ニュー速クオリティより。
元ネタのニュースは秋田のことらしいのだけど、途中に宇部の商店街の写真のページが紹介されていて、そのあまりの寂れっぷりが話題になっている。これは宇部の写真なんだけど、実は地方都市なんてたいていそうだ。以前福井市で見た街にそっくりなんだけど、似た風景はどこにでもあるだろう。松江なんてもっと酷い。
こういった画像を見ると、「地方都市って大変なんだな」とか「東京一極集中いくない」的な話になる。まぁその認識が間違っているとは言わないけど、正しいかと言えばそうでもない。と言うのも、この光景は
東京でも同じ
なのだ。
うちから徒歩圏内にある、「おかず横丁」とか「佐竹商店街」とかも、実は大差ない。シャッターは閉まり、地元密着型の商店は閑古鳥が鳴いている。佐竹商店街は「ふくろう」だけどなw 「末広商店街」なんてのもあるのだが長閑なもんだ。この近所は実は商店街は結構多く、そして見事なくらい寂れている。
これらの街は山手線の駅から徒歩で20分以内。どう見ても田舎じゃない。でもそういったことを忘れて歩いていると、「いったいどんだけ田舎なんだ」ということを思う。売ってるものだって、いかにも田舎臭いものばかりで、そこはかと
昭和のかほり
を感じる。つーか、この辺の商店街はみんな「昭和のかほり」を感じる。その「昭和」も40年代とかその辺。
同じ都心の商店街であっても駒込とかそこそこ機能しているし、東横線沿線の駅近くの商店街とか結構なにぎわいを感じる。まぁそれでも「昭和のかほり」は似たようなものなんだけど。
と言うようなことを考えたら、件の「宇部」というのは別に宇部に限った話ではなくて、その都市の生活者の人口構成がちょっと変化してしまうと、あっと言う間にこういったことになってしまうのである。スーパーやデパートであれば、その辺の生活者の人口構成等が変化してしまっても、本来の意味でのリストラをすれば追従可能だ。ところが、「商店街」となると個々の商店は独立しているから、そういったリストラが出来ない。となると、時代の流れに追従しきれなくなってどんどん寂れることになってしまう。昼間人口はむしろ増えるくらいの土地であっても(この近所はそうだ)、生活者の人口やその構成が変化してしまって、その需要にうまく合わない。
という目でうちの近所の商店街を見ると、はっきり言って使えないものばかりだ。
まず営業時間が酷い。細かく言えばいろいろなのだけど、ごく大雑把に言えば「日中」しかやっていない。夜は20時にはゴーストタウン化してしまう。だから、その辺に住んでいる人が仕事して帰って買物をしようかと言う時間には、もう開いているお店はない。最近のこの辺にはマンションも結構あって、夜間人口つか生活者人口はそこそこあるのだが、地元商店街で買物をする人なぞない。だって開いてないんだもの。
扱い品目とか店舗の構造とか、細々挙げて行けばキリがない。一言で言えば、
現代の生活にマッチしていない
ということになる。そんだけニーズからズレているのだ。
だから、よく寂れた田舎の典型例として「シャッター商店街」が出ているのだけど、実はそれはイメージに過ぎない。確かに寂れているのは確かなんだけど、それは別に田舎だからということとはあまり関係ない。その都市に住む生活者の生活が変化してしまった結果ということも小さくないのだ。だから、そういった商店街だけ見てしまうと、都市の変化を過大に評価してしまいがちだ。その辺は割り引いて見る必要がある。
PS.
ブコメに「生きてる商店街なら」という話があった。確かに生きている商店街なら、自然に新陳代謝が行われて寂れては行かない。つまりどこかで死んじゃうんだろうなぁ…
私は西新宿の街写真を撮り続けてたりもするのだけど、都庁近くの「けやき橋商店街」あたりも結構つらいことになってますよ。
あのあたりは都庁職員の昼飯時の行動半径にも引っかかってるはずなんだけど、彼らはどういう風に感じてるんだろう。
更地にして再開発しなきゃ、かな。
あー確かに > けやき橋
間違っても「田舎」じゃないはずなんだけどなぁ。
中小企業保護が行き過ぎて、時代に合わなくて開店休業状態の店舗でも生き残れてしまい店の入れ替えが進まないので、商店街ならどこでも似たような状況になりやすいです。
名古屋の大須商店街はまだ活気がありますが、それは大地主の寺院が積極的に賃料を下げて若い人に店を貸しているからで、普通の商店街では難しいようですね。
これ、ひょっとして庵野が「カレカノ」のエンディングに使ってた町かな。その映像(アーケードの上からだけど)でもダメダメだったけど、今もこのくらい残ってるんだ。
横から見てるとけしてサプライサイドの問題だけじゃないとおもうんだけどどうだろう?
近所の人も不便だと思うんだけどね。インタビューに答える言い草が他人事なんだよね。口開けば「ないものねだり」(うちのとなりが浦安鼠園だといいと思うの、とか)だし。
商店で自分の「便利さ」の代償を払う気のある人だって少ないし、おごちゃんみたいに「これが欲しい」とか真っ当な事をちゃんと言えるユーザーはもっと少ないと思う。
宇部の懐かしい町並みの写真にうれしくなってしまいました。どこも学生時代(20年近く前?)のまま。
寂れてる、って評ですけど、あそこは時間帯によっては結構人通りもあってにぎやかなんですよ。
なんと言っても、学生が多い。医学部、工学部、そしてたくさんの高校。県内で山口市に次いで学生が多い町ではないかな・・・。
都会の人たちから見れば、寂しい町かもしれないな。でも、地方都市としては、そんなこともないと思うんですよ・・・。地元びいきというわけではなくて。
なーに。松江はもっと田舎でしたよ。つーか、松江はもっと寂れているので、こういった写真にすらなりませんね。
亜都会的なもの、ぱちんこ屋とかチェーン居酒屋とか、コンビニとかが増えるよりは「田舎」であるほうがなにぶんましなのかなぁと思うのは都会人の幻想的発想なんでしょうね。最近すこし若返ってる中央沿線の駅に住んでいるのですが、そんな店ばかりになりつつあってちょっとなぁと思う毎日です。あと、新築の家も土地が半分になってあんまり生活感のない家が建っていくのも。どうしてあんなセンスの家にかなりの大金を使って住みたいのかがわからない今日この頃です。
> 「田舎」であるほうがなにぶんまし
みんな東京の便利さを求めるんですよ。いろんなことに「東京並」を求める。
どっちにも行ける身にしてみれば、「それぞれの良さ」があることを思うのですが、その土地から離れられない人にとっては、その土地が便利になってくれないと困る。