「受益者負担」はマジックワード

メモ代わりに書いておく。

よく何かと言うと、「受益者負担」を口にする人がいる。確かに、メリットを得る者が見合う負担をすることは、一見正しそうに見える、多分正しいだろう。

でもな。世の中のたいていの「受益者負担」ってのは、「誰か」を肥えさせるためのマジックワードでもあることは忘れちゃいけない。

もう古いことになるけれど、医療費の基礎データ(薬価と呼ばれるもの)は、金出さないと入手出来なかった。なぜなら、「受益者負担」だからだ。元のデータは当然freeなんだけど、それをデータあるいは文書でもらうためには、「受益者負担」が必要だったのだ。で、その「受益者負担」は何に使われていたかと言えば、「そういったデータを配布する法人」の運営費用だ。そりゃ確かにそーゆー法人がなかったら、そういったデータは入手出来ない。だからそういった法人が必要で、その維持費として「受益者負担」は必要。耳が尖るくらい論理的だ。

地図のデータも、衛星のデータも、あるいは国立研究機関の論文も、入手しようと思うと、「受益者負担」が要求される。どれも、元々は税金で作られたものだから、納税者はタダでもらっても良さそうなものなんだけど、それらを入手可能な状態にするにはそれなりの法人が必要だから、そういった法人を維持することも含めて「受益者負担」だ。再配布するんだったら別にそんな機関に手間かけるわけじゃないから良さそうなものだけど、今度は「著作権」を主張されてしまうから、再配布は出来ない。

一見、正しそうに見えるけど、本当にそれで良いかってのは疑ってみてもいい。

たとえば、アメリカは「税金で作ったものは還元するべき」ということで、freeになっているものは少なくない。インターネット(つーかTCP/IP)自体にライセンスが不要なのはそのお陰だ。アメリカ政府は「受益者負担」と言って金を持って行くようなことはない。MACSYMAにfreeなのがあるのもそのお陰だ。

日本だと、そういった「政府関係のデータ」は省庁が直接配布するんじゃなくて、「外郭団体」が配布している。そして、その配布手数料は外郭団体の売上になる。つまり、みんなの嫌いな「天下り」先を肥やす金になるわけだ。

「受益者負担」ってのは、一見正しい理屈に見えるし、多分正しいだろう。だけど、こういった使い方がされてるってことも考えてみるのは悪くないんじゃない? こういう、「ついうっかり誰でも賛成してしまう言葉」ってのは、もっと頭のいい奴等に都合良く使われるんだよ。

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This entry was posted on6月 4th, 2010 at 19:26:48. You can follow any responses to this entry through the RSS 2.0. You can Leave a response, or Trackback.

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