例によって、遠隔操作裁判に行って来た。
とは言え、今回は時間がなかったのと、ちょっとした連絡の行き違いで、記者会見の最後の方にしか出れなかった。
「時間がなかった」というのは、当事者には申し訳ないと思うのだが、朝10時から夕方5時近くまでの公判を傍聴するだけの時間が用意出来なかったということ。傍聴するとなると、丸一日いないといけない。「午後だけ」とか「午前だけ」とかということは出来ないのだ。
これは私に限らず、もっと傍聴に用のある人達もそうで、その辺は今回の江川さんのエントリの後の方に書いてある。
【PC遠隔操作事件】「ビニル袋は二重」との警察官証言(第7回公判傍聴メモ)
いろいろ「立場」のある人達は、「兵隊」を使って傍聴券を手に入れるのだが、全部傍聴するだけの時間が確保出来ない。いきおい、空席になってしまう。「傍聴券」とは言え、チケットではないので、
持っておくといつでも入れるというものではない
ので、「傍聴券を誰かに取ってもらって、午後だけ」ということは出来ないようだ。
まぁそんなわけで傍聴はせず。
記者会見は八木さんと行くことになっていたのだけど、八木さん他の用でなかなか来なくて、痺れ切らせてから会見室に入ったので、かなり後の方になってしまった。参加申込も書かずに、こそーっと入って、こそーっと聞いたw
入った時は例によって佐藤弁護士の独演会状態。まぁ、わかる人にはわかる展開。
聞けた話はちょびっとなのだけど、その中で印象的だったのは、
検察側が証拠はなかったことにすることが多い
ということ。
これはどういうことかと言えば、たとえばある証拠で「DNAが検出出来た」という話が出たとする。そこで鑑定するという展開になるのだけど、そうすると、なぜだかその「証拠」はなかったことになってしまうという類のこと。
この「DNA鑑定」は、
検出されたDNA群 – コンタミしそうな人達のDNA(捜査員とか)
というものを求めて、残りが誰のDNAと一致するかといった、そういったこと。ここで、容疑者のDNAが出て来ればビンゴだし、他の人のDNAが出て来れば、その人に当たるということをするらしい。容疑者のDNAが出なかったからと言って、それは無実の証明にはならんけどね。
今回の事件に関して言えば、弁護側は無実の自信を持っているので、検察のDNA鑑定の結果はむしろ期待するところだったりするので証拠として出して欲しいのだが、なぜだか「なかった」とか「出なかった」とかという話になるということ。これは「DNA鑑定」に限らず、Suicaの記録とかそういった類のものも、どんどん証拠から消えて行く。
「識者」に聞くと、これはまぁごくありがちな
冤罪事件
の展開だということ。また、後から唐突に出て来る「警察(検察)にとって都合のいい証拠」は、だいたい冤罪事件の時の捏造された証拠だと言われている(例えば「袴田事件」のズボンとか)。
いろいろ後から出て来た証拠は、そういった様相を呈しているらしい(今回だと、後から見つかったUSBメモリがそうだ)。まぁ、そうなると佐藤弁護士の独演会になるのも、わからんでもない。
というあたり、ミステリーものとか法廷ものとかが好きな人にとっては、実に興味深い展開である。
とは言え、こっちは
遠隔操作やっちゃうスーパーハカーの活躍
に興味を持って関わっているので、実に面白味に欠ける展開になってしまった。いろいろな話を聞くにつけ、無力感の方が大きくなって行く。裁判官は検察寄りの人だということ、話の進め方がそうなってしまっているということも考えると、この馬鹿げた展開のまま
一審有罪
で終わるのではないかなー、と思ってしまう。そんな展開なのだ。逆に、いよいよ冤罪事件として盛り上がって来たなーという感じとも言えるのだけど。
そんなわけで、無力感漂うなんかもにょもにょする展開になって来たなというのが今回の感想。
以下余談
行って良かったなと思ったのは、江川さんにスマイルで挨拶されたことと、ゆう君に前のエントリの件でお礼を言われたこと。
江川さんは私の中では南場さんに並ぶ眼鏡っ娘(「娘」?)アイドルなので、認識されていることが嬉しかったw
ゆう君はエゴサーチで前のエントリを見つけたらしいのだけど、「公開処刑」というあたりで
「自分の気持ちを代弁してもらった気がする」
とか言ってくれて、書いた甲斐があったなと。「酷いこと書いてごめんね」と謝っておいたけど、「まぁ本当のことですし」的なことを言われたんで、どうしようかと思ってしまった。
普段行かないところに行くと、つながりって増えるものだねー。