シェアハウスの可能性

昨日、体調が微妙だなぁと会社をサボっていたら、ちょっとした用でphaさんがやって来た。

その時の会話の一部が、

ギークハウスをいっぱい作りたい

だ。

そして、なんと偶然なことに、今日仕事絡みで人に会ったら「シェアハウスをやっていた不動産屋さん」というのに会うことになって出掛けることになった。

まぁ同行した人の話もあるので、そんなにつっこんだ話は出来なかったのだけど、その不動産屋ともやっぱりphaさんと同じような話になる。

その不動産屋が言うには、シェアハウスを成功させるには、

同じような人が集うこと

が大事らしい。だから、「ギークハウス」というコンセプトはかなり好意的に受け取られた。まぁ「ギーク」のあたりが通じないから適当に説明するわけだけど、「同世代の同業者の集まり」という点で良いだろうということ。他にも、phaさんの書いている

  • 楽器

なんて話をしたら、その不動産屋は身を乗り出して聞いてた。まだ我々はそんなにたいした「成功体験」は持っていないけど、どうやらその不動産屋の「成功体験」からすれば、「その手があるのか」ということらしい。また、「ネットの友達関係で募る」というのも、良いらしい。

結局、ルームシェアをうまくやるには、「妙な争い事が起きない」ということが大事で、そのためには共通点が多い方がいいし、それをうまくやることに、「業者」は悩むらしい。つまり、我々がギークハウスをやる時の懸念事項で挙げていた、「招かざる類の人が入居する」ということを避けるためには「同じような人を集める」ということが有効らしい… って要するにノリを合わせておけばノリの違う人は来ないという、まぁごく当たり前のことなわけだけど。

そんなわけで、phaさんが書いてるような「コンセプトハウス」というのは、「治安維持」の上でも好都合だということだ。私も「猫」や「楽器」ばかりじゃなくて、

  • うさぎでモフモフできるハウス
  • オシロやスペアナのあるハウス
  • 旋盤やフライスのあるハウス

なんてのがあるといいなぁとか思う。また、そんな物件がいっぱいあって住民の流動性が高ければ、たとえば「ある時期はうさぎでモフり、ある時期はフライス加工をし…」というような渡り歩きが出来たりして良いなとも思う。

ついでなんで物件的なアドバイスも聞いた。それは、早い話が

普通では借り手のつかない物件

が良いのだそうだ。たとえばギークハウス3(ギークビル)は、「中途半端に広いビルの中の住居物件」で、募集に出して半年以上動かなかったものだったし、今日会った不動産屋が実際にやっていたのは「路地の突き当たりにある戸建物件」だったそうだ。phaさんが「お洒落すぎる」と書いていた物件も、似たような立地のものがいくつかあった。いずれも単独で賃貸に出すと、なかなか借り手がつかない。物件的に「帯に短く襷に長い」ものは、一見良さそうに見えても、なかなか普通に借り手はつかないものらしい。まぁ確かに自分で住居を借りようと思うと、そういった事情は理解出来るんじゃないかと思う。

でも、シェアして安く住めるようにして流動性を上げると、うまく回すことが出来る。その人はかかった経費から計算すると、40%くらいの利回りで運用出来たらしい。結局その物件は譲渡して商売下手な人がやっているらしいけど、それでも20%で運用出来ているのだとか。不動産運用という点では結構オイシイようだ。

「このご時世にえらい虫のいい利回りだな。よほど阿漕なことをやってるんだろ?」という声も出るのだろうけど、その不動産屋にしてみれば特にそんなこともなく、立地と物件に似合う程度の家賃を取っていたに過ぎないのだと。それでも普通では借り手のつかない物件であっても、それなりの運用が出来たという点がいいらしい。また、そんな物件は都心でもかなりあるらしい。

その他にも「人が集まればそれだけで十分メリット」だとも言われた。これは我々も感じているところなのだけど、「商売人」が言うところに重みがある。

シェアハウスはいろいろな可能性を秘めている。我々が高齢化した時、単身赴任した時、やはり一人では心細い。一人だと、下手をすれば風邪で寝込んだだけで命が危うくなるのだ。また、一人暮しでペットを飼っていると、旅行(出張)もままならない。

さらに、住居なんて一人で使うにはムダの多いものは少なくない。洗濯機なんて、ずっと置いてある割には使うのは週に1度だったりする。「一人で生きて行くムダ」は少なくないのだ。だからこれからどんどん生活が苦しくなって行こうかという時に力を合わせて生きて行くというのは、いい生活防衛でもある。

かつては、そういった時に「家族」があった。でも、様々な理由で「家族」の存在はあまりアテにならなくなって来た。老後に子供に養ってもらうとか事実上不可能だと言ってもいい。バツのついている人、ずっと独身な人も多くなって来た。

そういったことを考えると、何らかの形の「共同生活」をして行くことが出来るということは、「現在」のこともさることながら、「将来」にとっても必要なことなのだ。

だから、信用の担保のしかた、運用方法、物件選択あたりのノウハウは、これから徐々にまとめて広く共有出来るようにして行きたいなと思う。そうやってシェアハウスがどんどん増えて行くと良いと思う。また、機会のある人は、実際にチャレンジしてみるのも悪くないと思う。仮に失敗しても、共有すれば「教訓」になる。

PS.

先達に敬意を払うと共に、発展を願って。

東京のゲストハウス検索。ひつじ不動産。

シェアハウスの可能性” への9件のコメント

  1. 社会人1年生の時に独身寮に入っていたんだけど、その頃をを思い出したな。おもちゃ会社だったので、ロビー(共用室)には、あらゆるおもちゃが転がってて面白かった。
    ところで、40%はすごいっすね。以前、知人の不動産屋さんに聞いた時は、一番いいのがラブホでした。利回りは忘れちゃったけど、40%なんて数字では絶対になかった。

  2. 相互理解の一番早い方法が、相手の立場に実際になることだから、これからの都市生活で同種が集まるのは色々な面で合理的だと思います。

    洗濯機、冷蔵庫、サイクロン掃除機だけじゃなくて、大型の液晶テレビやPS3なんかもシェアできていいですよね。みんなでやった方が楽しいし。

    僕は昔から割とルームシェア派なのですが、これまで日本で流行らなかったのがとても不思議だなぁと思うくらいです。ネットがあるおかけで同種を集めやすくなっているので、これからのビジネスとして可能性大ですね。

     同じタイプの4畳半〜6畳の部屋が3つ確保できて、LDKが1つあると最強かも。人数が増え過ぎるとそれはそれでやっぱり息苦しいと現代人は感じると思う。

  3. 「利回りの良さ」と言うよりは、「人は一人で生きるとムダが多い」という結果でそうなるということなんじゃないかと思います。不動産屋にとっても入居者にとっても、それだけおいしいと。

    「必要だけど一人じゃあまり使わないもの」って、これからどんどんシェアされて行くんじゃないかなぁ。

  4. >・オシロやスペアナのあるハウス
    >・旋盤やフライスのあるハウス

    ちょっと魅力的かも。
    他に、

    ・陶芸窯のあるハウス
    ・金属熱処理のできるハウス

    なんかも。設備高いし、みんな欲しいけど簡単に設置できないし……
    専門雑誌なんかもあるから募集もできるかも。

  5. そういうのもいいなぁ。

    「住居って何だ」ということを考え直したら、いろいろな可能性が拡がりそう。

  6. ピンバック: dkitagawaの日記

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