2.小倉発言と一連の問題について
- 「小倉発言」ってなんですか?
- 「小倉発言」のどこが問題なんですか?
- 「平野・西渕会談」ってなんですか?
- 「平野・西渕会談」はなぜ決裂したのですか?
- 「西渕回答」ってなんですか?
- 「西渕回答」のどこが問題なんですか?
- それで、あなたたちは何を活動目標にしているのですか?
- そんなこと言いながら、これって結局ロフトの売名行為じゃないんですか?
- 「報道被害」ってなんですか?
- で、デモ後の現在の情勢はどうなってるんですか? Up!!
(6月20日現在)
2.1 「小倉発言」ってなんですか?
2月19日、新宿ロフトにて開催された野村サッチーとニューロティカのコラボレーションライブは、約250名の若いニューロティカファン、約50名のサッチーファンのご婦人方がともに大いに盛り上がりました。しかし翌日、フジテレビバラエティー番組「とくダネ!」において、最前で熱狂するニューロティカファンたちに対して司会の小倉智昭が「この若者達はいくら貰って来たの?」「こんな風にのれるかってのがあるでしょ?」と、ありもしないウソ暴言を言い放ったのです。
2.2 「小倉発言」のどこが問題なんですか?
19日のライブでは、お金をもらって来た人はいません。ライブハウスではありがちな、招待券配布でお客さんを集めることも行われていません。観客約300人は、みな2,000円のチケットを買って入場しています。
さらに、このようなデマ発言を行う小倉の姿勢自体が問われるべきです。小倉は、基本的な取材を少しでもまともにしていれば誰でも気づくはずの「盛り上がっている若者はニューロティカのファンである」という事実を全く確認せず、「サッチーのライブで若い人が盛り上がるなんて不可解だ」という疑問を抱き、それを自分の乏しい社会常識で「金で解決したのだろう」と妄想し、それを公共の電波で公然と言い放ったわけです。
もちろん、事実関係を踏まえた上で、率直な批評を展開することは逆に制限されてはなりません。そしてこの面で、「とくダネ!」における小倉智昭のコメントには、評価されるべき点も少なからずあったはずです。
しかし、事実関係を扱うコメントを公共の放送でする以上、事実関係を確認すること、もし確認できなかった場合は人を侮辱し傷つけるような表現を極力しないように気をつけること、これは放送人として当然の常識ではないでしょうか。それを踏まえずにただ「毒舌」をかましているだけなのであれば、それはその「評価されるべき点」自体の信頼性をも自ら傷つけるものです。
2.3 「平野・西渕会談」ってなんですか?
小倉発言を受け、各スポーツ新聞にこれを非難する記事が相次いで掲載されたことに対しあわてたフジテレビ側が、平野おじさんに高須基仁氏(写真集プロデューサー)を仲介役に申し入れ、3月8日に新宿プリンスホテル喫茶室にて実現した会談。出席者は平野、高須、「とくダネ!」西渕憲司プロデューサー、織田雅彦の各氏でした。
2.4 「平野・西渕会談」はなぜ決裂したのですか?
フジ側は「小倉はフジの商品であり、いわばロボット。小倉の発言は全て私の責任であります。だから私が謝りに来ました」と発言しましたが、平野おじさんは「私たちの質問状は小倉氏に宛てたもので代理の方に謝られても困る。発言したのは小倉氏なのだから、人間として小倉氏が謝るべきではないか。なんとか小倉氏に発言の真意を説明してくれるように説得してほしい」と主張し続け、交渉は平行線のまま決裂しました。
しかし西渕氏は、3月12日の質問状の期限までに少なくとも「回答する・しない」などの何らかの返答をFAXにて通知することを約束してくれたはずです。しかし実際には、回答は一切なかったのです。
2.5 「西渕回答」ってなんですか?
「友の会」代理人青山力弁護士による通知書を受け、4月19日に西渕プロデューサーから送付されてきた回答。「あれはジョークだったので謝る必要はない」「新聞報道で事実無根の中傷をされたことを遺憾に思う」などとすべてを開き直ったものです。
2.6 「西渕回答」のどこが問題なんですか?
