倖田來未とかまつもとゆきひろとか北畑隆生とか

最近舌禍筆禍がよく祭りになる。

「羊水が腐る」とか「PHPは云々」とか「デイトレーダは馬鹿」とか。

冷静に読んだり聞いたりすれば、どれもノリだったり実はマトモだったりするんだが、祭りになってしまう。

「羊水が腐る」なんてのは、それだけ取り出せば酷い話だけど、「おめー、脳味噌腐ってんじゃね?」みたいなのと大差ない文脈の話だ。とりたてて問題視するべき発言じゃない。どうせ深夜ラジオなんだから、そういった「ノリ」に目くじら立てるもんじゃないと思う。これが昼間の番組だったりすりゃダメだろうけど。

「PHP云々」についての内容については、「まぁそうだよね」と思う。あまりお近付きになりたくないとは思うけれど、そんなのはしょせん「好み」の問題に過ぎない。Matzは普通に本人の好みとして言っただけだろう。

「デイトレーダは馬鹿」というのは、上場会社の経営者ならたいてい腹の底で思っていることだろう。また、経済政策をする立場からすると、そういった株価変動を過剰に煽る人種がいっぱいいるというのは困ったことだろう。「ニートでデイトレ」なんて奴は、働けよとか思う。

つまり、まぁどの発言も

極端におかしいことは言ってない

わけだ。問題視する奴等は、「何をネタにマジレスしてんだよ」とか思う。

とは言え、じゃあこういった発言をするのが良いことかと言えばそうじゃない。何がいけないかと言えば、

自分がどこに立っているか

を忘れてしまっているということ。

倖田來未はどんな時であれ、自分の商売を支えてくれる人達のことを意識して発言しなきゃいけなかっただろう(あれくらいの歳の主婦はファンの中でもかなりの勢力のはず)。

Matzはどんな文脈であれ、自分の作品の利用者のことを意識して発言しなきゃいけなかっただろう(仕事でPHPを使っている人の何割かはRubyを使っているか使いたいと思っているはず)。

北畑隆生はどんな時であれ、自分が経済政策を立てる側の人間だということを意識して発言しなきゃいけなかっただろう(グリーンメーラやらデイトレーダがいてこそ健全な株式市場が形成される)。

つまり、これらの「問題発言」というのは、発言の内容そのものが問題なのではなくて、「誰の(どんな立場の人の)発言か」という点で非難されているわけだ。それを考えれば、どの発言も

お前が言うな

という点で非難されておかしくない。

まぁどれの発言もそれなりに正しかったり面白かったりするわけだから、「誰の」という部分が消えてしまう「匿名」ってのは便利だよねとは思う。実は「お前が言うな」な人達は、他の人達よりもいろんな事情がよくわかっていたりするわけだし。

というのはまぁいいとして、「顕名」で発言する時には、自分の立場というものを忘れた発言というのは非難されがちだということは学習すべき。いくら「正しいこと」であっても、言っていい人とそうでない人がいるし、「人前」だったら言葉は一人歩きしやすい。非難してる人達は馬鹿だなーとは思うけど、非難される人はもうちょっと自分というものが世間でどんなところに立っていると思われているかを意識すべし。