「仕事の法則」

どうやら、最近の「お題」は「仕事の法則」らしい。

仕事の法則

真・仕事の法則

身も蓋もない仕事の法則 (みんな建前ばかり言うからオレが本当のことを言ってやる)

いつものようにblog人は項目が多いな。こんなにいっぱい把握できねーって。

私なら、たった一つだけ挙げる。

その「たった一つ」とは、

目の前にある仕事、それが今のあなたの仕事の全てだ

ということ。これにはもちろん理由があるし、その理由はこれから書くけど、かなり長い。でも覚えておくべきことはこの一言だけだ。ゴチャゴチャ理由は書いて行くけど、そんなもの全部忘れてしまってもいい。この一言だけ把握していれば。

さて、ゴチャゴチャと長い理由を書くことにする。忙しい人は読まなくてもいい。

まず第一の理由は、

まずは目の前の仕事を片付けなくてはならない

ということ。

もちろん並行して仕事をしなきゃいけない時もいっぱいあるから、目の前の仕事を片付けないと次の仕事に着手出来ないというのは言い過ぎだけど、目の前の仕事が片付かないことには次の仕事にかけるべき時間の確保に苦労する。だから何があっても、とにかく終わらせることに向けて頑張らないと、仕掛りばかり増えて行く。

最初はそれでも困らないけど、そのうちだんだんプロセススイッチのオーバーヘッドが大きくなってしまって、「仕事のスラッシング」が起きてしまう。だからそうならないためには、とにかく目の前の仕事を片付けることだ。他の仕事に手を出せば、それだけ仕事の効率は落ちて行く。たとえそれが面白い仕事であっても。いや面白ければ面白いだけ。

次の理由は、

目の前の仕事をちゃんとやらない奴に、デカい仕事は来ない

ということ。

目の前の仕事がどんなに退屈でつまらないものであっても、そういった「つまらないもの」すらやれない奴に、「もっとデカい仕事」を任せるのは馬鹿クライアント(含む上司)くらいなものだ。

いくら「自分の能力はこんなもんじゃない」と思っても、能力の評価は結果と信用の積み重ねだ。くだらないと思うような仕事でも、きちんと片付けて行けば結果と信用がつく。信用がつけば、期待も生まれる。期待が生まれれば、もっとデカい仕事がやって来る。だから、どんなにくだらない仕事であっても、成果を上げて行かなければならない。

そして、

目の前の仕事を解決することから、様々なことがつながる

ということ。

目の前の仕事を片付ければ、少なくとも何らかの経験にはなる。その経験は必ずいつか役に立つはずだし、「いつか」と言わなくてもたいていは何らかの形で次につながる。もしそうでなかったら、そうなるようにつなげて行くべきだ。

直接的には何の脈絡もなさそうな仕事達であっても、それをつなげて行けば「何か」の足しになる。それは仕事のやり方かも知れないし、アイディアの類かも知れないし、スキルかも知れない。それはあなたの仕事によって様々だが、必ずつながるだろうしそうして行くべきだ。もちろんこれは「引きずる」ということとは違う。その辺は間違えないように。

まだまだ理由はいくらでも挙げられる。でも、それを一々挙げても覚えることが増えて、把握しきれなくなるだけだ。それよりは、自分自身で目の前の仕事をやる。それもただやるのではなく、それをやる「理由」を考えながらやるのだ。

目の前の仕事をやっているうちに、「果してこの仕事をやり続けて良いのだろうか」的な疑問もわいて来るだろう。全ての仕事が成されるべき仕事とは限らないのもまた事実だ。そうやって生まれて来た疑問を考えることもまた、「目の前にある仕事をする」ということだ。そういった疑問は元々やっていた仕事の手前に発生した仕事だ。今度はそれが「目の前の仕事」になる。だから、「思考停止をしろ」と言っているわけではない。

でも大事なのは、そこで「横の仕事」を見たりしないことだ。横にある仕事は「隣の芝」で面白そうに見えるものでいろいろ気になるのだけど、それは「今」するべき仕事じゃない。もしかしたら、「目の前の仕事」を片付けた向こうにあるのが「横の仕事」なのかも知れない。「つながって行く」というのはそういったことも含んでいる。「脇目も振らずに真直に」と言うよりは、「道なり」に進んで行く感じを想像すると良いかも。

目の前の仕事に疑問を持ちながら、あるいはそれをやる理由を考えながら、それでも目の前の仕事を片付けて行く。それが仕事と「あなた」をWin-Winにする最短コースのはずだ。