プログラミングに誇りを持ちたいなら単価を考えないこと

元ネタは、ひがさんの

プログラミングに誇りを持ちたいなら単価を上げること

なんだけど、どうもこれに違和感をおぼえるのだ。いわゆる嫌儲じゃないんだけど、なんか「誇り」と「単価」がつながることが、ちょっとなぁと。

そもそも、「価値」と「高い金」が結びつかない。売り物のソフトやSIであれば、確かに「価値」と「高い金」は結びつくことは多いし、そうなるようにすることに意味があることは否定しない。それについては何度か私もエントリを書いているが、それはプログラマの仕事と言うよりは

経営や営業の仕事

だと思う。もちろんプログラマ自身が意識することも大事だ。「価値」はプログラマの能力で左右出来るけど、「高い金」はプログラマの能力じゃない。技術者自身は1円の金も生まない。もちろん「単価」の高い仕事を志向すべしというひがさんの主張は正しいとは思うけど、それはあくまでもそういった枠組の中だ。

「プログラミングの誇り」に関して言えば、「金」よりも「価値」の方に関係があると思う。そして、経験的には

金になるプログラムでは価値は後回し

だ。まぁ考えてみりゃ当然で、「金になる」というのは金にするためのことが必要になる。その中には「納期」だとか「コストパフォーマンス」といった、価値と背反するものがある。そうなると、「価値のため」ではなくて「金のため」に働くことになる。「金」の前には誇りなぞ埃と同じだ。

もちろん金を稼いではいけないというわけじゃない。金になるものなら金にした方がいいし、より価値のあるものはより多くの金になるだろう。でも、そこを狙い過ぎると「誇り」から離れてしまう。

また、「単価」という意識が出る世界は、結局のところレベルの違いはどうあれ「使われる」側だ。そんな使われる側の奴が下手に「誇り」なんて持ってたら、使う側はうっとおしいだけだ。早い話、

お前、何様?

でしかない。それは態度云々に出てなくても、内面としてもおかしい。

もし「誇り」を持ちたければ、そういった「使われる」側を脱するべきだ。仕事を引き受ける時も「使われる」のではなくて、「引き受ける」ことだ。「パートナー」とか「コンサルタント」というような対等(に近い)目線で話せるような契約にする。相手に「価値」に対して金を払うと意識を持たせ、「使ってやってる」的目線ではなくさせることだ。

そのためには、金をもらう場合でも、「単価」のような労働との交換ではなくて、「価値」との交換にするべきだ。同じ「5人月600万くらいですかねぇ」と言う時であっても、「単価」を意識して「使われる」ために言うのではない文脈を心掛けるべきだ。

そういった意味では「単価を考えない」というのは、

「単価」という尺度で考えることを捨てる

ということだ。努力すべきは「単価を上げる」ことではなくて、「単価を超越する」ことであり、それはとりもなおさず、

価値を金に変えること

を目指さなければならないということだ。まぁ「価値」ってのはこれまたいろいろな尺度があるわけで、そこはまたどうするかってのはあるだろうけど。

プログラミングに誇りを持ちたいなら単価を考えないこと” への4件のコメント

  1. 「プログラミング」と「誇り」と「儲け」が、
    どうして繋がるのかが、良く解らない。

    プログラミングが面白いから「プログラミング」するのであって、
    他人から評価され、それに「誇り」を感じるのなら、
    プログラマなんて辞めてしまうことを勧めます。
    (リアル肉体労働系の方が、なんぼか社会貢献できる素敵な仕事です。)

    出来上がったプログラムが、
    「儲け」に繋がるか繋がらないかは、
    ディストリビューションのプロデュースの問題であって、
    =優れているわけではありません。
    よって、「儲け」=優れているわけではありません。

    他人には生み出せないことを、
    キーボードを叩くだけ(比喩)で、
    新たに生み出すから利用者に喜んで貰えるのだと思います。
    =「誇り」でもないと思います。
    喜んで貰って嬉しい、程度のことだと思います。

    あぁ、結局、何を書いているんだか解らなくなってしまった。

    取り急ぎ

  2. 商売としての「誇り」なんだから、金は無関係じゃないさ。でも、完全に一致させてしまったら、「誇り」じゃなくなるよね。

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