ピザ屋は泥棒の手先である

またキャッチーなタイトルなんだけど、これが「あること」を見て最初に思ったこと。そして、次の瞬間にこれはピザ屋に限ったことではないことにも気がついた。

知人のマンションに行った。そこは1Fで誰でも敷地内に入れるようになっている構造。ここの部屋の郵便受け(もちろん別に集合の郵便受けもある)に、ピザ屋のチラシがひらひらしていたのだ。知人宅だけではない、ほとんどの部屋にだ。

勘のいい人はこれだけでわかると思うのだけど、蛇足。

泥棒はその部屋が不在かどうかを知るのに、郵便受けの新聞を見るそうだ。何日も取り込んでない新聞があれば、その部屋は長期不在だということ。つまり、泥棒的にはカモだ。そのことはあちこちで注意喚起されていて、「長期不在の時には新聞を休止しましょう」という話がある。そうしておけば、長期不在が知れることがない。

ところが、ピザ屋が配達のついでに入れるチラシ、あるいはチラシ配りが配るチラシは、そんなことお構いなしだ。不在だろうが何だろうが、とにかく入れて行く。主が不在の部屋は、そういったチラシが溜まって行く。

これがまぁ、集合の郵便受けであれば、どの郵便受けがどの部屋だとマッピングする手間があり、それは人力で行われるのだからちょっとだけ敷居が高い。「ここは不在」と思って行ってみたら実は主がずぼらなだけで部屋には灯りが… ってこともあるだろうし、そんな時にはまた郵便受けに戻らなきゃいけない。そうやってウロウロしていれば、怪しい人物になってしまう。だから、「ちょっとだけ敷居が高い」というのは、防犯という意味では有効だ。まぁそれに頼り切ってしまってもしょうがないから、「ちょっとだけ」だと思っておくのが良いけれど。

ところが個別の郵便受けの場合、郵便受けの状態と部屋の状態は同時に見ることが出来る。だから、「普通に歩いてます」って顔をして部屋の前を通過するだけで、ある程度の下見が出来る。ここに新聞やらチラシやらあって、部屋も暗いとか電力計がゆっくりとしか動いてないとかだと、被害者候補になるわけだ。

新聞は、「○日〜○日は休みます」と言えば、原則的に配達はない。だから、新聞は注意さえしておけば、長期不在の手掛りにしないで済む。また、新聞屋も心得たもので、郵便受けの内側に落とすようにする。そうすれば、外からはわからない。

ところがチラシはこちらの都合とは無関係だ。長期不在だろうが空家だろうが、とにかく無理やりにでも入れて行く。そして、ピザ屋のチラシのように大きなものは、郵便受けからヒラヒラと見えてしまう。泥棒はそれを見て不在を知ることが出来る。

泥棒は下見をした結果を「マーキング」すると言われている。これが本当かどうかは知らないが、リスクを減らすために下見くらいはするだろうし、その結果を遺すというのは不思議じゃない。ところがこの「チラシ」は下見とマーキングを同時にやってしまうものになりかねない。何日もチラシが片付けてなかったら、その家はカモ候補だ。つまり、個別郵便受けにチラシを入れて行くという行為は、

泥棒に有効な情報を与える行為

だと言えなくない。悪意の見方をすれば、そのためにチラシを置いて行くことだって可能だ。仮にとがめられても「すいません。チラシ配ってました」で済む。窃盗未遂と軽犯罪では、後者の方が軽いわけで。

そんなことを考えると、「チラシ配りという行動は泥棒の手先」と言っても過言ではなかろう。個別にチラシを配るという行為に、もうちょっと厳しい目を向けても良いんじゃないだろうか。

ピザ屋は泥棒の手先である” への2件のコメント

  1. 同様に、「このバイク、不要なら買います」の札もマーキングと言われますね。
    なかなかこの札を取り外さない=オーナーが全然見に来ない(乗ってもいない)、というフラグのようです。

    駐輪場など外部に置いていることが多いので侵入するリスクがぐっと減るというのもあるのでしょうね。

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