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■４がつ■
−母からの返事−
貴女は難しいことを考えているのか、馬鹿げたことを考えているのか判断できない。動くときは考え尽くされた結果が動作にでているのですか。そうだとしたら、少しは余裕のある生活が送れると思うのですが……。
「わたしが休めるところはここしかないんです、家にいると死にたくなるんです」 「死にたいという気持ちがあっても絶対に行動にうつしたら駄目なんだよ、しんどいだろうけど。今から入院する？」「拘束が怖い、もう少し頑張ってみます」 「本当に、頑張れるんだね」 「うん、でも、夜に死にたくなったらどうしたらいいですか？」 「そんなときは救急車でここに逃げてきなさい」
花を見るのも、散歩をするのも、買い物をするのも、シャワーを浴びるのも、食事をするのも、本を読むのも、ネットをするのも、テレビを観るのも、夢遊病者のようにわたしは動いている。虚ろに文字を眺めている。他のことが考えられない、受話器を握りしめたまま。
「でも、そんなに好きな人がいて、楽しかったこともあったでしょ？」 という言葉で救われた。まるで保母さんと幼稚園児のような会話だ。この可愛い女医とは今日でお別れだ。さようなら。
あなたのことなんて、これっぽっちも好きではなかったのです。むしろ大嫌いだったのかもしれません。2年も騙してごめんなさい。誰だってよかったのです、わたしが寂しいとき、死にたくなったとき、激怒してヒステリックになっているときに、「あいつが悪いんだよ、君はちっとも悪くないんだよ」と云ってくれればよかったのです。うん、わたしには必ず天罰が当たるでしょう。
でも、でも言い訳をさせてください。あなたはわたしを狂わすほどキチガイにはなってくれなかった。傍観するのは好きだったみたいだけどね。そんなのは嫌なの、わたしと一緒に頭がおかしくなってくれなくっちゃ。生活というものがあるから無理ですか、うん、最初からわかっていました。あなたにはできないことが。
あなたに「死ね」と云われて嬉しかったです。もっと汚してくれたらよかったのに。もっともっと、唾を吐きかけて、お前のことを考えると反吐がでるよと吐いてくれればよかったのに。
ごめんなさい、ごめんなさい、お歳暮を送ります。
かれこれ2年近くその女を見続けている。1度チャットをしただけで今はコッソリとページを覗いている。「失敗しろよ、たまにはカッコ悪くなれよ」と意地汚く心から願って毎日ページを見るのだけどいつも見事に負けて、降参している。わたしのページなんて教えられない。「中途半端な馬鹿ねえ」と鼻で笑われるのが解っているからだ。
見事な負けということがあるものだ。
太宰が自殺をして、彼のことを敬服していたスポーツ万能の男が「自分は体力があるから馬鹿なんだ」と思い込んで後追い自殺をしたのすが、太宰のせいでもなんでもなくて、ある意味馬鹿で幸せな人なんじゃないでしょうかねえ。三島は文学者の自殺は認めず太宰を嫌っていましたが、武士の自殺というものは認めるそうです。ふぅん。
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入院中に聞いた診察室での医師と患者の会話です。 こんなことで何年も檻に入れられるのかい。
檻の中でダンスは踊れない