4年も前にmixiに書いたことだし、他にも指摘してる人はいると思うんだけど。
最近は日本語のspamが多く、そのほとんどがありもしない無料出会い系サイトの「逆援助交際」の宣伝とか、荒唐無稽な「情報商材」の宣伝だ。
当然そんなものに騙される奴なんていない気がするんだけど、いまだ続くということは、騙されている奴がいていい商売になってるということだ。これ、良く考えたら、「騙される奴が悪い」で済まないんじゃないか？
かつて、普通の風俗の広告は
夢と称する嘘
を振り撒くものであって、その「嘘」にうまく乗ることそれ自体を遊戯を思えば、とりあえずは無価値ではなかった。「新人美少女ばかり」とか書いてあって、その実「風俗ズレのデブス」であっても、それはまぁ「御愛嬌」と思うのが「大人の遊戯」であった。だから、いくら「夢と称する嘘」が満載であっても、情報量は０ではなかった。
しかし、最近の「無料出会い系サイト」の「逆援助交際」の類は、見事に100%嘘である。メールの相手は女ですらない
キモヲタのバイト
らしいし、「逆援助交際を求めるセレブ」なんてのは、あくまでも「設定上」でしかない。それどころか、そーゆー「架空の出会いサイト」すらなかったりする。リアルなものや、リアルなものとの接点は皆無であるから、情報量は０でしかない。
なんてことは、それなりの判断力を持っている人ならすぐわかる。仮に最初のいくつかで騙されかけても、すぐに「おかしい」と気がつくはずだ。ところが、そういったメールは飽きもしないで毎日ドンドコやって来る。
この手のメールの「打率」は非常に低く、100万通のオーダで出しても、数10人くらいがひっかかる程度らしい。つまり、打率は1/10万くらいなのだ。それでもペイするどころか大儲けらしいから、やめられないのだろう。
これはつまり、こーゆーのにひっかかるのは「10万人に1人」という
超ド級の馬鹿
だということだ。果してその「超ド級の馬鹿」とはどんな人なのだろうかと、妄想してみる。
この「妄想」をしかけてふと思ったのが、これにひっかかるのは実は「10万人に1人の超ド級の馬鹿」ではなくて、「正常な判断力を持たない人」ではないかということだ。つまり、騙されているのは、
本来なら被後見人者になるべき人
ではないかと。
これが、もっと打率が高いものであれば、「騙される馬鹿がいるねぇ」という程度のことであるが、ここまで打率が低いとなると、「馬鹿」ではなく、「本来は保護されているべき人」が騙されているのではないかという気がして来るのだ。「10万人に1人の超ド級馬鹿」ではなくて、「10万人に1人の被後見人候補でありながらとりあえず通常の生活ができているボーダーライン上の人」と考える方がすっきりして来る。
「被後見人者」の候補であっても、定職に就き自活をしていれば、当然ながら「被後見人者」にはならない。普段の生活をする分には十分であるから、その必要もないし、そんなことをしないのが「自立」だ。
私はいわゆる「気違いの野放し(潜在的加害性のある精神障害者の放置)」には賛成しないが、こういった「危険もなく頑張ればちゃんと社会参加できる」という人達は、ちゃんと社会で生活するべきだと思うし、それが社会の到達点の一つだと思っている。本当は前者も社会に存在できるのがいいとは思うが、残念ながらそこへのハードルは高過ぎる。
とは言え、少なくとも今のところ、そんな人達が就くことの出来る職は、そんなに給料が良くないものがほとんどだ。だからおそらくは、万年ぴーぴー状態だろう。そこに「あなたとの交際のために○百万円用意しました」「養わせて下さい」なんてメールが来たら、釣られてしまってもおかしくない。普段の生活をするには十分な判断力があっても、そーゆー非常識なことを判断する訓練や想像力が欠如していてもおかしくない。そういった「ギリギリ普通の社会生活のできるボーダーライン上の人」あたりが、かなりカモられているのではないだろうか？ ある意味、「リフォーム商法」の儀牲者と同じ構図である。
となると、件のspamはこういった「ボーダーライン上の人」をカモっているということになり、この人達の、自立や社会参加の機会を奪うということになっているのということになる。そうなると、「spamに騙される奴が馬鹿」という単純な話ではなくなる。
