実家に帰るのは車だった。
高速でうまく走れば10時間程度、実際には渋滞で死んだのだけど、それでも14時間くらい。
あちこちにいろいろ連絡事項が書いてあるのだけど、その中に「ETCレーンのバーの開閉タイミング」について書いてあるのがあった。どうもETCレーンでは事故が起きるので、減速を徹底させるべく、タイミングをわざとズラして、あまり速いと開閉のタイミングが合わないような「改良」をしているらしい。
でも、冷静になって考えてみよう。その対応って、
むしろ逆
じゃないか?
ETCの価値は、面倒な料金のハンドリングをしないで、そのまま通過出来るところにある。だから、事故さえ起きなければ、速く通過出来れば速いだけ価値があるはずだ。究極的には料金所ゲートなんて廃止出来ればいい。そうすれば、渋滞の原因となる「本線での減速」がなくなる。
とは言え、システムはそう理想的には作れないから、ゲートを作らなきゃいけないし、機器には反応時間があるから、「減速してゲートを通過」は現実にはしょうがない。現実にはしょうがないけど、目指す方向としては「なるべく本線の流れを悪くしない」ようにするべきだ。実際、料金所付近は渋滞起きやすいわけだし。
車運転する側にしても、それまで80km/h以上の速度に身体が慣れているところに、いきなり20km/hにしろと言われても困ってしまう。その速度変化に感覚がうまくついて行かない。40km/hくらいでも十分減速したような気がしてしまう。まぁそんなことがいろんな事故の元になるわけだけど。
だから、こういったETCレーンでの事故を減らそうと思ったら、むしろ
あまり減速しなくていいシステム
にして行くべきだ。そうすれば事故も減るし、渋滞も減る。
ところが、高速道路側の対応は、
減速を徹底させる
という、どちらかと言えば後向きの対応を提示している。減速で事故が起きるのは、中途半端な減速を急に本線でさせるのが原因であって、減速の必要がなければ事故は起きない(普通の本線と同じ程度の事故確率)はずなのだ。
料金所突破する馬鹿とか、モタモタする人とかいるというのもあるけれど、そういったリスクよりは「減速による事故」のリスクを下げる方向で考えるべきだと思うのだが。
PS.
コメント中の起業ポルノの人も国交省の中の人も同じことを言ってるようだし、JHの人も同じことを考えてるんだろうと思うけど、↑は「それは間違いじゃないけど正しくないんじゃないか」ということを言ってるわけです。
元々、「高速道路」というものは高速移動のためのインフラとして作られたもので、そのために莫大な金をかけて作られている。だから、何か問題が起きて対策を考える時には、その価値を極力下げない対策をするべきなわけです。「事故が多発するから速度を下げる」というのは、「高速道路」の意味をなくさせてしまう対策。だから馬鹿げていると。
だから、料金所職員のための安全確保とか、ETC通過のための確実な処理のため、あるいは課金処理の失敗のための対応というような、料金所付近での問題を解決するために速度を落とすという対策は、「愚策」なわけです。ここでのわずかな出費をケチって、高速道路の価値を下げるのは愚かだろうと。
ETCでの減速要求が、安全確保のためなのか、機器の動作のためなのかってのは、直接的にはどうでもいいことです。ただ、諸々の対策が安易に「速度を落とせばいい」的な方向に行くのは、高速道路にかけた莫大な投資を無駄にすることだと。また、「低速でいる」のは安易ではあるけれど安全だけど、「低速にする」というのは渋滞の元になるだけではなく危険でもあるので、そっち方向の対策はあまり好ましくないだろうということでもあります。
PS2.
案の定、「ETC渋滞」なる状況があるらしい。JHにとってはETCは省力化や安全のためだろうけど、ドライバーの立場としてはETCは
通過時間が短くてすむ
のが一番の存在意義なんだよ。てか、そうでなかったら自腹で買う飛鳥ないし。だから、それをスポイルするような対応はナンセンスだっつーの。
本題とは関係ないですが、
日本のETCは独自仕様で、ゲートでは時速80Kmまで、本線では180Kmまで対応できるそうです。
速度制限は機器の都合ではなく、人間側の都合ではないでしょうか。(安全性とか確実な料金徴収とか?)
