自殺のニュースが多いけど…

最近は自殺のニュースが多い。

いじめを受けた生徒の自殺やら、履修不足の高校の校長やら。ここのところ、自殺のニュースがやたらに多い。

ということの表面だけ見ると、「最近自殺が増えて来たんだ」という短絡的な結論に至る。メディアの人達はそんな論調のことを書きたがる。実際そんな記事は少なくない。

しかし、自殺者数ってのは、年間3万人いる。交通事故の死者が1万人を切っていることを考えると、そうそう珍しい死に方ではない。年間の死者は大雑把に100万人くらいだから、3%だ。1日100人。1時間あたり4人。

仮に全ての自殺を記事にすれば、新聞は毎日特集号が作れるくらいの数である。新聞の記事の数からすれば、1日に10件もあればとんでもなく多いように見えるし、今新聞をにぎわしているように見える自殺の数は、1日に2,3件もあれば多く見えるくらいだ。これは1日の自殺者数からすれば、2,3%に 過ぎない。

元々、世の中には「新聞ネタ」になりそうな事件は少なくない。そのカテゴリだけで特集号が作れるくらいある。メディアはその中からピックアップして記事にする。人は自分の周囲のこと以外はメディアから情報を得るしかない。だから、ピックアップの仕方をちょっと変えるだけで、容易に「世の中の様子」 を変えてしまうことができるのだ。

「自殺」の記事も、そう思って読んでおくのがいい。