「本来なら被後見人者になるべき人」という表現が全てを象徴しています。
ogochanが指摘してる人たちは被後見人になるべき人ではありません。「ボーダーライン上の人」を保護する制度として「被保佐人」「被補助人」というものがあり、それらに当てはまる人たちです。
しかし残念ながら全く機能していないと言うべきでしょう。コストもかかりますし、彼らを保護するべき「後見人」「保佐人」「補助人」も身内以外には数少ないのが現状です。
実際問題、弁護士・司法書士・社会福祉士あたりには保護する資格があるのですが、前2者はコスト的な問題、後者は頻発する不正の問題を抱えています。
また民法でも、被保佐人の多額の契約を無効にする規定がありますが、少額の契約は無効にできません。その理由を考えるに、「10万人に1人」にアプローチするコストの問題があるんだろうと思います。
古い民法では「10万人に1人」にアプローチするコストをペイするのには多額の契約が必要と考えているのでしょうが、2010年の今ではそのコストはほぼゼロで、少額の契約でも採算がとれるのです。
法が技術の進歩についていけていない典型的な一例でありながら、問題の可視化が困難なテーマでしょう。
そこに触れられたこと、とても貴重なエントリだと思います。
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＞10万人に1人の被後見人候補～
確かにそう思われる様な人も居るには居ますけど…。
出会い系を支えてくれている99％の会員（このエントリ風に言えば“カモ”？）は、ごく普通の会社員だったり公務員、教師や上場企業の役員といった人達でした（韓国の大学教授とかも居ました）。
P.S.
だいたい3～4年前のDATA（感想）です。
最初はそんな人も騙されたと思います。でも、今はたいていの人が「なんだspamか」としか思ってないんじゃないかと。それでも来るわけで。
参考になるかどうか分りませんが…。
無料サイトの場合、1晩で30万～35万（x5回）送信で、返信（=登録）は2000弱くらい。約0.5％になりますかね？10万人に1人というのは何の数字か分りませんが、どこかで間違って伝わってますね。
2000人はそのまま有料会員登録扱いになりますので、1アカウントx1000～1500円が利益になります。で、そこから実際に入金を取れるかどうかは、相手先の有料サイトの力量であって。メルマガ配信業者は一切関知しません。
有料系サイトの場合、登録してから実際に3000円以上の入金するUserは5％切ってますね。
メールのやり取りは一切せずに、エロ動画や女性会員の写メを閲覧するのにかかる利用料も、ほとんどのUserが上記エントリの様な屁理屈をつけて踏み倒します。そして捨てアドを使って何回も再登録しては、動画や写メを「不法DL」していきます。
たまに100人に1人くらいの確率で有料VIP会員、即ち100万円以上入金してくれる人が居て、出会い系の収支はほとんどその数人によって成り立っていると言っても良いです。借金をして入れあげる人も居ますが、多くは富裕層＆既婚者です。ちょっとした火遊びをしたいと思ってるんでしょうか？
一般的に思われている様な「100万円あげるから～」は、普通はしません。
あれは“最後の手段”であって、過去に何回か入金実績があって、ここ1ヶ月ほどは全く動きがないUserに対して仕掛けるアプローチですね。上記エントリにある“spam”は広告メールですね。適当な文面で盲打ちしてます。1晩当り100万～1000万送信されてるはずです。そのspam自身での登録は考えておらず、まずはサイト（広告主）にアクセスして貰おうという目的です。
時々、警察にパクられてるのは正真正銘の詐欺集団です。
会員に本当に1人も女性会員が居ないサイトは即、パクられます。何を持って優良業者とするかは難しいですが、1つの判断基準としては男性側からのメール送信料が、400円以上/1通～だったら危険信号かも？
それはわりとマトモな業者の話ではないですか？
> 10万人に1人というのは何の数字か分りませんが
自身で書いている、30万×5で2000人で、大雑把に1/1000。それの1/20で1/20000ですね。1/10万はどこかの業者の打率です。
