「まずはお問い合わせ下さい」はダメ

自分のお客にはいつも言うことではあるんだけど、今日は久々に思い知った。

今、事務所つーかサーバ置き場が必要なので、物件を探している。いくつか候補があるのだけど、それなりのセキュリティにしたいので、パーティション工事は必須だと思っている。とゆーことで、パーティション施工業者を物色していたんだけど、その時にあらためて思ったのが表題のこと。

ありきたりなんだけど、「パーティション施工」とかでぐぐってみる。当然それなりの業者がいっぱいひっかかるので、順に見て行く。

こちらの要件は、「外部からの侵入にそれなりの強度があること」だ。話はそこからで、冷却のための通気口とかそういったことがその次に来る。まぁ、元々物色している物件が、「通気は良いけどセキュリティ的に微妙」だったりするからなんだけど。

という要件と共に、業者を探し、予算を立てるためにだいたいの金額を知る… ってことがしたかったわけだ。まぁ、「要件」についてはいろいろだけど、要件を整理して、それに合う業者を探して、だいたいの値段を知りたいとゆーのは、普通の法人の消費行動だろう。

そう思って見ているウェブサイトには、なかなか良さげなパーティションがある。ISMS対応とかもあってなかなかよろしい。さて値段はと思うと、

「まずはお問い合わせ下さい」

とか書いてある。その時に思うのは、「ここはパス」でしかない。

本来「パーティション」なんて商品は、物の値段だけでは話にならない。どんな場所にどんな施工をするかが重要なポイントだ。だから、金額の提示というのは、なかなか難しい。それに、営業の基本は「足」であり、その次が「電話」だ。とにかく客(候補)に直接対峙することだ。だから、商売の基本として「まずはお問い合わせ下さい」というのは、全く正しい。誠実でもある。

ところが、こちらの欲しいのは「だいたいの値段」だ。どれくらいのパーティションをどう立てると、どれくらいの金がかかるのか。正確なところは見積りになるんだろうけど、どんな商品があって、どんな違いがあって、どんな感じの値段か。そういったあたりをまずは知りたいのだ。正確な見積りは、「だいたい」のところが決まってから絞ればいい。そう思ってネットで探しているわけだ。

そうしたところに「まずはお問い合わせ下さい」とか書かれていたら、まず思うのは「面倒臭い」でしかない。「だいたいのところ」が知りたいのに、他の業者はウェブページに「だいたいのところ」は書いてあったりするのに、一々問い合わせろとか、面倒でしかない。だいたい、うっかり業者に電話なんかしたら、グダグダと営業電話がかかって来ないとも限らない。うっかり業者にメールしたら、「メルマガ」と称するspamが来るかも知れない。面倒臭いったらありゃしない。

となると、「まずはお問い合わせ下さい」とか書いてある業者は、どれだけ魅力的な商品があろうと、どれだけ誠実な空気があろうと、

パス

にしかならない。だって、業者は他にいっぱいあるんだよ? 最初から詳しい情報を出してる業者を候補にすりゃいいだけじゃん。品質? アフターサービス? 丁寧な説明? こまけーことはいーんだよ。まずは「だいたいのところ」が知りたいんだから。いろんな細かい話は後でいい。グダグダと営業されるのなんて勘弁だ。

というのが、「ネットずれ」している普通の消費者の感覚だろう。だから、たとえ売り切りが難しい、見積りやアフターケアが大変な「パーティション」のような商品であっても、商品としてサイトに置いておくからには、

スペックと価格

ははっきり書いておくべきなのだ。どれだけ御社に技術があろうと、どれだけ良い品揃えであろうと、どれだけサービスが充実していようと、「ウェブ」で見せるからには、まずは「スペックと価格」の明示だ。これがなかったら「商品販売拠点」としてのウェブの価値は全くないと言っても過言ではない。

商売に誠実であればあるほど、つい「まずはお問い合わせ下さい」とか書いてしまいがちだ。しかし、「顧客候補」からすれば、その言葉は

「買う気のない人お断わり」

にしか見えないと言っても言い過ぎではなかろう。どれだけ「お気軽にお問い合わせ下さい」とか書いてあっても、それは同じだ。

PS.

twitterで「オープン価格も困りますね」とか言われた。確かに「オープン価格」というのもダメだ。言いたいことは理解するけど、これもネット向きじゃない。「顧客候補」は一々問い合わせないで意思決定の前段を済ませてしまうものだ。まずは「予選通過」をしなければ始まらないんだよ。

Google Reader Yahoo Facebook Twitter Digg FriendFeed Delicious Google Translate
This entry was posted on2月 2nd, 2010 at 18:24:12. You can follow any responses to this entry through the RSS 2.0. Both comments and pings are currently closed.

3 Responses

Comments(2)Trackbacks(1)

  1. tarosuke

    「概算したかったら発注者が自分で積算」というのがあの業界のようです。単発でしか発注しないのにそれをやられると非常に面倒なんですけどねー。

    2010/2/3 水曜日 0:14:06 | #1
  2. kyompi

    いつも不思議に思うんですが、何かしらの商品のサイトにそのものの値段を見に行ったときに見る「オープン価格」。まったく購入検討の参考にならないんですよねー。

    値段を隠すことのメリットが思い浮かばないです…。

    2010/2/3 水曜日 15:19:56 | #2
  1. [...] This post was mentioned on Twitter by Akihiko Koizuka, なかめ(中目黒P), Hiroshi Asaeda 浅枝 大志, sabotem, Baron OGOCHAN and others. Baron OGOCHAN said: 悔しさをエントリにしてみた > 「まずはお問い合わせ下さい」はダメ http://www.nurs.or.jp/~ogochan/essay/archives/2288 [...]

  • 私について

    ただのプログラマです、ハッカーではありません。

    秋葉で暮し秋葉で仕事してますが、秋葉系は嫌いです。物事を冷静に分析することは好きですが、ニヒリストは嫌いです。

    秋葉でちっこい会社をやってます。 こーゆーことがお仕事です。

    詳しいことは、自己紹介のページでも見て下さい。また、mixiの方でもいろいろわかるかも知れません。

    日経ITProに連載(生越昌己のオープンソースGTD)を書いています。「ちゃんと書いた文章」が読みたい人は、そっちを読む方がいいと思います。

  • このページについて

    ここは私の雑文の置き場です。WordPressを使っていますが、いわゆるblogのつもりで書いているわけではありません。「覗き見のできるチラ裏」くらいの意味しかありません。

    もしかしたら有用なことがあるかも知れません。あるいはむかつくことも書いてあるかもしれません。それらはみな「そんなものだ」と思っておくに留めましょう。

    コメントを書くのは構いませんが、「反論」の類はよそでやって下さい。同意する気のない人達と議論する気は全くありませんので、議論したければよそで勝手にやって下さい。

    と言っても、「読むな」「広めるな」というわけでもありません。リンク、ブクマの類は御自由に。

  • カテゴリ

  • 過去の記事

  • メタ情報