わかりやすい単位にしてくれ

多分、放射能関係のニュースを見て「??」って思ってる人は、同じことを思ってるだろう。

最近はSI単位系を使えとゆー圧力が高く、圧力の単位は「Pa」を使うことになってる。だから、「ミリバール」なんて言葉は使わない。放射能の時に「キュリー」なんて単位は滅多に聞かなくなったし、ピップエレキバンだって「テスラ」を使うようになった。

技術者科学者にとってはSI単位系の方がいいのは当然なんだけど、これが「肌感覚」に合わなくて困る。

SI単位系のいいのは、何を置いても

計算しやすい

ってことだと思う。妙にハンパな定数があまり顔を出さないので、わかりやすい。これは、科学工学をやって来た人達にとっては、常識だ。まぁ「単位系の授業の単位」を落としそうになった私が言ってもアレだけどw

ところが、「素人」はそんなのはどうでもいい。とゆーか、数値の意味そのものはよくわかってない。何がわかってるかと言えば、

今まで聞いた数値に対しての相対値

だけだ。しかも、それは線形であることを期待している。

「1Pa」が「1m^2にかかる力が1N」というのは、計算には楽だが小さ過ぎてピンと来ない。なので、補助単位を使うのだけど、「ミリバール」と数値を合わせるために「ヘクト」なんつー、なじみのない補助単位が登場することになる。だいたい10^3単位でない補助単位も避けた方が良いとされてたと思うんだが。で、大気圧あたりはこれでもまぁ我慢が出来て、「950hPa」とか言われると「大きめの台風だな」とか納得する。でも、もっと大きなメガとかギガとかついたのになると、脳内では「0.1MPaが1気圧」とゆー計算が始まる。

もっと馬鹿馬鹿しい気がするのは電気の単位で、普段平気で「メガワット」だの「ギガワット」だの使ってるくせに、発変電の話を聞く時には「ひゃくまんキロワット」でないとピンと来ない。「1ギガワットは100万キロワット」とゆー計算をしてしまう。実は「500kV送電線」みたいな言い方もピンと来なくて、結局「50万ボルト」とか計算してしまう。普段「CRTの加速電圧は50kVくらい」とか平気で言っていてもだ。

どうでもいいことだけど、空気の絶縁破壊には「1000Vは1ミリ」って目安があるので、kVで電圧を表現すると、そのまま空気中で離隔すべき距離になる。それに気がつくと、kVの方がピンと来るようになる。

こいつらなんてまだ桁とか補助単位の問題だけだけど、「PS(馬力)」とか「Cal(飯)」とかハンパな値の定数をかけないと今まで把握して来たものと比較出来ないものになると、お手上げになってしまう。「」とかも同じようなもんだ。

これが「放射能」やら「放射線」やら「マグニチュード」やらになると、ますますわけがわからない。いや、調べりゃ数値の意味はわかるし、計算も出来るんだが、ピンと来ない。比較するものがあまり身近にないからだ。これは今回のことでみんなわかったと思う。

「え? マグニチュードは対数目盛で2違うとエネルギーは1000倍違って…」とかわかったような顔で言う奴は、「マグニチュード」にいくつモノサシがあるか知らない半可通かも知れない。私はいくつかあるってことを知ってる程度の半可通だったんだけど、訳知りの人に聞いたら「6くらいまでなら、どれでも一緒だよ」ってことらしい。例の震災でマグニチュードがコロコロ変わったのは、計測の精度の問題もあるけど、マグニチュードが「気象庁マグニチュード」から「モーメントマグニチュード」に変わったかららしい。「何かを隠蔽している」的な陰謀論とは、あまり関係がない。これだけ大きいと「どのマグニチュードか」ってことが違って来るのだと。まぁそれがわかったところで、あくまでも「地震のエネルギー」の比較でしかないのだけど。

気象庁マグニチュードとモーメントマグニチュード

自分のなじみのない世界での「SI単位系」ってのは実はどうでもいい(だいたい「マグニチュード」はSI単位系じゃない)。素人はどうせ計算なんてしなくって、「数値の大きさ」でイメージしてるだけなんだから。補助単位だって

「マイクロってミリの何倍ですか?」

的なことになって、あんまり意味がない。でも、素人でも「その数値がどれだけ大きいんだ」ってことは知りたいのだ。となれば、もっとわかりやすい単位で説明してくれるといい。

じゃあここで「レントゲン1回」とか「東京ドーム」とか出て来てピンと来るかどうかはわからない。国家予算を「牛丼○杯分」とか言われても、よけいにわからなくなるだけだ。ビールの消費を「霞が関ビルの」とか言われても、わかったようなわからないような。「福島の原発には100チェルノブイリくらいの放射性物質がある」とか言われたって、あんまり意味がない。

たとえば「マグニチュード」なんてのはピンと来ない数値の代表みたいなもんで、これをたとえば「震度5以上の揺れのあったであろう陸地面積」とかにすると、「マグニチュード」よりはずっとわかりやすい気がする。学術的には全く意味がない数値だけど、素人にとっては大事な観点だ。「放射能」は「死亡確率が上昇するパーセント」とかの方が理解しやすい。α線がどーこーとか、放射線と放射能は違うんだよとか、素人にとってはどうでもいい。

どれだけヤバいか

が知りたいだけなんだから。逆に数値がいくら大きくても死亡確率が大差なかったら、「まぁいっか」と思える。「環境基準」を恣意的にいじられるより、ずっとすっきりするし納得しやすい。

もちろんそれで全てを説明出来るわけじゃないし、数値の恣意的な操作がないわけでもない。だけど、「正確だけどよくわからない単位」で説明されるよりは、「多少恣意的で不正確でも、なんとなく理解出来る単位」で説明される方が意味があると思う。

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This entry was posted on4月 7th, 2011 at 16:32:37. You can follow any responses to this entry through the RSS 2.0. Both comments and pings are currently closed.

2 Responses

Comments(2)Trackbacks(0)

  1. みゃあ

    天気予報の気圧が「hPa」になった当初、「なんじゃそりゃ?」ちゅうたら「バールのような物だ」と言われた……
    いや、ただそんだけ。

    2011/4/9 土曜日 18:08:56 | #1
  2. ogochan

    だれうま…

    2011/4/9 土曜日 18:17:06 | #2
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    秋葉で暮し秋葉で仕事してますが、秋葉系は嫌いです。物事を冷静に分析することは好きですが、ニヒリストは嫌いです。

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