第130回 [2006年10月7日] 【奥武蔵/丸山(960.3m)】
−Photo & Report by H.Tanuma−

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コ−ス=西武秩父線「芦ヶ久保」駅[9:33/9:45]〜赤谷登山口[10:05]〜
〜徒渉点[10:40/11:00]〜P1[11:25/11:35]〜大野峠[12:20/12:40]〜
〜丸山[13:10/13:40]〜P2[15:05/15:15]〜武甲温泉[16:10/17:15]〜
〜(タクシー)〜西武秩父線「西武秩父」駅[17:20/19:25]

前夜は大変な嵐で、常磐線や武蔵野線などが軒並みストップする混乱ぶり。仕事が終わって会社から駅に向かうにもかなり決心がいるほどの風雨が吹き荒れ、当然翌日の山行きも危ぶまれる状態でしたが、天気予報によれば朝方雨が残るものの昼間は晴れるとのこと。せっかくなので行ってみることにしました。メンバーは、天気予報がなかなか信用できない田幡さん、小林さんと、きっと晴れるに違いないと確信していた小生の3名。当初の予定では「蕨山」にするつもりでしたが、晴れるのであればもっと眺めが利く山がいいと思い、当日朝、所沢でコーヒーを飲みながら思案。蕨山だって眺めは良い方ですが、主に南側しか見えないのがやや難点。他に西武秩父線沿線の山として武甲山、伊豆ヶ岳、関八州見晴台などが頭に浮かびましたが、決めたのは北面以外はぐるっと見渡せるはずの奥武蔵展望随一「丸山」。うまくいけば上越国境の山まで見えるかも。果樹公園経由は既に第77回第87回でトレース済みなので、今回は第68回>に引き続き大野峠経由で武甲温泉に下るルートを行ってみることにしました。実は、これが予想外の展開を生みました。

芦ヶ久保駅に降り立ち、国道299号線を東へ20分ほど進むと道標があり、最初しばらく舗装道路でやがて山道。振り返ると遠くに両神山がくっきり。いいぞー。新しい踏み跡をみて先行者がいるなと思いながら進むと、果たして10人程のパーティが下ってきて「橋が流されていて我々の靴では進めない」と言い残してすれ違いました。ふーん、でもとりあえず行ってみよう、とさらに登ると、沢の水がどうどうと溢れ流れ道が冠水しているところに出ました。早朝までの大雨のせいでしょう。たぶん普段はひたひた程度に水が流れているようなところで、橋が架かっていたわけでは無さそう。深さは20〜30cm程度あり、これでは誰の靴でも無理です。これを避けて左手の樹林帯を登る手もありそうでしたが、大した深さではないので靴を脱いで渡ることにしました。結構冷たいが痺れるほどではありません。田幡さん、小林さんは不安そ うでしたが渡ってみると思いの外簡単(^^;)で、足を拭き靴を履きながら一安心。まさか奥武蔵で徒渉を経験するとは思っていませんでした。ところがこのすぐ先にも冠水しているところがあり(T_T)、それではということで、沢沿いを避け右手の道無き尾根を辿ることとしました。お二人には悪いけどワクワクしてきます。

しばらく植林帯を進むと、仕事道のようなけものみちのような微かな踏み跡があり、これを追ってカバ岳方面へ。突然、目の前を一閃、鹿が出現。こちらもさることながら、鹿の方もこんなところで人に会うとは思っていなかったのでしょう、慌てて斜面を駆け上っていきました。羨ましいほどの健脚。こちらもほっとして、鹿が向かったコースを更に進みます。辺りは雑木林でなかなかいい雰囲気。そのまま直上すると大野峠からどんどん離れてしまうため、適当なところで左へトラバース。巧い具合に大野峠まであと500mほどの鞍部に出て、そこが縦走路でした。直ぐ脇の車道を進み大野峠に到着。あずまやで昼食をとった後、再び山道へ。木製の階段を急登すると東から南側の見晴らしの良いところに出て、筑波山や東京の高層ビルがはっきりと視認出来ます。ここから丸山までは上がったり下がったりの緩やかな道で、最後にひと登りで展望台の建つ山頂に到着。山の上にコンクリート建築物は無粋と言えますが、これが 無いと全く展望が利かないため許しましょう。展望台からは概ね期待通りの眺めが得られましたが、天気の回復が遅れているせいか、奥秩父の甲武信岳や、上越国境の谷川岳などは雲の中。それでもここを選択しただけの成果はありました。

