世の中のたいていのガスレンジには、「魚焼き器」なるものがついている。うちのにもついている。とは言え、一人暮しに魚というのはあまり都合の良い食材ではない(保存とゴミを考えると頭痛い)ので、家ではまず魚は食わない。そんなわけで、「よけいなメカ」である。
ところがふと思い立って、ここをオーブンの代用として使ってみることにした。もちろん温度調整なんぞはないので、グリルとして使うということになる。
ハナマサの「角切り牛肉腿」のうちから、大き目のものを残しておいた(普通サイズのは、さらに切ってシチュー行き)ものを、適当に下味(塩胡椒醤油)したものに小麦粉をまぶして、魚焼き器へ。小麦粉をまぶすのは、まぁおまじないみたいなもの。
時間は適当。片面が焼けたなーと思ったところで、1度ひっくり返す。ステーキを作るのと比べて、あんまり手間がかからない。油を敷くこともないから、油煙も上がらない。手軽だ。
適当適当で作ってみたのだが、はっきり言えば「フライパンで作るステーキよりもずっとうまい」のだ。肉を切るとダラダラという感じで肉汁が出て来る。つまりそれだけ肉汁が閉じ込められている。フライパンだと外に出て来るので、それでソースにしたりするのだが、ソースになってしまう分が中に全部入っている。だいたい家ではいい塩梅に熟成した肉を手に入れるのが難しいので、どうしてもイマイチなステーキになり、「ハンバーグの方がおいしい」ということになるのだが、これは安い肉(100g104円だよ)であるのが信じられないくらいうまい。焼けムラもないし、火もちゃんと通っている。
油は使わない(網にこげつき防止でちょっと塗る程度)ので、油は落ちる一方だから油の取り過ぎにもならない。
と言うことでステーキはこうやって作ることにしようと思う。