もうすぐ「はやぶさ」が戻って来る。めでたい。
どれだけ凄いんだって話はそこらじゅうにあるので、一々書かない。ただ、それにちょっとひっかかることがある。とか書くと叩かれそうなんだけど。
何がひっかかるかと言えば、「はやぶさ」ミッションの後半部分って、
ブラック企業で頑張ってる
に似たものを感じるからだ。
「はやぶさ」の「偉業」にとやかく言うつもりはない。こーゆーのが嬉しくなるのは、「日本人」だからなのか、「技術者」だからなのか。それもどーでもいい。ミッションが成功することは良いことだ。
でも、ニコ動あたりの「マンセー動画」を見ていると、どうもひっかかる。そのあたりのを見ると、結局のところ
結果
しか見てないということ。膨大な「運」とか「偶然」とか「無茶に近い努力」と、「技術的な凄さ」とをごっちゃにして、とにかく「結果」だけで凄い凄いと言ってるよう見えて来るのだ。つまり、
今「マンセー」してる奴等の何割かは、
途中で失敗してたら「ざまぁwww」と言ってた奴等と同類
なのだ。
件のミッションは膨大な「運」とか「偶然」とか「無茶」に支えられた結果でもある。残念なことに、これらは属人的なもので、文書化される類ものじゃない。つまり、「産業」にはなりえない。そう考えると、「ブラック企業で頑張ってる」のと大差ない。まぁ
リポDが積み上げられる
ってあたりでブラック企業認定なんだがwww
世間に流れている「マンセー動画」の類を見ていたら、こう思わざるをえない。
で、そーゆー類のことを思うようになったら、「プラズマ・核融合学会誌」の
を見るといい。単なる「マンセー動画」から得られるものとは、まるで違うことがわかるから。確かに「運」や「偶然」の類はいっぱいあるけど、
どうやってその運の引き寄せたか
がわかる。「こんなこともあろうかと」が単にその言葉だけで語られるものじゃないことがわかる。これも一つのエンジニアリングなんだなと。「俺達のJAXA SUGEEEE」で思考停止してたらわからないことだ。
まぁこれを読んでも、結局「日本的だなぁ」というあたりは変わらないんだけどね。一種の「怪我の功名」みたいな部分も少なくないし。
金かけずに成果あげると、予算を削る口実にされるのがつらいところ。
「ブラック企業」にはよくあることw
事故った状態から戻って来ただけでもアポロ13号の奇跡に近い物があるけど、現場に宇宙飛行士という修理工なしでやったというのは凄い。それも永年の経験から得られた冗長設計の賜物か。設計に行き詰まったら、はやぶさを思い出して心せねば。
ネタバレになるんで↑には書かなかったけど、あのトリッキーな運用もそれなりの裏付けがあって可能だったことらしいです。件の論文を読んでみて下さい。
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ブラック企業で頑張ってる、ってのは、駄目上司が
“精神論”で「プロジェクトX」の話を持ち出したがるのと似てますね。
あと、ネットでのはやぶさ人気は、擬人化によるところが大きいと思えます。
なぜか女の子に擬人化したのが多いんですが。
擬人化してストーリー付けて感動してるのが多いんで
純粋に「機械」として扱ってたら
これほど人気出なかったでしょうね。
ネットに馴染みのない一般人にはそれほど注目されてないんですが、
それは「擬人化+ストーリー付け」されてないからでしょう。
> なぜか女の子に擬人化したのが多い
私はそれで良かったと思います。日の丸ハチマキした青年とかに擬人化されたら、それこそキモいものになってますから。「擬人化+ストーリ」は、JAXAの広報のダメなところを救ってくれたんじゃないですかね。