小学生の疑問にお答えします。
回答者:大森 孟
(Q1)質問です。
東京都や埼玉県には森林はありますか。
(A1)お答えします。
東京都も埼玉県も森林の面積は都や県の面積の3分の1強が森林です。東京都
も埼玉県も西部の地域が山岳地帯になっており、その地域に森林が多くなってい
ます。
日本全体では、国土の面積の67%(約3分の2)森林です。このことから考え
ると、東京都も埼玉県も森林の多い方ではありません。
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(Q2)質問です。
森林にはどんな野生動物が棲(す)んでいるのですか。
(A2)お答えします。
全部をお教えすることは無理なので、皆さんの目につきやすい動物をお教えし
ましょう。
ツキノワグマ、イノシシ、ニホンカモシカ、ニホンジカ、ニホンザル、ノウサ
ギ、タヌキ、キツネ、ニホンリス、ムササビ、テン、オゴジョ、イタチなどがい
ます。北海道にはヒグマがいます。
野鳥、昆虫、は虫類、魚類などは、ここでは除いておくことにしましょう。
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(Q3)質問です。
森林で気をつけなければいけない生き物はなんですか。
(A3)お答えします。
クマ、イノシシ、サルなども気をつけなければいけませんが、ここでは別な生
き物をお教えしましょう。
動物では、は虫類のマムシとヤマカガシという蛇です。ともに毒蛇ですが、ヤ
マカガシの毒が恐ろしいようです。しかし、かまれやすいのはマムシです。かま
れたら、できるだけはやく、病院へ行くことが大切です。
沖縄県にはハブ、ヒメハブ、サキシマハブ、トカラハブなどの毒蛇がいます。
野山では、これらの毒蛇に注意しましょう。特に、草むらへ不注意に入らぬよ
うにして下さい。しっかりした棒で、草むらを叩き、叩いたところへはいるよう
にしましょう。
毒蛇ではありませんが、昔から、用便をするときには、ジムグリという蛇に、
おしりへ入られぬようきをつけろ、といわれています。入られた人がいるのかど
うか分かりませんが、気をつけて下さい。
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(Q4)質問です。
森林で気をつけなければいけない生き物はなんですか。
(A4)お答えします。
死ぬようなことはありませんが、ムカデ、ドクガ、チャドクガといったものの
毒もやっかいですから、これらの生き物にも注意が必要です。その他の毛虫も毛
に触れると、しばらくは痛がゆいので気をつける必要があります。
また、蜂も強敵です。特に、スズメバチの仲間には注意が必要です。この仲間
には、オオスズメバチ、スズメバチ、キイロスズメバチ、クロスズメバチがおり
ます。
アシナガバチの仲間も注意が必要ですが、スズメバチほど攻撃的ではありませ
ん。従って、何もしないものを刺すようなことはありません。クマバチなどは形
は大きいのですが、おとなしいので、あまり心配は要りません。ミツバチも同様
です。
スズメバチの仲間に刺されたら、すぐ病院へ行き手当を受けて下さい。ショッ
ク死することがあります。
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(Q5)質問です。
森林で気をつけなければいけない草木はありますか。
(A5)お答えします。
森の中には、さわるとかぶれるもの、とげのあるもの、毒のあるもの、など危
険な草木もあります。かぶれる草木には、ウルシ、ハゼ、ヌルデ、ノウルシなど、
とげのある草木には、イチゴの仲間、サンショウ、カラスザンショウ、ハリギリ、
ウコギ、タラノキなど、毒のある草木としては、ドクウツギ、コバイケイソウ、
トリカブト、フクジュソウ、シキミ、ドクゼリ、ヒガンバナ、イラクサ、クサノ
オウ、オトギリソウ、アセビ、イチイ、エゴノキなどを上げることことが出来ま
す。
特に、ここに上げた毒草はその毒が強いので注意が必要です。
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(Q6)質問です。
森林では草木の花はどのような季節に咲くのでしょうか。
(A6)お答えします。
植物のたくさんある森林では、一年の内、10ヶ月以上様々な花を見ることが
出来ます。春の早い時期から、冬の半ば過ぎまで、花は咲いているようです。
春早い時期に咲く花にはフクジュソウ、キブシ、クスノキの仲間(アブラチャ
ン、シロダモ、クロモジなど)、キケマン、ネコノメソウ、オオイヌノフグリ、
ヒメオドリコソウ、ホトケノザ、ネコヤナギ、カタクリなどを上げることが出来
ます。
冬遅い時期まで咲いている花は、コウヤボウキ、野菊の類、アザミの類などで
す。なんと言っても花の多い時期は、やはり春から夏にかけてではないかと思い
ます。
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(Q7)質問です。
土の中も生き物の世界だと言いますが、どのような生き物が居るのでしょうか。
(A7)お答えします。
土の中の動物には、モグラ、ヒミズ、ネズミなどの動物のほかに、線虫、ダニ、
トビムシ、コムカデ、ミミズ、ワラジムシ、ゴキブリ、シロアリ、ヤスデ、ケラ
クモ類などの動物も生息しています。
そのほかに、微生物が生息しており、それらの生物が、様々な役割を果たして
います。微生物は、細菌、糸状菌、原生動物、藻類、ウィルスです。
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(Q8)質問です。
土の中には、どのぐらいの数の生き物がいるのでしょうか。
(A8)お答えします。
人により、表現の仕方も唱える数もまちまちですが、1gの土壌中に地球の人
口(60億人)に匹敵するほどの微生物がいるといわれています。
志賀高原のオオシラビソ(アオモリトドマツ)の森で調査をした学者によると
土壌動物は1立法メ−トルの落葉層に線虫が64万、ダニが5万、トビムシが5
万、コムカデが180、ミミズ3という頭数が生息しているということです。
これでは、調べようがありませんね。
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(Q9)質問です。
沢の中には、どのような生き物がいるのでしょうか。
(A9)お答えします。
沢の大きさ、特に流れの量、上流か下流かなどによって違うでしょうが、カゲ
ロウ、カワゲラ、トビゲラ、ブユ、ナガレトビゲラ、トンボ、ヘビトンボ、ホタ
ル、ゲンゴロウあるいは大型のトビゲラなどが生息しています。サワガニもいる
でしょう。カジカガエルなどの居るところもあるでしょう。
場所によってはサンショウウオの居るところもありますし、イワナ、ヤマメ、
ウグイ、ホトケドジョウ、ヨシノボリ、カジカなどが生息しているでしょう。ア
ユやウナギのいるところもあるかもしれません。
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(Q10)質問です。
八国山(狭山丘陵の東のすみにある小さな丘)では、人があまりいかない所で
きのこ> をたくさん見つけました。あまり人気のないかんきょうで育つきのこが
多いのはなぜですか。
(A10)お答えします。
きのこはむずかしいことばで「子実体」(しじつたい)といいます。これは草
木の花にあたります。そうして、きのこの体は土の中や積もった葉や枝の中など
にあり、普段は目に見えません。
このきのこからは、これまた顕微鏡でなければ見えない胞子(ほうし)があた
りへ飛び散ります。この胞子が草木の種にあたります。このきのこが発生するた
めには条件が必要です。水分、温度、栄養、酸素です。人が歩くところは、踏み
固められ、草木もなければ、枯れ木や落ち葉もありません。
水分が足りない、栄養分がない、酸素が足りないということになります。だか
ら、きのこは出てこないのです。たとえばそこにきのこの菌がいたとしても、条
件が悪いので、お休みしているのです。
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