医科はまだマシ

あまり医療情報系の話は書きたくないんだけど、呼ばれてるような気がしたんで。

「手書きレセプト」開業医の約6割が「閉院を検討」−オンライン請求義務化

これそのものじゃないんだけど、他で同様のアンケートを取った時の話を聞いた。数字そのものは違いはあるのだけど、「関係者愕然」という意味では同じだった。「こりゃ表に出せねーよ」とさえ言われた。まぁその会話をしたのは「駒込の某所」だったとだけ。

とは言え、

医科にはORCAがある

いろいろdisられたりしながらも、ちゃんと動き、ちゃんと実用になり、ちゃんとメンテされている。

ORCAはフリーソフトウェアと言いながらも基幹業務なんで、入れるにはほとんどタダで済むんだけど、維持運用はそれなりにコストがかかる。もちろん、メーカ製のレセコンを入れた時よりは安いことが多いんだけど。で、程々の規模以上の医療機関であれば、「そのコスト」は負担出来ないでもない。医師が若けりゃ自分で頑張ることも不可能じゃない。

そういった背景があっても、なお日本医師会はレセプトオンライン完全義務化には反対している。なぜなら、「そのコスト」ですら払えない開業医も少なくないからだ。だから、「閉院を検討」ということになってもおかしくないし、その数も少なくない。

これは自分の立場や仕事のことと関係なく、「マズいこと」だと思う。私のように「すぐ死ぬわけじゃないけど、メンテをサボると厄介なことになる」ような、いわゆる「持病」を持っている者にとっては、大病院よりも開業医の方が行きやすい分ありがたい。だから、なくなってもらっては困る。「開業医なんてどうでもいい」的なことを言う奴は「持病」を持ってみろと思う。

でも、これは「医科」だけの話だ。「歯科」となると話はもっと深刻だ。なぜなら、

歯科にはORCAがない

のだ。もうちょっと詳しく言えば、フリーソフトウェアの歯科用レセプトシステムは存在してないのである。だから、医科が「そのコスト」程度の負担で何とかなっているよりも、もっと高いハードルが存在している。ちなみに、いろんな都合から、同じレセプトシステムと言っても、「医科」と「歯科」では同じシステムは事実上使えない。

このことに対して、良いとか悪いとか、ああしたら良いとかというのは、私の分を超えているので、何も言わない。ただ事実として、歯科はもっと大変だということだ。確かに歯科の疾患で死ぬなんてまずないからわりとスルーされがちだし、私も歯科なんて10年に1度行くかどうかでしかないんだけど、それでもやっぱり歯科がなくなるのは困ることだ。「医療が大変」な文脈であまり語られない、「歯科」のことも心配した方が良いと思う。

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