10年ちょっと前、デジカメは玩具に過ぎなかった

10年ちょっと前、デジカメは玩具に過ぎなかった。

解像度はせいぜい1024×768くらい。一応、「一眼レフ」はあったけど、あらゆる部分で玩具だった。

10年前、デジカメの性能は上がり玩具ではなくった。しかし、「銀塩写真が滅びることはない」と言われていた。

10年ちょっと前のデジカメは、物好きのためのものだった。個人的にはデジカメはwebに載せる画像が撮れれば満足だったから、640×480くらいの画像が取れれば十分だった。そういった意味ではCL-1400はレンズも大きく、いい画が撮れるので満足だった。だから、かなり長いこと使った。と言うか、それ以後はIXYデジタルの初期型を買った以外はデジカメを買ってない。あんまり高解像度がいらないので、携帯で十分なことが多いし。

それから数年して、デジカメの性能は随分と上がって、高解像度競争が始まった。価格もそれなりになって、誰でも買えるものになった。それでも、「銀塩はなくならない」「デジカメの本質的問題」などとゆー話が、写真関係者では言われていたものだった。そういった話を読んだ当時は、「確かに民生はデジタル化しても、プロ用は銀塩のままだろう」と思ったりもしていた。

さて今日、それはどうなっているかと言えば、銀塩はプロ用も含めてほぼ絶滅状態になった。もちろん銀塩用機材が皆無というわけではないが、銀塩のフィルムを作っているメーカ自体、もうあまりない。カメラの新製品を見ても、全てデジカメだ。銀塩は見事なくらい駆逐された。

したり顔で「銀塩はなくならない」とか「デジカメの本質的問題」とか言っていた「専門家」はどう思っているだろう?

今でも、銀塩がダメということはない。銀塩の方がデジタルに勝つことの出来る分野がないわけじゃない。でも、そういう「必要性」ということとは全く関係なく、「技術革新」と「市場原理」の前に絶滅に瀕している。

確かに銀塩カメラがなくなれば、街の写真屋が潰れると言われたし、実際激減した。一部「デジカメプリント」をやっているところもあるが、そんなに流行っているようにも見えない。昔はプリント返しの袋が店舗の壁にずらーっとかかっていたのだが、そういったものが見られるわけでもない。明らかに「街の写真屋」は斜陽産業であり、誰もそれに抵抗することは出来ない。あれが潰れれば、路頭に迷う人も出るかも知れないが、そういったものも「技術革新」と「市場原理」の前には、どうすることも出来ない。一部を除けば、銀塩と共に潰れるしかない。デジカメが普及すれば街の写真屋が潰れるとか言っていてもしょうがなかったのだ。

たった、10年前、デジカメがそれなりのものになった時であっても「銀塩はなくならない」とか「デジカメの本質的問題」とかとゆー議論があったのだ。いや、もしかしたら識者はこうなることはわかっていながら、

関係者をなだめる

ためのサービストークだったのかも知れない。

ということを、いつもの「おまぬけ技術論」の、

電子書籍が日本文化を破壊する日

を見て思い出したわけだ。「技術革新」と「市場原理」の前には、そーゆー「識者の声」は無力なんだよ。

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This entry was posted on5月 22nd, 2010 at 22:13:59. You can follow any responses to this entry through the RSS 2.0. You can Leave a response, or Trackback.

7 Responses

Comments(6)Trackbacks(1)

  1. もぎゃ

    きっと100年くらい前、人々は、「馬車はなくならない」「自動車の本質的問題」と言っていたのでしょうね。
    一万年くらい前には、「狩猟はなくならない」「農耕の本質的問題」と言っていたのかもしれませんw

    2010/5/23 日曜日 4:29:40 | #1
  2. ogochan

    「馬車」のことは、なんか書いたような気がする。その手のことは言われてたらしいですよ。

    2010/5/23 日曜日 5:39:47 | #2
  3. みゃあ

    馬車は「自動車」ができたときに、イギリスなんかでは「御者」や「駅馬車」の組合が政治家に圧力をかけて「自動車は危険なので時速20km以下でしか走ってはいけない」「人間が先導しなければいけない」みたいな法律を作らせたために、普及が遅れたとか。

    まぁ、そういった「政治圧力」の類がなければ自然に交代していくんだと。
    出版関係に関しては結構「圧力」はあるみたいですが……

    2010/5/24 月曜日 0:34:09 | #3
  4. テンプレ?

    10年ちょっと前、○○は玩具に過ぎなかった。
    10年前、○○の性能は上がり玩具ではなくった。しかし、「△△が滅びることはない」と言われていた。
    それから数年して、○○の性能は随分と上がって、価格もそれなりになって、誰でも買えるものになった。それでも、「△△はなくならない」とゆー話が、関係者では言われていたものだった。
    さて今日、それはどうなっているかと言えば、△△はほぼ絶滅状態になった。

    なんか web 周りとか色々使えるテンプレになってる気が。
    それだけこの記事が本質を突いている、もしくは普遍性を持っているって事なのだろう。(よいしょっと)

    いや、マジで色んなものに適用できそう。

    2010/5/24 月曜日 3:39:56 | #4
  5. ogochan

    この文章そのものがテンプレとなるにはちょっと足りないんですが、世の中の「流れ」としてテンプレ化していることは事実ではないかと思って書いたエントリです。

    2010/5/24 月曜日 3:53:29 | #5
  6. 雪兎

    2006年、ニコンが銀塩一眼レフのラインナップを大幅に縮小したとき、ちょっとした騒動になりましたが、どうもその陰に、RoHS指令という、EUの有害物質規制があったようです。

    http://www.yaotomi.co.jp/blog/used/2010/01/post-28.html

    銀塩からデジタルへの移行に、タイミングとして見事に合致してしまった。今更銀塩を規制対応品に作り直しても割に合わないから、切り捨てと相成ったようです。

    2010/6/9 水曜日 12:09:19 | #6
  1. [...] This post was mentioned on Twitter by Baron OGOCHAN, MIZUHARA Bun. MIZUHARA Bun said: ぎゃはは。そのとおり。『「技術革新」と「市場原理」の前には、そーゆー「識者の声」は無力なんだよ。』RT: @ogochan: 10年ちょっと前、デジカメは玩具に過ぎなかった http://www.nurs.or.jp/~ogochan/essay/archives/2439 [...]

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