「アバター」

なんとなく気になったので昨日見て来た。

いつも行くオリナスの映画館なんだけど、なんだか混んでるなーと思ったら、水曜日でレディースデーだったとゆー。チケットとかはネット予約でいいんだけど、ポップコーンがなかなか買えない。

以下ネタバレあり感想だけど、一言で言えば「宮崎アニメが好きな奴は見てもいい」って感じ。で、見る時は絶対に3Dがオススメだ。

ストーリーはまぁ、お約束の「ハリウッドテンプレート」なんだけど、モチーフは

ラピュタ + ナウシカ + もののけ + マトリクス

ってところ。これらはネタ的にいろいろかぶっているところがあるので、もっと簡単に言ってしまうと、

ナウシカのハリウッド実写版

と思っておけば、だいたい当ってる。あと、アーマードコア的なものとか、エヴァ的なものとかもあるけど、まぁ要するにそういったもの。そういった意味では、「ネタバレ」なんて言葉はまるっきり意味がなくって、常に20分以上先の展開が見えて来る。だから、ストーリーを云々したい人にとってはクソ以下の映画だろう。って、そう言ってしまえば、ハリウッドなんてみんなクソ以下だよ。

じゃあ何が良いかと言えば、実写なのかCGなのかイマイチ良くわからないような凄い映像とか、ラピュタ、ナウシカ、もののけ的ないわゆる

宮崎アニメにありがちのモチーフと世界観

ハリウッド的にまとめて見せてくれた

とか、そういったあたり。3D映像と言いながら、無理やりに立体的に見せようとしない意外な控え目さとか、さすがだなーと思う。

映画にあるであろう、とってつけたようなテーマなんてものはまるっきり無視して、凄い活劇が見れて、お約束の展開と結末が来る予定調和なところとか、これはこれで悪くない。「BALLAD 名もなき恋のうた」にあったような「ストーリーと再現性においては正しいけど、なんか納得出来ない結末」なんてものにもならない。確かにご都合主義的なお約束展開なんだけど、それが安心。だから、疲れた頭にもすっきりだし、鬱々とした気分もさっぱりで、とても健康にいい映画。フランス映画や日本映画にありがちの、鬱結末な映画なんて、精神の健康には良くないぜ。

まだ行ってない人のために言っておくと、この映画を見る時には、絶対に「3D」で見るべきだ。

3Dは眼鏡を使うタイプ(と言っても赤青じゃないよ)のもの。はっきり言って、この眼鏡は邪魔。私なんぞ眼鏡かけてる上からさらに眼鏡だから、うっとおしいこと限りがない。映画始まってしばらくは、眼鏡のポジションも決まらないし、目も慣れないから違和感ありまくり。

ところが、この映画にはそれがいい。

主人公の脚の悪いおっちゃん(名前は何だったっけ?)が自分の「アバター」に慣れるまでとか、その身体感覚に対する違和感とかそういったものを、映画を見ている自分も一緒に体験することになる。眼鏡の違和感は、慣れて来ると薄れて来るのだけど、それはこのおっちゃんが自分の「アバター」に慣れて来るタイミングと一致している。つまり、

主人公と同じ体験

が出来るわけだ。これを感じられるだけでも素晴しい。

既に書いたように、「3D」と言っても、いかにもなものではない。私は3D映像と言うと、どうも昔富士通がやっていたような、あーゆーのを想像してしまって「15分も見てりゃ頭痛くなるんじゃないか」って思っていたし、映画の最初の方の違和感からそんな気分になってしまうのだけど、慣れて来ればどうってことがない。

これはしばらく見ていて気がついたのだけど、あの富士通の3D映像の時代の頃と違って、CG技術は格段に進歩している。一番大きな違いは、

ピント

というものが存在していて、カメラが中心的に見ている部分以外は適当にボケていてくれる。かつてのCG 3D映像は無限の被写界深度を持っていたのだけど、この映画ではそうじゃないんで、「どこ見てていいかわからない」ということがなくて、違和感もあまりない。普通の映画のように「ピントが当っている部分が見るべき場所」とわかりやすいので、昔とはまるで疲労感が違う。3Dであることが十分楽しめる。だから、「富士通のあれ」を見て3D映像はどうも… と躊躇しているのであれば、心配することなく、3Dを選択するべきだ。

PS.

マイミクの某氏に聞いたんだけど、ジェームス・キャメロン監督は宮崎ファンらしい。

『アバター』のキャメロン監督、実は宮崎駿ファンだった!

新作「アバター」 宮崎アニメにオマージュ J・キャメロン監督

「ライオンキング」みたいなこっそりパクりじゃなくって、もうまるっきり真正面から宮崎アニメが頭にあったわけね。

「アバター」” への1件のコメント

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