1年分のメールが飛んだが…

Thunderbirdの設定をシクって、20年分くらいのメールを消してしまった。

非常に運が良かったのは、1年くらい前に仮想ディスクを丸コピーしていたものがあったので、そっちから消えた分は戻すことが出来た。

つまり、1年分くらいは消えたってことになるんだけど、どれが消えたのかよくわからない。

なんで消えたかと言えば、Thunderbirdの「設定」の中にある「同期とディスク領域」の設定で、「ローカルのコピーとリモートサーバ上の古いメッセージを完全に削除してディスク領域を開放できます。」と書かれた設定を、「最近のメッセージを次の数だけ残して削除する」で「1通」にしてしまったから。私はてっきりこの設定は、Thunderbird上のキャッシュをサーバのフォルダに一致させる設定だと思ってしまったのだ。

元々、Thunderbirdのキャッシュの管理は、かなり「俺様一番」で、Thunderbirdで消したメールがすぐにサーバに反映しなかったり、サーバで振り分けたメールがThunderbird上にすぐ反映しなかったりしていたので、どうしたものかと思っていた。そこでふとこの設定を見た時に、「この数を限度にキャッシュを整合させるのだな」と勝手に納得したわけだ。imapの操作をキャッシュを少なくしたり、store(write) throughにすると、削除や振り分けに時間がかかるのは、自分でimapクライアント書いたり、ログ見ながらimapなクライアントを評価した人ならわかると思う。だから、「完全に一致」は無理でも、キャッシュ数を減らしてトレードオフを見つればいいやとか思ってやってしまったわけだ。

ところが件の設定はそうじゃなくって、この設定は「今起動しているThunderbirdが主体となって、古い(ここに指定した条件に合う)メールを完全に消してしまう」という設定なのだ。古いメールを消すとゆー習慣を持たない私にとっては意外としか思えない設定なんだけど、そーゆーことを忘れてしまえば、確かにそんな運用もあるし、そーゆー意味で書いてもおかしくないよなぁな設定だ。この設定は存在自体がおかしいと思うが、それについては後述。

まぁそんなわけで、この設定が発動して、メールをどんどん消し始めた。最初は気がつかなかったのだが、途中で気がついてあわてて止めた。消えたフォルダは「連絡用」「お友達」「MLメルマガ類」のもの。もちろんその下にサブフォルダはある。幸い「仕事」とか「メモ」とかは消える前に気がついた。subscribeしてないフォルダはスルーされてた。さてどうしたものか。

ふとサーバの仮想イメージを見ると、1年ちょっと前にバックアップを取ったものがある。多分、クラッシュから復元させる時に、–rebuild-treeかけるために取ったバックアップなんだろう。よく覚えてないけど、多分そうだw 1年も前だけど、「20年」に比べりゃ誤差なんで、こいつから戻すことを思いついて復元させた。適当にmountしてコピーすればいいので、間違えても平気。この辺がmhフォルダの気楽なところ。

確認で復元させたフォルダを見たんだが、違和感がないのだ。まぁ、直前のメールも残っているということもあるのだが、「消えたのどれだっけ?」という程度には復元されている。ってゆーか、「お友達」となんて、

この1年間ロクにメールしてない

のだ。

よく考えてみればこれは至極当然で、コミュニケーションの主体はtwitterやfacebookに移ってしまった。今時メールで来るのは、

  • MLやメルマガ
  • 仕事の一部
  • spam

であって、友達との世間話とか、アポの連絡とかは、たいていメール以外だ。メールであっても携帯メールばかり。「携帯メール」は「今着いた」「わかりました」的なのばかりで、SMSと大差ない。つまり、今や普通のメールは

楽しいコミュニケーションのためのものではない

ということになってしまった。「楽しいコミュニケーション」は、他にいくらでもツールがある。

そんなわけで、消えたと気がついたのは定期発行のメルマガ類の途中がないということくらい。あとは、たいてい残っている。まー、どうせ古いメールなんて「老後の楽しみ」くらいしか価値がないので、消えたって困るわけではないし。

とゆーわけで、ますますメールっていらないなーと思う事件であった。

途中まで書いてたThunderbirdの仕様がおかしいと思うことについてなのだけど、これは複数のPCからThunderbirdを動かすとゆーシーンを想像したらわかると思う。居場所毎にデスクトップ機があって、そこでMUAを動かしているとか、そんなに変な想定ではなかろう。私がシクった設定にしてなくても、「俺様一番」なキャッシュ管理をしていると、複数のMUAが把握しているメールが矛盾してしまう。特にこの設定のように「勝手にサーバのメールをいじる」ようにしていると、その矛盾は問題になってしまう。もちろん、自分で意識して消したり移動させたりしたものはサーバに反映していて欲しいのだけど、「キャッシュ」の類は「サーバの状態」が反映されているべきだ。ところが、Thunderbirdはあまりサーバの状態を反映させようとしないので、わけのわからないことが起きてしまう。まぁこれはThunderbirdが悪いと言うよりは、キャッシュを持つimapなMUAに共通する問題ではあるのだけど、複数MUA間でキャッシュのコヒーレンシを保つなんて、imapには無理だし。

また、振り分けとかの類も、それぞれの設定が矛盾してたらわけのわからんことになる。spamの学習とか、それぞれ違ったりしてると、いろいろ面倒臭い。そういった意味では、MUAをfatにして行くこと自体が間違いだと言えなくもない。便利だし、たいていその方が良いんだけど、トラブルのような「外乱」には弱くなる。

Thunderbirdの私から見るとおかしな仕様と言うのも、こういったジレンマに対する開発者なりのケリのつけ方だと言われれば納得するしかない。「それは僕のケリのつけ方と違うね」ってだけで、

嫌なら使うな

で良いわけで。

これを抜本的に解決させるには、Gmailのような

サーバにあるMUAを使う

ことなんだろうけど、Gmailはちょっとなぁ… あと、多少遅くてもmhフォルダを直接いじれる方がいろいろ便利なのよね。