> 「100万円あげるから～」は、普通はしません。
うちにはそんなメールばかりなんですが。「○○な女の子がいっぱい」的なメールは少数派です。それよりは「月々35万で」みたいなのがずっと多いです。
観測範囲の違い、フィルタの違いなんでしょうか？
こんなしょうもない雑談にお付き合い頂き、重ね重ね申し訳ありません。
＞フィルタの違い
それは大いにありますね。全く同じ文面、同じドメインで送信しても。全部弾かれる時と、何故かすんなり受信される時がありました（ahoo!の場合）。一体、どう言った基準（フィルタ）で選別しているのか、今以て謎です。余談ですがahoo!のフィルタを抜けれた時は売り上げが2倍になる事もあります。色々と研究はしてみたんですが、何かランダム？みたいな感じでした。
＞月々35万で～
重ねて言いますけど、それで金欠の人を呼び込もうという意志はほとんど無く。そんな訳あるかよw～的な人を興味本位でもいいから、まずは1回アクセスさせるのが最大の目的です。ですので「面白系」で良いんですが、毎回文面を考えるのが面倒臭いので（blogのネタ探しと同じ？）。最初1～2回は考えても、すぐに依頼先のspam業者に投げッ放しになります。だからそこも似たり寄ったりの文面なんじゃないかと？spam業者は数十社と取引があるはずですから、サイト単位なら数百～千になるかも。
＞マトモな業者
客観的な判断が難しいですが、多分そうだと思います(笑)。中国人や韓国人に対するイメージと似てるかもしれませんね？大多数はマトモにやってるのに、少数の不良業者が全体のイメージとして捉えられているのだと思います。
あくまで私見ですが「出会い系」にはネットビジネスの全てが内包されていると思います。それが有料にしろ無料にしろ…
よく読むと業者の人だったｗ
> そんな訳あるかよw～的な人を興味本位でもいいから、まずは1回アクセスさせるのが最大の目的です。
それは「出会い系の業者」のやっているspamの話ですよね。ここで問題視しているのは、最初から実体も何もない、本当に詐欺るだけのspamです。多分、「出会い系」よりも「情報商材」とか「内職」とかが主かも知れないけど、うちのフィルタだと「実体のない詐欺」の臭いのするのばかりに見えます。と言うのも経験的には、「出会い系業者のspam」はコード解析に失敗しちゃうことが多い(どうもencodingが間違ってる)んで、「なんか来てるなー」だけで読めなくて、あまり意識に上らないんです。
また、「夢と称する嘘」であっても、「嘘を嘘と見抜けない」の人にとっては、結局詐欺と同じなんですよね。で、明らかに「騙されやすい人」はいて、その中には↑で書いている人も相当含まれる。リアル店舗であれば↑で挙げてる人達はそういったところに寄りつかなかった(お金がないからそっち方向に足が向かない)のに、「spam」は懐具合に関係なく勧誘して来る。「マトモな業者」であっても、この辺が問題だろうと。
> 「出会い系」にはネットビジネスの全てが内包されている
と言いますか、ネットのサービスは全て「出会い」のためですからね。何とどう出会うかが違うだけで。って話はいずれまた書きます。
＞業者の人
今は中の人から外の人になってしまいました。
＞マトモな～
政治家やヤクザの人達が言う「法に触れることはしてない」的な意味でって事です。
＞実体のない詐欺
もしかして「リビア皇太子が日本の口座を必要としています」的な物ですか(笑)？情報商材や内職系は、自分が言うのも何ですが…100％詐欺じゃないですかね？一時期、社長が狂って「運気がUpする石を売ろう！」と言い出したのを全力で止めたのは良い思い出。毎日の占いの結果が表示されるScriptを組む事で納得して貰いました(笑)。
Encodingの問題はありますね。初歩的なHTML知識も無い人がほとんどの業界ですから。自分はそういった管理職は断っていましたから。それよりも“アレげ”なUserさんとメールしてる方が面白いです。余談になりますが。ある程度減価償却(笑)したUserには割とストレートに「どうせ会えないから風俗に行った方が良いんじゃない？」とか言う事もあるんですが。何故か「僕は商売女は嫌なんだ！」と言い張って退会しないです。3年間“付き合って”毎晩、「ブリーチ（ジャンプの漫画）」の話ばかりしてました。ある70歳のUserとは「逆転裁判（DSのゲーム）」の話ばかりでした。いわゆる援助系だと3日と持たないですね（話がそっちの方へ行かない様、バイトの子にも厳命してました）。