「ジョークだから謝らなくてもよい」という姿勢は、世界最高に厳しい日本の電波管理制度の下、独占的な免許を持ち放送を行っているテレビ局に許されるものだとは思えません。侮辱的なジョークだからこそ人は傷つくのです。それに対して謝ることは、人間としてアタリマエのことではないでしょうか。
また、この回答書からは、「平野・西渕会談」でいったんは自らが謝罪に同意した、という事実がすっぽり抜け落ちています。都合の悪いことを隠す、というのは報道人として最低の卑劣な行為です。
さらに、「一部夕紙による中傷」というのを、なぜ当該報道機関ではなく「友の会」に対して行うのかがまったく不可解です。「番組の責任者は自分たちだから謝るのは自分たち」と主張している人間が、なぜ記事を書いた記者なり新聞社なりに抗議せず、私たちに抗議をするのでしょうか。
2.7 それで、あなたたちは何を活動目標にしているのですか?
闘争宣言にあるとおり、まず何よりも小倉智昭に自らの発言の責任をとり謝罪してもらうことです。もちろん、一回公共の電波で言い放った暴言への訂正・謝罪なのですから、番組内で、自らのトークで謝罪すべきです。
また、厚顔無恥極まりない回答をよこした西渕プロデューサーについても、この回答書のウソとペテンについて文章で謝罪すべきです。
そして、小倉、西渕両氏は、今回の一連の問題についてロフトグループとの公開討論に応じ、その中で思うところを堂々と主張すべきだ、とも考えています。謝罪が行われたならば、逆に彼らが、私たちに対して主張する機会も与えられるべきだと思うからです。
また、今回の一連の問題は、まさに「報道被害」としての側面を持っています。一連の取り組みを通じ、「報道被害」について認識を深め、これを繰り返させないことが重要ではないでしょうか。
2.8 そんなこと言いながら、これって結局ロフトの売名行為じゃないんですか?
芸能界的、テレビ的に見れば、確かに売名行為に見えるかも知れません。ふだんはテレビや芸能ニュースでほとんど扱われないロフトが記事として扱われているわけですから。
しかし音楽業界では事情はむしろ逆なのです。ロックが芸能ネタに関わること自体が非常に嫌われる場合が多く、「友の会」の行動はロフトにとってはマイナスイメージをもたらす方が大きいのです。
また、音楽業界ではロフトはすでにライブハウスとしての知名度をある意味確立しており、わざわざ売名行為を行う必要性もあまりありません。
「音楽をやる、聴く」というパワーが、芸能界というビッグビジネスに取り込まれず、独立の精神を持ち続けることはロックの存在理由のひとつではないでしょうか。私たちはその意味でも、ロフトにとって極めてリスキーな今回の行動の意義があると考えています。
2.9 報道被害ってなんですか?
マスメディアの報道・取材によって市民が受けるあらゆる権利侵害を指します。もちろん、典型的な例は「冤罪=無実の罪でさまざまな報道をされた」というケースです(さらにその典型例として、松本サリン事件での河野義行さんの件がありました)が、それだけではなく、犯罪被害者に対してのプライバシーに踏み込むような報道や取材もあてはまります。
「表現の自由」と「報道被害」は「諸刃の剣」の関係でもありますが、報道する側は「強大な権力を持っているのだ」という自覚を元に、強い自制心を持ってもらいたいものです。
2.10 で、デモ後の現在の情勢はどうなってるんですか? Up!!
(6月20日現在)
5月20日のデモ行進・抗議行動は、フジテレビに一定のプレッシャーを与えることに成功しました。事前に内容証明郵便で「文句があれば郵便で=デモ隊の抗議文は受け取らないよ」と宣言されていたにもかかわらず、私たちの抗議文を現場で受け取らせることができたわけです。
また、当時チーフプロデューサだった西渕氏は、私たちの行動の直後、平プロデューサに「降格」ともなっています。
さらに、複数のフジテレビ内部からのリーク情報、6・20「東京総行動」でのフジ社員の「友の会」への応対ぶりなど分析する限り、フジ側はこのデモに200名近くが集まるとは考えてもみなかったらしく、対応に苦慮しているとも言われています。
そしてデモの後、これまでは私たちからの内容証明に対し何らかの返答を表明してきたフジ側は、固く口を閉ざし、ひたすらこの「嵐」が通り過ぎるのを待っているようにも見えます。
私たちは、大衆的な行動を実際に成功させた、という事実をもって、創意工夫溢れるありとあらゆる形態での取り組みをもって、小倉・フジの沈黙を打ち破るべく、さまざまな行動を考え、実行していきます。
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