残念ながら「まだ」Samsungの方が正しい

TechCrunchの記事。

サムスン、Apple恐るるに足らず「テレビは究極的には画質だ」

いかにもSamsungの幹部が頭が足りないと言いたげな記事だが、残念ながら頭が足りないのはTechCrunchの方だ。

だいたいのことは、以前に書いた通りで、

セットトップボックス?

今まで、テレビにテレビ以外の「情報」を出して成功した例は皆無なのだ。そして、それは未来においても変わらない理由がある。なぜなら、

利用シーン

が違うからだ。技術的な問題じゃない。

世の中テレビが売れてない。それも日本メーカは軒並撤退で、いかにも韓国メーカが勝ってるかに見えるけど、それも実はあまり正しくもない。「若者のテレビ離れ」とか言うスジもあるけど、別に若者ばかりじゃないし、日本のテレビはくだらないとか言うけど、テレビが売れなくなったのは日本に限った話でもない。新興国では売れてるように見えるけど、それは元が0に近かったからってだけ。

テレビが売れないのは、

テレビというシーン

が減ったということ。大昔の家にあった「家庭用据置きラジオ」がなくなったのと同じ理由だ。

そういったことに抗えるのは、Samusungの言うように、徹底的に画質にこだわることくらいだ。サイズをデカくして、映画館の再現でもするのが究極だろう。それはまぁ「デカい」ってこともあるし、「テレビ」が映るから、「テレビ」と呼んでもらえるだろう。まぁ件の記事にあるように、「画質」を気にする層、それがわかる層がどれだけあるかってのは問題なんだけど。

その抵抗がいつまで出来るのかわからないが、「テレビ」という製品が続く限りは、多分なんとかなるだろう。もっとも、遠からず「テレビ」は機器やメディアの呼称ではなくて、一つの情報チャネルになってしまって、世の中は「ディスプレイ」になってしまうだろうが。そうしたら、あるいは「Apple」の時代が来るかも知れない。「Apple TV」は結構個人的には来てる。でも、あれは「テレビ」じゃない。「白馬」が「馬」ではないように。

「でっかいシアターテレビ」がいつまで必要とされるかも疑問を持っていい。テレビは個人化されて「ディスプレイ」となりたがる。「デカくないと迫力に足りない」のは今の技術の話であって、「迫力」を再現することが出来るもっと小さいデバイス(HMDの類かも知れないし、他のものかも知れない)が出て来れば、「でっかい」必要はなくなるだろう。「でっかい」必要がなくなれば、「テレビ」になっている必要もない。

屁理屈に聞こえるかも知れないけど、「テレビ」と「ディスプレイ」は別のものなんだよ。技術のわかってる人ほど混同するけど。

だからつまり、

テレビに勝者はいない

のだ。Samsung的なものが終わった時には、「テレビ」というものが消えている。「再発明」とか「再定義」とかはこじつけのものにしかならない。

PS.

facebookでイマイチよーわからんと言われたんで、リンク先のエントリに書いたことをもうちょっとこっちにも書いとくと、

「テレビ」は世帯
「ディスプレイ」は個人

のものだということがポイント。それにともなって、シーンも変わる。単身者世帯だと、どっちも個人だからピンと来ないし、同じものでも別に困らないから、気がつかないかも知れないけど。

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This entry was posted on2月 14th, 2012 at 12:53:54. You can follow any responses to this entry through the RSS 2.0. Responses are currently closed, but you can Trackback..

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