チーズの本質は、乳固形分を分離したものである。この分離したものを、そのまま(に近い)状態で食うと、フレッシュチーズ類(カッテージチーズとかモッツァレラチーズとか)になり、さらに脱水して乳酸菌で熟成したもの、カビで熟成したものがあり、それぞれいろんな味わいになる。
ということで、まずは乳固形分の分離である。カッテージチーズは例外的に酸で分離するが、その他のチーズは子牛の胃の酵素を使うということになっている。家庭で作る場合は、この酵素の入手は絶望的と言ってもよい。なので、普通はカッテージチーズしか作れない。
ところが、ここで私はあることを考えついた。それは「ヨーグルトは元々かなり乳固形分が分離している」ということである。ヨーグルトにまだ残っているホエー(乳精とも呼ばれる透明な液体)を取り除けば、まるでチーズだ。問題は「さらに取り除く」ということであるが、実はこれは簡単だ。それは「ヨーグルトに穴をあけて塩をかけておく」だけでいい。塩が媒介してヨーグルトの脱水をし、穴に出してくれる。ついでに塩味もつく。
実は「第一ロット」では、この塩は使わなかった。塩なしで穴だけ開け、出て来るホエーを毎日飲んでいたのだ。そうすると、かなり時間はかかるが、チーズのような固形物ができる。ただ、これは塩気がないものだから、「単に堅くなったヨーグルト」でしかない。そこで、塩味をつけることも必要だと考え、穴を開けた後に塩をかけておいたのだ。そうすると、あっと言う間にホエーが分離できた。
これをもうちょっと味を調整して、乾燥させて経過を見てみようと思っている。「第一ロット」の経験からすると、わりとチーズっぽくなるであろうことが期待できる。