「韓国の景気」

韓国の景気がいいらしい。

ウォンが安いせいで輸出がどーこーとか言う人達もいるけれど、確実に力をつけたのだろうと思う。

先日倒産したメモリメーカーの友人と飲んできた話

増田なので、この話がどこまで本当かわからないけれど、「韓国いいな」系の話と整合するので、デタラメとか真逆のことを言っているのではないだろう。「盛って」あるかも知れないけれど。

片や

わずか1年で失業率が2.6%から7.0%に急上昇

こんな話もあって、これも向こうの友達から聞く話と整合している。どういうことか?

あまり言う人は少ないのだけど、韓国人は「自重」とか「加減」とか言うことをしない民族だ。一緒にビジネスやるとわかるけど、何でも行け行けどんどんで、まるで高度成長期の日本を彷彿とさせる。我々から見ると、

リスクよりメリット

ってのを、まさしく体現しているように見える。それを「現代(!=Hyundai)」に持って来るものだから、そりゃもう大変なもんだ。「電機」があっと言う間に追い越されたのも、そのせいだと言っていいと思う。

通貨危機の後、あの国には外資が大量に入ったことは、知ってる人は知ってるだろう。実はそのそのせいで、経営は合理化され、ますます利益を上げる方向になり、そこに「自重」とか「加減」とかを知らない国民性があり、財閥も機能していた。さらに、そこに「国策」も入り… かつて「日の出の勢い」だった日本の勢いを、さらに加速したようなことになったわけだ。「2.6%から7.0%」はその頃の話だ。それだけ激しい合理化があったと言える。そして、それは今も続いていて、就職のない新卒があふれている。

経営者視点の人達は、それを見て「素晴しい」と言う。「会社」という視点から見ると、確かに素晴しい。その辺はあちこちで書かれているので、嫌韓厨も見るといい。

じゃあ、「庶民」はどうかと言えば、そういった勢いに乗った会社の関係者以外は、かなりショボいことになっている。格差なんてのは元々あったところだけど、それがさらに酷いことになってるし、市民相手っつーか国内向けの仕事はとてもショボいと嘆いてる声が聞こえる。日本で内需がショボいことになって… って話を聞くのだけど、韓国のそれはさらに輪をかけている。

韓国の気の効いた会社は、国内市場が小さいので元々相手にしてない。てか、そういったところはたいていショボいので、みんな海外を見ていろいろやっている。日本だと内需だけでもそこそこの規模のビジネスになるのだけど、韓国はそうも行かない。

向こうでは気の効いた学生は、英語も日本語も普通にしゃべる。それくらい「海外」を見ている。そもそも、「いい大学」出ても、国内にいい就職口はあまりないらしく、いつも海外を見ているっぽい。油断していると、ソウル大を出ても職がないとかって話だ。

これを良いとか悪いとか言うつもりは全くないし、別に結論じみたことを言うつもりはない。ただ事実として、「韓国の景気」ってのはそういった二面性があって、どうもそれは今のところ不可分らしい。彼等はあまり「格差」ということを気にしてないっぽいようなので、多分当分はこのままなんだろう。

あの国の経済を肯定的に見るのも、否定的に見るのも、こういった二面性を忘れはいけないし、それを無視した話は片手落ちだなと思う。

PS.

「2.6%から7.0%」はIMF時代の話なので、その辺を直して再うp。あのまま読んだら「今」のことかと思ってしまう。まぁ、今も負けずに厳しいらしいけど。

政治とビジネスは似て非なるもの

で書いたことも、一緒に読んでもらうと良いかと。