メールのトラッキングはもうちょっと考えようよ

最近届くDMっぽいメールには、トラッキング用に加工されたURLでリンクするようになっていることがあります。これは、spamかどうかとは関係なく、効果測定をしたいところはやっていることのようです。

まぁやるのは構わないんだけど、果してこれがクリックされるかどうか、ちょっと疑問。

メールのトラッキングは、専門の業者もあるようで、そういったところだと一度ASPのURLを踏ませてから、実際のサイトへリダイレクトさせるようになっている。あるいは、Google Analysticsを使って解析する方法もあるようだ。

メルマガなど、メール内の URL を無料でトラッキングする方法

そうするとURLが長くなりがちなので、短縮URLサービスと組み合わせたりする。

ところが、こうやって工夫したURLは、例外なく怪しいURLになる。

ASPを使うタイプだと、メールの差出人のドメインとURLのサーバ名が違うものだから、Thunderbirdでは「詐欺メール」としてフラグがつく。URLを表示させると、実際メールのFromとはまるで関係ないURLになっているから、

「うわフィッシングktkr」

とか思ってしまう。てか、そう思わない奴はむしろ情弱だと自覚した方がいい。暇ならURLの素性を調べて、トラッカーのものだと気がつくだろうが、それでも本来リンクする先のURLが含まれていて確認可能でなければ、クリックしない方が無難だ。つまりわかってる人はクリックしない。

Google Analysticsを使うと、「詐欺メール」の判断はしなくなるけど、「何やら妙なIDのくっついたメール」であることには変わりはないので、なんか怪しいなーと判断してもおかしくない。そりゃ、ゆっくり見ればGoogle Analysticsのものだとわかるけど、DMっぽいメールにそこまで時間かけない。さらに「URLを表示させる」と言っても、全部表示してくれるわけではないから、ぱっと見怪しいURLに見えてしまう。

DMの中の短縮URLは、詐欺メールやspamの典型的な手法の一つなので、いかなるものもクリックしないのが正しい。まぁ暇なら実際のリンク先を調べて、問題ないことを確認してから… ってやればいいんだけど、DMにそこまで時間や手間はかけないでしょ。それに、そうやってわかったURLがGoogle Analysticsのものだったり、トラックASPのものだったりすると、なかなか正当なものだと判断するのも難しい。

だから、DMの効果測定をしたくてトラッキングしようとすると、それだけでクリック率を大きく下げてしまうことになる。少なくとも母集団は「情弱」とゆーバイアスがかかったものとなってしまう。

トラッキングしたい気持ちはわからんでもないけど、これだけプライバシーの問題やらフィッシングが多くなって来ると、「見慣れないURL」に対する心理的なハードルはどんどん高くなって行くのではないかと思う。そもそも、消費者は出来ることならトラッキングなんてされたくないと思っているのだから、もっと抵抗のない方法を考えないと、トラッキングそのものが否定されかねない。