小飼さんのblogより。
私も小飼さん同様、「生越昌己」でぐぐると、私しか出て来ない。「生越」だけでぐぐっても、半分以上自分だったりするくらいレアな姓なわけで。
昔、渋谷で歩いていたら、某テレビ番組のプロダクションの人につかまり、かなりきわどい番組に出て来れないかと頼まれたことがある。当時は「日本Linux協会会長」なんて肩書がついて時代なんだけど、面白そうなんでOKした。なんせいつも撮る側だったから、撮られる側も面白いなと思ったし。頼んでる方も、「渋谷を歩いてる髪の金色の奴」くらいの認識でしかないから、話はまとまり局の方へ行くことに。
局でいろいろ手続きしていて、「実名出すが良いか」的なことの承諾をして、ちょっと待っていると担当の人があわてて「実名で知られてる人はNGです」と断わられてしまった。つまりだ、その番組では確かに実名を出すのではあるけれど、
実名と匿名の大差ない人
を出していたのだ。せいぜい、本人の周囲で乗れる程度の知名度の「実名」なわけだ。
おそらく、その番組の担当者は何らかの形で「その人の知名度」を調べたのだろう。今ほどGoogleが使われていない時代だったから、Googleではなかったかも知れないけれど、まぁそんなことをしたんだと思う。そしたら、本人情報がゾロゾロと出て来て、マズいと判断したんだろう。
このことは、2つのことを意味している。
一つは、既に書いているように、「実名を出しても匿名と大差ない人」は少なくないということ。それでも「実名」には違いはないし、少なくとも本人の周囲ではその「実名」も意味があるのだけど、テレビ的には匿名と同じだということ。
もう一つは
実名を匿名と違うものにしたのは、自分の諸行の結果
だということだ。
「ぐぐって出て来るのは俺ばかり」という状況を作ったのは自分だ。自分が実名で活動しているから、実名が広まってしまってそうなったわけだ。だから、不公平も何も、それは意図したかどうかは別にして、「自業自得」なのだ。確かに私や小飼さんのように、名前が特殊だとそうなりやすい傾向にはあるが、同姓同名が多数ある人だって、「あいつだ」と特定されてしまうようになるのは、自分の諸行と自分の名前がセットだったからだ。
仮に私が「おごちゃん」というハンドルだけで活動していたなら、「生越昌己」でぐぐって何も出なくても、「おごちゃん」というハンドルでは出て来るだろう。そうなると、結局「シンボルと実体の一致」が行なわれてしまう。そういった意味では、自分という「実体」を特定してしまうことは同じなので、ハンドルだろうと実名だろうと同じだ。 「実名が嫌」な人達は実名そのものがどうこうではなくて、「実体参照可能な名前」があるのが嫌なんだろうし。
それはさて置き、何にせよそういった「不平等」な結果を作ってしまったのは「自分のせい」なんだから、それに対してどうこう言ってもしょうがないかなぁと思う。こういった世界では「有名税」は「所得」よりも大きかったりしてなかなかアレなんだが、メリットがなかったわけじゃないのだから、まぁしょうがない。
なお、「ニコ動」ではどれだけ高評価を受けようと、私は匿名を貫くつもりだ。なんか適当な名前をつけたりつけられたりするかも知れないが、「生越昌己」がポイントする実体をポイントする情報は出さないつもり。