ISOか何かで規定して欲しいもの(2)

セルフレジは良いものである。

まず、多くの場合空いているのが良い。

また、店員と余計な会話をしないで済むのも良いし、変に気をつかわないで済む。もちろん会話をしたい店員や場面がないわけでもないが、たいてはそーゆーことは避けたいものである。

店員の都合を心配しないで済むもの良い。うちの近所の「まいばすけっと秋葉原昭和通り店」に朝に行くと、たいていレジに店員がいない。客そっちのけで品出ししているか世間話をしている。それがしょっちゅうなので、いつか本部に電話でもしてやろうと思っているんだが、セルフレジが出来たのでそーゆー怒りを覚えることも減った。まぁ、減っただけだが

そういったのは悪くないんだが、UI/UXが結構マチマチなのは困ったものだ。

まず、多くのお店でセルフレジとセルフでないレジ(どう言えばいいんだ?)は別の列に並ぶことになる。

セルフレジに並ぶ人はセルフでないレジでも困ることはない。故に、「どっちでも良いから空いてる方」という並び方がしたい人は少なくなかろう。レジは「速いがごっつぉ」である。ちなみに「ごっつぉ」というのは、私の郷里の方で「ご馳走」という意味だ。

ところが、多くのレジで、セルフとそうでないのとは、別の列になる。つまり、セルフの方に並んでしまってもセルフでない方が空いていたら、そっちで処理して欲しいなと思う。だいたいにセルフの方は口が少ないので、埋まる時は埋まってしまう。ところが別の列になっていて多くの場合全く方向の違う並びになっているので、かなり遠くに歩いて行くことになってしまう。これが結構残念である。件の「まいばすけっと秋葉原昭和通り店」もそうなっている。

まぁ、都心のお店はそんなに広くないので、どちらでも行けるように列を作るのは容易でないことも理解出来ないではない。

もっと気になっているのは、

UIがマチマチな上、「導線」を考えてない

と思われるフシがあることだ。

ここで私が書かなくても、これはたいていの人は理解してくれると思う。店舗によってセルフレジのUIは

でたらめ

と言って良いくらい、バラバラだ。

開始処理が必要なものとそうでないもの、ポイントカードの類を聞くものとそうでないもの、支払方法の選択、レジ袋についての選択。みな順番が微妙に違ったり、ボタンのデザインが違ったりして、

初見殺し

と言って良い。私の生活圏内にある「まいばすけっと」「ローソン」「ファミマ」「ミニストップ」。みんなちょっとづつ違う。と言えばなぜか「セブンイレブン」では見掛けたことがないんだが、「ない」で正しい認識なのかな?

何かの系列が寡占状態になっているのであれば、それだけを覚えればいい。でも、だいたい近くに何種類もある土地だと、どこに行くかは気分とルーティングの問題となる。そうなると、久しぶりに来る店舗とか、事実上の初見になってしまう。また、セルフレジは文字通り昨日今日に入って来たものなので、本当の初見なこともあったりする。

そんなわけで、これらのUIの微妙な違いで、いつもウロたえてしまう。

そして、慣れてしまった店舗でも思うことは、「導線」をまるで考えてないということである。

たとえば、多くのセルフレジで、何が何でも「ポイントカード」を選択させようとする。こちらはそんなものを持ってはいないわけなのだが、今時の電子マネー事情も絡むと、

ポイントカードの選択と支払方法の選択が酷似

して来る。私はセキュリティ意識が高いのでポイントカードの類は使わないし、「なんとかペイ」も面倒臭いので、支払いはクレジットカード一択なのだけど、そうなると最初の一歩でつまづいてしまう。どういうことかと言えば、

「クレジットカードで払うのにクレジットカードの選択肢がないぞ」

と迷うのである。そして、しばらく悩んだ後に、ここで選択しなければならないのはポイントカードのみであり、「支払方法」であるクレジットカードの選択はここではないのだと気がつく。そして、多くの場合、

「しょうがないから作ってやったぜ」

感満載の「お持ちでない方」のボタンを苦労して発見する。

なぜ「しょうがないから作ってやったぜ」感満載かと言えば、ポイントカードのボタンはロゴとかついて目立っているのだが、「お持ちでない方」のボタンはロゴとかないのでだいたい地味なのだ。人間、急いでる時は目立つものから見てしまいがちだ。おまけに、そんなボタン押しても店にとっては金にならないし、間違って押されても困るだろうからか、ボタンの大きさまで小さ目だったりする。

てかさ、

そもそもそこで「ロゴのついたボタン」であれこれ選ばせる必要がなぜある

のだ? どのポイントカードでも読めるということは、どれかのポイントカードとして読んで正しく処理されたカードを使ったとして処理すれば良いだろうし、もっと頭が良ければそういうエラーになる前にどのカードか自動判別してしまえば良いだけだろう。そこで選択を間違えていたら、どうせエラーにしてしまうのだ。

だから、仮に最初に選択させるにしても、ポイントカードの有無を選択させれば良いだけだし、そんなものは何も「最初」である必要性なんぞ0だろう。何のためのコンピュータだか知ってる?

そして、支払いの時にも、あれやこれや「選択」を求められる。ちょっと頭使えば自動判別出来るはずだろ。無理なのは、「ICカードをまとめるデバイス」の時だけで、その時だけ「どれで支払いますか?」と聞けば良いだけだ。

まぁ残念インフラ(*1)の上に残念エンジニアが作ったものでしかないので、ある程度間抜けな処理が入ってしまうのはしょうがないと諦めるにしても、そういったUIは

統一

して欲しい。何にしてもレジメーカやコンビニチェーンの数だけUIが存在するなんてのは、馬鹿も休み休みやれと言いたい。

まぁ同じことは、「キャッシュレス自動販売機」にも言えるんだけどね。

*1 支払いの時の面倒さの何割かは、決済インフラを使う上の制約であることはわかっている。たとえば「クレジットカードはやめてデビットカードで払おう」なんてことをした場合は、「キャンセル」処理をしてからでないとダメで、「どっちか入れた方で決済」みたいなことは不可能である。同じことはどの決済にもあるので、「どれを使うか」は選ばせることになってしまう。「決済端末」の動作もそれが前提となっている。