技術系上司が部下に聞くべきこと

上司たるもの、何らかの形で部下を出し抜かねばならない。

世の中にこれを勘違いして、「自分より出来る部下は持たない」などと寝言を言ったりする人がいる。あるいは全ての部下は自分より出来ない思い込む人がいるが、一般論として若者の方が頭がいい。また、たいていのことは現場に近い人の方が、現場には詳しい。

反対に、「そんなのは無理」と諦めてしまう人もいるが、それはそれで統率にならない。

そこで統率になると共に、自分のスキルにもなるマジックワード。

あまり難しいことでもなくて、それは

それはなぜ必要か?

と問うことだ。その言葉の意味するところは、文脈依存になるのだが、だいたいそんな意味のことを問う。

技術的な面で言えば、「それはなぜ必要か」というのは、技術的必然性を説明しなければならない。これは結局レビューをしているのと同じことを答えなければならないのだから、レビューをしたのと同じ効果がある。不明な点、あいまいな点、重要な点を説明することになり、その必然性を解き明かすことになる。

その結果、不明な点や、あいまいな点、重要な点がわかるだけではなく、自分が知らないことはそこで問えば良いので、

スキルアップ

になる。上司たるもの、せめてオーバービューだけでも、部下よりは半歩先にいるべきだ。だから、そういった形での「御進講」を受けておくのはいい。説明する方もスキルアップになるのだから、お互いに損がない。

技術的な面が済めば、同じ言葉で経済的な面でも問うことも出来る。経済的なことを考えさせるのは悪いことじゃないし、それを習慣化させて行けば「マッチョな部下」になって行く。結果的に金につながらないものを仕事で作る意味はないから、

それはどんな成果をもたらすか

ということを問うことも必要だ。そこで市場についての話でもすれば、それはそれで良い結果をもたらす。

物が存在するには、いろんな必然性がある。だから、物が作られるためには、それなりの理由が必要で、その「理由」は様々なものがある。そこの部分を明かにして行けば、必然性のある仕事が出来るし、その過程でいろいろなことが明かにされ、またわかって来る。

聞く時の姿勢は、それぞれの関係に依存するから、偉そうに聞くのも、教えを乞うように聞くのも、人それぞれだ。重要なのは、

半歩出し抜く知見を得つつ
部下の考えとポジションを知る

ことだ。「御進講」を受けるだけでは格好悪いし、部下の言いなりになってもしょうがない。得るべきものを得ながら、お互いにプラスになる結論を求めつつ聞いて行くといい。

言われりゃどうってことはないのが、意外に自覚しないと出来ないことでもある。

技術系上司が部下に聞くべきこと” への1件のコメント

  1. おっしゃる通り、上司たる者、部下と同じ目線で競争してはいけませんよね。
    部下はどうしても担当している仕事に思い入れがあるので視野が狭くなりがちです。上司の役目は、もっと大局から、いっしょになってその仕事の出来がより良くなるように、アドバイスするということだと思っています。

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