子供の世界はどうやら夏休みらしい。私のように出張の多い者にとっては嫌な季節である。なぜなら、夏休みとなると、乗り物の中の
ガキの比率
が上がるからである。私はタバコを吸わないので、飛行機でも電車でも禁煙席に乗るのであるが、そこは子供が多いのである。
私はこの乗り物の中の子供が大嫌いである。仕事で疲れているところに、ギャーギャー騒ぐのは、一種の
暴力
である。「禁煙は禁煙であって禁酒じゃない」とゆー解釈で、酔っぱらいがいるのも閉口するが、酔っぱらいは見た目程は迷惑な存在ではないので、やはり困るのは、この「騒ぐガキ」である。
親の顔が見たいわい!
と思っても、親はよそを向いている。なかなかシクシクである。
しかし、今日はこういった話とはちょっと違う。ま、
うるさいガキ
には違いはないのであるが…
今回の主題はもっと小さな子供の話である。
夏になると、いろいろな事情から、この辺の子も電車や飛行機に増えて来る。そしてこれくらいの子は気圧の変化なのか、振動からなのか、何かに我慢が出来なくて泣くのである。苦痛で泣き叫ぶから、とにかくうるさい。またそうかと言って、
外で泣け!
と言う訳にも行かないので、結局我慢をしなくてはならない。と同時に、苦痛で泣くのだから、かわいそうである。
静かにしろ!
と怒鳴っても解決する問題ではないし、それが理解出来るわけでもないし、よしんば理解出来たにしても、苦痛に耐えさせるのはかわいそうだ。
思うに、これくらいの子を旅行させるのが無理なのだ。確かにどこかに行けば子供は喜ぶかも知れないが、それは何も飛行機や電車で行くようなところである必要はない。
これくらいの子なら、どこでも楽しい
のである。また、郷里のジジババに孫の顔見せるというのもあるのだろうが、そんなことで子供を苦痛にあわせるのは、かわいそうである。むしろ、
ジジババだって旅行がしたい
のであるから、むしろ向こうに旅行をさせれば良いだろう。旅行をさせるのは、もう少し大きくなってからにした方がいい。その方が本人も楽だし、親も楽である。なぁに、あと数年の辛抱である。