コーヒーを頂いた後は、温泉を目指して下降するだけ。地図を見ながら防火帯を下っていると、突然後ろの二人が「ア〜〜!」と声を上げ、ふと目を上げるとリスがあたふたと道を横切っていくところ。これぞ僥倖、リスに出会うのは鹿よりも遙かに希です。陽が傾きかけ、強風が吹いているせいで山全体がざわめいている中をさらにひたすら下り、いい加減飽きてきたころ漸く国道。これを更に西へ進み小学校の手前を分け入った先が武甲温泉(3時間800円、1時間でもいいから安くして欲しい)。今日は結構空いています。風呂上がりに休憩室で生ビール(600円)をグビッとあおった後、タクシーで西武秩父駅へ(1,460円)。さてどこの店に入ろうかと駅前をうろうろしていると、たまたま店から出てきたオヤジ(店主)と目が合い、勧められるままにその店へ引き込まれました。店の名前も「駅前」という、なんともそのままでシンプル。ところがこのオヤジ、タダモノではない。「うちは天然ものしか出さない」と豪語するとおり、出される料理は揃ってなかなか珍味でしかも美味。なかでもせせり(鶏の首肉)と、オクラの花(こんなの聞いたこと無い!)はかなりイケます。他にもきのこ汁やイッポンシメジのバター焼、鹿刺(さっき出会った鹿を思い出します・・・^^;) 等々、どれも美味しく頂きました。この店は要チェックです。

本日の実働時間:4時間55分
本日の累積登高差:856m
本日の踏破距離:13.7km

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写真左から【01】芦ヶ久保駅到着。目論見通りの天気になりました。
【02】田幡式準備運動。
【03】国道沿いのコスモス。
【04】ここが登山口。
【05】振り返ると遠くに両神山が見えます。
【06】道が沢の水で冠水してました。でもなんとかなりそう。
【07】淑女二人が靴を脱いで徒渉にトライ。

【08】ほっとして靴を履くところ。小林さんのナマ足初公開。
【09】ここから道無き尾根に突入。
【10】静かな尾根歩きのようですが、山は風でザワザワ鳴っています。
【11】斜面を恐々トラバース中。
【12】こんなとこ連れてこないでー!と言いたげ。
【13】稜線に出てホッとする二人。
【14】大野峠からは階段の急登。

【15】のぼりきったところは眺め良し。こちらは関東平野。
【16】こちらは東京方面。
【17】田幡さんのストックには、なんとライトが付いています。
【18】丸山展望台到着。
【19】真正面に武甲山。
【20】西上州方面。
【21】展望台での記念撮影。

【22】武甲山バックにちょっとポーズ。
【23】日溜まりでコーヒー。
【24】さて後は下るだけ。
【25】防火帯から見る両神山と二子山。
【26】こちらは直ぐ目の前の双子山。
【27】果樹公園を通過中。
【28】武甲温泉で風呂上がり。グビっといっちゃいます。

【29】小生もいっちゃいます。
【30】ここから「駅前」での料理。これが「せせり」。旨い。
【31】キノコ汁もなかなか。
【32】これが「花おくら」です!珍味!
【33】ポン酢醤油で頂きます。ちょっとトロっとしています。
【34】これは「イッポンシメジ」のバター焼。
【35】メロン酒(メロン+ヘネシー)。小林さん、絶賛!

【36】鹿刺しもなかなか無いですよね。
【37】もちろん、これも頂きます。
【38】普通の御新香ですが、これも旨い!
【39】「駅前」のお品書き。お越しの節はご予約を。

≪おッ! 今回は両手に花! まったくウラヤマシィ−かぎりでッ!=光頭老≫

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