あ、そう言えばそれ聞いたことがあるな。始まる前は「こんな速度でも大丈夫」とかアピールしてたような。
だったらなおのこと、減速は要求しなきゃいいのに。ナンバーは控えてあるんだから、突破や未払は対応可能なんだし。
これってよく切れる包丁より切れ味の悪い包丁の方が危ないのと同じですよねー。
ですよねー。
発想として、包丁は切れるから危ない -> 切れない包丁は安全 みたいな。
この場合の事故の原因はETCカードを指し忘れた車などがETCレーンで止まった時への追突事故への防止ではないのでしょうか?
そういう意味では原則は正しい対処だとおもいますが・・・
それなら、「よけて止めろ」を徹底させる方が良いのではないでしょうか?
20km/h程度でも、追突されるとそれなりにダメージありました。中途半端な減速よりも、他の対処をするべきだと思いますが。
>ナンバーは控えてあるんだから、突破や未払は対応可能なんだし
徴収のコストを考えると、それはあんまり現実的じゃないそうです。
なのでユーザーが悪意を持っているという前提でシステムを組まないとコスト的に難しい様ですよ。
「料金所手前のネズミ捕り」
なんてお馬鹿なことをやってくれないかな~。
いっそのこと、そこまで後ろ向きになって笑わせて欲しいです。
> 徴収のコストを考えると
それ、減速のコストが0だという発想ですよね。
確かにブレーキ踏むのはタダだけど、それによって起きることは無駄なコストを発生させてるわけで。そのコストを勘案しないということは、高速道路そのものの否定じゃないですか?
そういったことまでひっくるめて「低コスト」の解決であるとは思いにくいのだけど。渋滞のコストは馬鹿に出来ませんから。
>「料金所手前のネズミ捕り」
>なんてお馬鹿なことをやってくれないかな~。
JHは株式会社で警察とは全く関係ないのですが・・・。
>それ、減速のコストが0だという発想ですよね。
ただ、JHがそういう対応をした場合、損をするのはJHなので。しかも今は株式会社なので、そういう対応は難しいと思います。株主に対する裏切りですから資本主義に反する行いw
やるとすると政治的にやれ!と言うしかないのでは。
ただその場合普通の民間企業にも官に過剰介入させる口実になるので、やはり難しいのではないでしょうか。
結局、受益者と負担者が別々の場合は凄く難しいという事ですが。
あー、失礼。
JHと警察は別でしたかwww
知らなかったです。
優しいなぁ。
あの覆面パトカーは…
> JHがそういう対応をした場合、損をするのはJHなので。
国交省の人がそんな発想してもらっても困るんだが。てーか、「高速道路」という経営資源の価値を活かす側の発想を「損をする」という発想しちゃいけない。
ここで言っているのは、「高速道路」の価値を下げることが馬鹿げているという話だってことがわからない?
実際にゲートではねなれて亡くなられている職員さんがいたり、また2度見ていますが、激しい追突事故も多発しているようです。
事故はゲート空かないので減速停止、後から大型トラックが、ちゅどーん。これって、よけるのじゃなくて、停止せずに突破して下さいっていうアナウンスもされていたと思いますが、減速を徹底するような仕掛けを作るのは、まあ社会的には、正しいアプローチではないでしょうか。
ゲートではねられる職員さんの対策としては、ゲート上に歩道橋をつくって、有人ゲートへの移動ルートを作ったりしてるところもあるらしいですけどね。
ちょっと追記として書いておきますね。元エントリが不足なので。
東名/名神作った頃の仕様では料金所付近を高速で通過する車がいても大丈夫なように、トンネル等で職員が移動できるようになってました。
中央道作る時かなんかに「無駄な投資」だと言う事で仕様からはずしたんだっけな。そしてその頃から職員が跳ねられる事故は増えてたはず。
ETCの導入で激増するまで放置ってのもすごい話。