休日の秋葉は嫌いだ。そもそも秋葉の街が嫌いだ。それもこれも、秋葉がヲタ臭い街だからである。
会社は秋葉にあるが、渋谷から通っていた時は末広町から会社に行けば秋葉の街は通らないで済んだ。今の家は台東の方(蔵前橋通りを蔵前橋方面にちょっと行ったところ)なので、やはり電気街を通らないで済む。そういったわけで、秋葉に用がない限り秋葉に行かなくて済むのだ。
とは言え、こういった仕事であるから全く用がないわけではない。パーツが必要とか本を買う時とか、やはり秋葉が近いのは便利は便利である。しかし、そういったことを思い立つのは休日だったりするので、「休日の秋葉」を通ることになる。休日の秋葉は(以下同文)。
それが嫌なので、なるべく行かないようにしていたのであるが、今日はなぜか「壊れて放置していたヘッドホンを治そう」と思い立ってしまった。最初は廃品の部品で治そうと思っていたのだが、あまり綺麗ではないし、よく考えてみたらパーツ屋はすぐそこだ。ちゃんと部品買って来て治さない手はない。
というわけで、ヲタの波をかき分けて、総武線の下あたりにある店に行く。この辺に来るのは久しぶりである。前の会社の時には電気なお仕事だったので出張の折によく部品買いに来たのであるが、今の会社はあまり電子部品には関わらない仕事なので、この辺の店に来ることはなかったのである。せいぜい、一番下の店でトルクスを買ったくらいか。あの時は本当に「用を足す」という程度であったので、用のない店を見て回ることがなかったため、妙に久しぶり感がある。
今日は時間もあったので、いろいろ比較しながら買うことにした。部品と言っても、ミニプラグなのであるが、最近は半田コテいじりもしていなくて半田コテも手元にないため、半田コテも買うことにしていたので、いろいろ物色の余地がある。そんなわけで、まずはラジオセンターの中に。
1Fはトルクスの時に見ているし、そんなに変わっていなかったのであるが、2Fに上がって驚いた。そこには古いアマチュア無線機があったり、真空管ラジオがあったり、真空管の測定器があったり、真空管回路で使うパーツがあったり。なんと言うかレトロな電子技術の館だったのである。
私が子供の頃、真空管は身近なパーツであった。もちろん世の中は半導体の時代になっていたのであるが、父親が昔そういったものとたわむれていたこともあり、また新品の部品が買えない田舎でもあったこともあって、電子回路と言えば真空管ラジオである。また、私が最初にこのようなものに興味を持ったのは小学校にあった昭和20年代の初歩のラジオであったため、真空管ばかりだったのだ。そのため、真空管モノとなると萌えるのだ。
今時「真空管に萌える」のはオーディオ屋と相場は決まっているのであるが、私は真空管アンプにはそんなに萌えない。むしろラジオや測定器、無線機といったものの方に萌える。そして、ラジオセンターの2Fにはそんなものがいっぱいあったのだ。思わず「これ全部欲しい」とか思ってしまった。
その勢いでラジデパにも行ったのだが、ここもかなり危険だ。幸い時間が遅かった上に土日休みの店が多いために大事に至らなかったのであるが、これであぶく銭でもあったら大変なことになるところであった。