あと1つ気になったと言うか…割と多い事実誤認かな？と思ったのは「キモヲタのバイト」の件でしょうか？この副題が何を示唆してるか真意は分りかねますが、バイトの子は圧倒的に“音楽系”が多いです。あと意外と多かったのが“TV関係”で、どちらの場合も売れていない子が本業に差し障りない拘束時間で、高い時給で稼げる～という理由が多い様に思えます。いわゆるキモヲタの子は、初日でバッくれる率が高いので困ります。自分はキモヲタ系なので辞めて欲しくなかったのですが(笑)。
＞懐具合に関係なく勧誘
まあソレを言ったらTVコマーシャルも同じです。TVのコマーシャルを見たくなかったらTVを見なければいい。spamを受け取りたくなかったらネットに繋がなければいい～という理論になるのでしょうか？結局、人間は無くなってしまう物以外で金を払うのはセックス関連しか無いと思います。あと“ちゃんとした”メルマガ配信業者も、業務内容の1割くらいは「実体のない詐欺」を打ってます。悲しい話ですが、「実体のない詐欺」が中小のネット事業者を間接的に底支えしてる感はあります。資本主義社会に於いては日本の民法TV局も、ちょっと業績悪化しただけで創価学会のCMをじゃんじゃん流すのと同じな様な気がします。
ココら辺の話は是非、色んな業種業界の人の立場から見た意見を聞きたいですね。新規エントリを期待しながら、自分はネットの海に沈むことにします。
> 「キモヲタのバイト」
まぁこれは比喩的なもので、実際にうちの近所にあった事務所だと、いかにもなキモヲタじゃなくて、どっちかと言えば「非コミュっぽいDQN」な感じの人が多かったですね。
> ソレを言ったらTVコマーシャルも同じです。
だからTV CMには倫理基準があるわけです。あくまでも業界基準に過ぎませんが、表現やゾーニングの基準はあるわけです。
spamの場合はメアドがあれば相手が18歳未満だろうが、被後見人者であろうがお構いなし。結果、18歳未満や被後見人者がやられてしまいやすい。かつては「spamが嫌だからネット使わない」が出来ましたが、今はまぁ無理でしょうね。そーゆー意味では、毎日家の前に宣伝カーが歩いているようなもの。
ピンバック: spamを見て思ったこと - ガジェット通信
昔、騙されました。
今思えば馬鹿なのですが、自分は「言葉というのは発言に責任が伴う」
のが当然だと考えていたので、Spam系メールの内容だって完全な嘘な
はずがないと思っていました。
完全な嘘など、人の責任感と仁義、言葉の重さが阻害して書くことが
できるはずないと、当時は思っていたのです。
昔はそうね。インターネットにもそんな常識が通用した時代がありました。
わかって騙されてるというか、それを楽しんでるんだと思いますよ
メールサーバの入り口でたたき落とされなかったものだけが人間の目に触れるので、人ごとに感じる「spamの傾向」が違うのは仕方ないでしょうね。
ここ48時間に僕のところに届いたspam(トレンドマイクロのなんとかspamブロックというサービスを通過してきたもの)だと、
外国語107、競馬必勝法14、出会い系サイトと明示しているもの27、相手を探す女性を偽装しているもの６、女性の相手をしたら金をもらえるというもの2、本文が空のもの22、という感じでした。
どうもここ１～２カ月「欲求不満のセレブの相手をしたらおこずかいがもらえる」系が減って、競馬系が妙に増えたような。
そういえば、「FXでおお儲け」系がすっかり減りました。
ネットを使わない方では小豆先物取引とか未公開株とかマンション投資とか、詐欺師がその話芸で被害者をだまくらかすので手口としては結構巧妙ですね。ネットだとずさんな手口でも数を送れば騙されやすい人を釣り上げることができるというのはご指摘の通りだと思います。
お説のように、非常に騙されやすい人をどうするかは問題ですね。とはいえ「あんたは判断力がボーダーラインだからネット使っちゃだめ」なんて人権侵害も甚だしいことは出来ないし。