろいろな工夫をして金を剥がすらしい。弁護士のコミュを見ていると、「小銭入れに入れる」とか「布でこする」とかという話が出ている。そうやって強制エージングをするわけだ。
ところが…
そうやって頑張って金を剥がすと、妙に綺麗に剥げてしまう。「弁護士のバッチ事情」を知っていると、逆に綺麗に剥げてしまっている人を見たら(特にその人が若そうに見えると)、「こいつ新米のくせに無理してる」とうつる。今日見掛けた若そうな弁護士はみんな銀色のバッチだったので、「無理してんなー」という感じで、ちょっと微笑ましい。
年寄りの弁護士はそんなことに頓着しない(する必要もない)から、金ピカだったりする。まぁそれはそれで「このおっさんボケて落としただろ」とか思ってしまうわけだけど。
ということを知ると、「じゃあ最初からメッキなんてしなくていいじゃん」と思うんだが。