コレジャナイ感満載の「牛かつ 壱弐参」

わりと今さら感があるのだけど、行ってみた。

牛かつ 壱弐参

一時は凄い人だったらしいのだけど、時間帯のせいか(14時頃に行った)、人出が落ちついたのか知らないけど、すぐ入れてすぐ座れた。てか、ガラガラだった。

味はたいそうおいしい、価格も物のわりには高くないし、店も小綺麗。とは言え、どうも「コレジャナイ」感があるのだ。

どんなものであるかは、上の食べログの評価でも見てもらうと良い。評判になるくらいおいしいのは間違いない。個人的には、あんなにレアである必要があるのかと思うのだけど、これはこれで悪くはない。

味噌汁付きで1,200円なのだけど、まぁ、「牛かつ」ということとか、肉の質とか考えると、高いとは思わない。どうせまぁ、毎日食うようなものではないので、1,000円切る必要性なんかないだろう。飯をとろろにすると1,300円。とは言え、定食の御飯をとろろにして嬉しいとはあまり思わない(嫌いじゃないけど)。なんか邪魔な気がするんで。まぁ、その辺は好みだろうけど。

店は綺麗だ。秋葉の食べ物屋は最近出来たビルの中のムダにおしゃれな感じ(そしてコストパフォーマンスが悪い)か、元々ある「町の食堂」みたいなのか、さもなくばファーストフード的か、そういった感じのに大別される気がするのだけど、ここは「町の食堂」的な立地(元のマジコン屋)なのに、ビル内の店みたいに小綺麗。

カツの衣も香ばしく、一口目で「お?」と思ったくらいだ。ワサビを載せて食えと言うワサビも良いし、タレも良い。まぁ、醤油で十分なんだけど。御飯は食べログで「堅い」という声があったのだけど、べちゃべちゃしてない、駅弁の御飯に近い水分。確かに柔らかくないけど、個人的には好きだ。

そういった意味では何の文句もない。良い店だと思う。「通信簿」的な評価をすると、4とか5ばかり並ぶ「優等生」だ。そりゃ「最高の味か」と聞かれれば、「いや、そうではない」とか言っちゃうだろうけど、値段とか場所を考えれば、文句言ったらダメだ。女の子連れて行っても、恥ずかしい店じゃない。まぁ、デートには無理だけど。

とは言え、なんか「コレジャナイ」感じがするのだ。その「コレジャナイ」感がいったいどこから出て来るのか、ずっと考えていたのだけど、よくわからない。もしかしたら、「牛かつ」ということそれ自体が、原因なのかも知れない。

ここの店の「牛かつ」は、かなりのレアだし、それが売りだ。「レア」もブルーレアという感じ。感覚的には、

衣以外は生

と言ってもいい。別の言い方をすれば、「衣に包まれた、牛の刺身」という感じですらある。タタキですらない。

牛肉だから、それでもちゃんと食えるし、逆にトンカツのようにしっかり火を通したら、おいしくない。いかにサシの入った肉であっても、パサパサになってしまう。ステーキのウェルダンはそんなにおいしい気がしない。それよりは、生の方がいい。

とは言え、ここのは全く火が通っていない。ほとんど生なのだ。それゆえ、「醤油とワサビ」をつけて食べるとたいそうおいしい。そういった意味では、「おいしい」のだ。

でも、これが「かつ」だと思うと、なんか違う気がする。もう少し火が通ってくれないと、もっと具体的には「レアステーキ」くらいは火が通ってないと、「かつ」としてのおいしさが引き出されない。肉の味が活性化されないのだ。

なので、ここの「牛かつ」は刺身を食ってる感じはしても、

牛肉食った

という満足感には遠い。そういったことが「おいしいけどコレジャナイ」って感じになるのではないかなぁ。実際よくわからないんだけど。