上野の向こう

そろそろ道のネタも尽きて来た。

今日はひたすら昭和通りを北に進む。だいたい、上野駅の北側というのはあまり用のない地域なので、そこを目的地として行くことはない。車や電車で通過するくらいがせいぜいである。あのあたりは「入谷」になるのだが、入谷にはこれと言ったものがない。お墓と鬼子母神くらいで、普段ちょこちょこ行くようなもんじゃない。

そんなわけで今まで行くこともなかったので行ってみる。上野駅前を浅草通りの方に折れずに真直に行けばいい。

行ってみると、実際何もない。強いて言えばバイク関係のパーツ屋が散見されるくらい。私の興味を引くものはない。それでも、微妙に裏ぶれた雰囲気に無理やり興味を持って進むと、首都高上野線がなくなり、「言問通り」にぶつかる。

言問通り付近

言問通りに折れると、「入谷中央商店街」ということで、ちょっとだけ雰囲気が下町っぽくなる。あくまでちょっとだけなのだけど。

そのまま進むと、「かっぱ橋道具屋街」にぶつかる。このあたりでそろそろ折り返しになるので、そこで折れる。

かっぱ橋道具屋街は何の道具かと言えば、「業務用厨房」の道具である。

業務用厨房

つまり、厨房によく使われる「串」とか売ってるわけだ。いや、串だけじゃないんだけど。

店舗

ここは秋葉のエロゲやパソコン屋なんかよりも、はるかに「高純度」の専門店街で、通りの両側がずらーっと左の画像のような感じになっている。こりゃもう辛抱たまらん。散歩のはずが、思わず道具の買い出しになってしまいそうだった。

ところが幸いなことに、同じような店舗で同じような商品がやたらに多い。もちろん特色のある店もたくさんあるのだが、たいていどこも同じようなものを売っているので、どこでどう買えば良いかわからない。空腹の馬に水と餌をやると、どっちを食おうか迷って死んでしまう… という話があるが、それと同じだ。どこで買おうかと思ってキョロキョロしているうちに、どうでも良くなってしまう。どうもここは「ぶらっと来て買って帰る」という街ではなく、明確に買うものを定め、事前調査をしてから来るところのようだ。

道具屋街を抜けると、「浅草通り」にぶつかり、そこは「田原町」である。以前に書いたと思うが、田原町は「仏壇の秋葉原」である。それまで華やか(?)に厨房機器が並んでいたのが、いきなり仏壇屋になる。このギャップはなかなかのものだ。

そのまま折れもせず道を進むのだが、通りの名前は「新堀通り」と変わる。さらに進むと「三ノ輪通り」という看板も見える。いったい何通りなんだろうと思っている間に、「蔵前橋通り」にぶつかるので、そのまま西に向かって家に帰る。

ところで件の道、「三ノ輪通り」とは書かれているが、そのまま進んでも「三ノ輪」ではない。真直三ノ輪に行く道は「国際通り」という通りだ。今度あのあたりに行く時には、ぜひとも国際通りを北に行きたいものだ(ぉ