「文科省facebookページ」の微妙

先日。ドイツの衛星が落ちて来るとゆーことで、文科省が情報提供を始めた。もう落ちたんだっけ?

【 2011年10月20日 ドイツ衛星落下の恐れ 文科省フェイスブックで情報提供 】

文部科学省 MEXT

へー、こーゆーのも文科省管轄なのかーとか、facebookでやるのかー新しいなってことで、感心したんだけど、ちょっと待て。

お役所がタイムリーな情報公開をするようになったのは良いことだ。こーゆーのは些細なことなのかも知れないが、「やり始めた」ということに意味がある。

でも、ここで不思議なのは、

なぜfacebookなのか

ということだ。数あるプラットフォームの中でfacebookを選択したのはなぜなのかと。

例えばこれが、緊急性を持った情報、リアリタイム性を持った情報だとすれば、twitterを使うことに説明はいらない。twitterはリアルタイム更新と拡散に耐える、事実上唯一のプラットフォームだと言ってもいい。もちろん他にいろいろプラットフォームがあるけど、

リーチ

という点ではtwitterから見ればゴミだ。これはたいてい誰でも納得することが出来るから、お役所がtwitterで情報公開しますと言っても、つっこむことはない。むしろ「なんで国産サービスじゃないんだ」とつっこむ奴がいたら、それはそれでもにょもにょする。

同じように、これが「動画の提供」であれば、YouTubeなりニコ動なりを選択していれば、誰もつっこまないだろう。「他にもいろいろ」と言っても、「リーチ」という点ではないも同然だからだ。ネット中継なら… とか、定番サービスが誰の目にも明かなものであれば、特に説明をする必要がない。「リーチ」という点では有名定番サービスを使うのが一番なのだ。

ところが、今回の情報は「facebookページ」なのだ。これを代替しそうなものは他にいくつもある。

  • ソーシャルが良ければmixi
  • ブランドにこだわるなら文科省自身のホームページ
  • 拡散ならGoogle+だってtwitterだって…

どれもそれなりに特徴があって一長一短なのだけど、「何もfacebookページじゃなくてもいいじゃん」と言うには十分だろう。特にリーチの点では「facebookページ」に勝るものはいくらでもある。

別の話として、

なぜmixiページではないのか

というのもある。なんでわざわざ海外のソーシャルサービスを使わなきゃいけないのかと。

もちろん日本国の情報公開に海外のプラットフォームを使うな的な声もあるだろうけど、そーゆーのはネトウヨが言ってればいい。そんなことよりも少なくとも現時点で「リーチ」という点で言えば、facebookではなくてmixiだろうというのは、業界関係者なら思うことではないか?

「mixiページオワコン説」ってのは確かにある。

結論でました・・mixiページは企業にとって全く意味なし

とは言え、「これから作る」と言うのであれば、これは問題にならない。プレスリリースで「ここでやります」って言えばいいだけだからだ。それに、どんだけmixiがオワコンだと言っても、facebookよりはリーチがいい。

mixiが断わったのか、文科省が選ばなかったのか。それは第三者である私にはわからない。それがどっちであったにせよ、「mixi(ページ)オワコン説」を補強するものでしかない。

また、これが文科省のホームページの中でないというのも、ひっかかる。凄いリアルタイム性の高い情報なら、twitterのようなサービスにアウトソースするのは悪いことではないが、せいぜい天気予報や地震速報レベルのリアルタイム性なのだから、内部でやれない理由はない。おそらくはCMSがどーたらとか、更新作業の人員がどーたらとゆー、それこそ

役所の事情

があるのだろうけど、それに縛られている、その壁を越えないところでいろいろあるというのが情けない。

↑はどれもこれもが、「憶測」に過ぎない。てか、憶測するしかない。なぜなら、そういった経緯は我々は知らないからだ。いやしくも政府機関なのだから、こういったことについては説明責任があるだろうし、今までの「お役所仕事」を踏襲するなら、それなりの手続きがあって入札でも何でもされて… というもので、いろいろもにょりつつも「憶測」する必要はなかっただろう。

とか、ちょっと疑問を持ちだすとキリがないくらいつっこみどころがある。それとも、私の知らないところでリリースが出てたりしたのだろうか? どこかに公開された説明があるのだろうか?

PS.

文科省の公式リリースを教えてもらった。

米国衛星「UARS」の落下に関する情報について

この中でfacebookによる情報提供のことは言及されている。また、「公式facebookページ」の開設についてはリリースがある。

文部科学省公式Facebookページの開設について

しかし、この「公式facebook」もどのような経緯でそうなったのかについては書かれていない。また、検索窓に「mixi」と入れても満足な情報は何も出て来ないので、多分「公式mixi」はないと思われる。

個人的には今はmixiよりもfacebookを見てるので、その方が便利ではあるのだけど、なんかもにょもにょする。

PS2.

高木せんせが別の方向から疑問を呈しておられる。

先日、文科省が人工衛星落下の最新情報をfacebookのみで提供し、NHKニュースも「フェースブックで」と伝えていました。ログインせずに見える形態であるとはいえ、ログイン中の人が閲覧すると実名レベルで誰が閲覧したか外国に送信され記録される仕組みです。災害…

…災害情報のような国民が避けて通れない情報をこのような形態で提供するというのは誰か問題視していないのでしょうか。米国や欧州の政府機関ではこの点、現状ではどのような扱いになっているのでしょうか。(以前はGoogle Analyticsですら禁止されていたかと)

首相や政府機関がTwitterで最新情報の短信を配信することは受け入れられたように思います。そこで問題となったのはアカウントの信頼性で、この点はNISCがガイドラインを出して解決されました。文科省のfacebook利用もその基準を満たしています。しかし、問題

…問題は、情報の信頼性というセキュリティの観点と、個人特定されない閲覧というプライバシーの観点の2つがあるわけで、NISCは前者しか管轄しておらず、日本の政府には後者を管轄する組織が存在しません。現状では何らルールが無いまま、どこまでもfacebook利用…

…利用が加速しそうです。文科省が今回facebookを利用した背景には、単に、必要なCMSが政府サイトに整備されておらず、政府サイトへの迅速な掲載(担当者に一任された掲載)ができず、外部サイトに安易に頼ったという理由があるのではないでしょうか。であれば、…

…であれば、egov.go.jpに必要なCMSを整備して、緊急時には担当者の一存で迅速に情報を掲載できる体制を整備するのがスジではないですか。(災害時のアクセス集中に耐えられるクラウド等による負荷融通システムの整備も合わせて。)

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This entry was posted on10月 24th, 2011 at 13:47:12. You can follow any responses to this entry through the RSS 2.0. Both comments and pings are currently closed.

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