唐揚げ

鶏腿を買って来る。たいていはスープに入れてしまうのだが、たまにはいいだろと思って揚げてみた。

まず皮の方を洗う。どうも最近の鶏がそうなのか、ハナマサの鶏がそうなのか知らないが、皮があまり綺麗でない。そのまま食うには抵抗があるので、水で洗う。ツメとかタワシとかで擦り洗いをするのがいい。これをやると水っぽくなるとか、特に理由なく肉を洗うのに抵抗のある人もいると思うが、別にどうってことはないので気にしないで洗う。汚いままの方がずっと精神衛生上良くない。

適当な大きさにブツ切りに。あまり小さくすると皮が縮んだり剥れたりで嫌な感じになるし、あまり大きいと揚げにくい。色々やってみた結果、「一口には少し大きい」くらいに切るのが良いように思う。どうせ一口大にしても一口では食えないし。

切ったらボールに入れて塩をかける。これにさらに醤油もかけるので、塩はあまりいっぱいかけることもないが、醤油で塩気にしすぎると、どうも醤油っぽい味になってしまうので、少し塩を入れた方が私の好みだ。醤油も適当に。腿1つにつき、塩小匙1に醤油小匙2くらいかな。好みで胡椒やスパイス類を入れても良いが、あまりスパイス類で頑張るのもどうかと思うので、程々に。私は乾燥ニンニクスライスを入れる。これを手でグチャグチャかきまぜる。

これをしばらく放置して、味をなじませる。水気は意外に出ないもんだ。水気が出ているようなら、小麦粉を入れる前に捨てる。

しばらく放置(鍋の湯がわくくらいの時間か)したら、これに小麦粉を振り入れる。入れながらまぶすようにするといい。この量も適当だが、あまり少ないとよけいにはがれやすいので、全体に行きわたった感じくらいにする。大匙2〜3くらいかなぁ。これも手でグチャグチャかき混ぜて、しばらく放置。放置するのは粉をなじませるためである。

中華鍋に油を入れて熱する。揚げものは油を大量に使うものであるが、後の使い道やら処理を考えると、そう大量には使えない。かと言ってあまりに少ないと焼いてるのと変わらないし、そうなると運が悪いと鍋にくっついたりする。そこで中間を取って、揚げるものが1/3〜1/2くらい漬かるくらいの量の油にする。これならひっくり返せばいいだけだ。鍋にくっつくこともない。

油に何を使うかも問題であるが、私は適当に胡麻油とヒマワリ油を混ぜたものにしている。胡麻油は腰が強い油なので、酸化に強く揚げ油に向いている。とは言え、一度胡麻油100%でやってみたのだが、胡麻油はクセも強いので、どうも私の苦手な重い揚げものになってしまった。東京の天麩羅は胡麻油を使っているものが良いとされているのだが、実は私はこれが苦手なのだ。どうも胡麻油の風味が強過ぎてダメだ。そんなこともあって、揚げものの時は他の油で「割る」ことにしている。東京の人にとってはその必要はないのかも知れない。胡麻油も種類はいろいろだから、軽めの油ならまた違うだろう。

揚げる時間は適当だが、箸を刺してみて「サクッ」という感じで通るようになったところがちょうどいいはずである。「グサッ」という感じだとまだ早い。まぁレアっぽいのが好みの人にはそれも悪くはないだろう。

鶏肉はどうやっても厚さがあるので、なかなか完全には火が通らない。そこで、鍋に蓋をしてやるというのも手だ。しかし、これは実は良し悪しで、蓋をすると水分がうまう飛んでくれない。そのため、油に水気が落ちることになって鍋が無用ににぎやかになってしまうし、カラっとした感じにならない。途中で蓋をしても、適当な時に蓋を取ってしまった方がいいだろう。

これで基本レシピは終わり。この他に工夫として、

  • 小麦粉ではなくて砕いたクラッカーを使う。食感がバリバリしておいしい
  • 下味にもっと醤油を使い小麦粉も多めに入れる。衣の厚いのが好みの人にはこれもいい
  • 下味に生姜の汁を加えてみる。竜田揚げのようなもんだ
  • 肉を他のものにしてみる
  • 小麦粉を使わない

などなど、いろいろ変えてみると面白い。小麦粉を使わないのは、これはこれでまたおいしい。この時はもう少し大き目に切るのが良いように思う。