第120回 [2006年6月3日]
【奥多摩/篶坂ノ丸(すずさかのまる)】
−Photo & Report by H.Tanuma−

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コ−ス=JR青梅線「奥多摩」駅[9:14/9:30]〜(バス)〜東日原バス停[9:55]〜
〜小川谷橋[10:20]〜孫惣谷橋[10:40/10:50]〜オロセ尾根取り付き[11:10]〜
〜P1[11:45〜11:55]〜P2[12:40/12:50]〜篶坂ノ丸[13:05/13:50]〜
〜籠岩下[15:00/15:05]〜東日原バス停[15:40/16:05]〜(バス)〜
〜JR青梅線「奥多摩」駅・もえぎの湯[16:25/18:05]

いきなりの私事ではありますが、奥多摩はかなり行っているようでも、トレースしていないところはいくつか残っておりまして、今回訪れたタワ尾根もその一つ。「武蔵日原」の二万五千分の一地形図を広げると否が応でも目立つ尾根で、実は高校時代か ら気にはなっていましたが、当時は頑強な篠竹が生い茂るところと聞いていて当然道は無し。何時間も篠竹の藪漕ぎをするのはやだな〜、と言うことで二の足を踏んでいるうちにいつのまにやら30年も経ってしまいました。ところが昨今はWeb上でこの 尾根をトレースするレポートが結構見られるようになってきていて、しかも篠竹はすっかり枯れているという情報を得て、それではということで機会を狙っていた次第。

このタワ尾根のピークとしては地形図にも記載がある「ウトウ(善知鳥)の頭」(1,587.9m)が有名ですが、今回の報告はその手前にある「篶坂ノ丸」というピーク。誰がこんな変わった字を当てたのか判りませんが(実は「篶」の字をあてた山は奥多摩にもう一つあり、日原から一杯水に上がるヨコスズ尾根(横篶尾根)がそれ。滝入ノ峰の先にある1,289m峰が横篶山と呼ばれているらしい。そもそも「篶」ってどういう意味でしょう?)、その山を目指した我々もやっぱりやや変わり者かも知れません。参加者は井手会長からご紹介頂いた木村さんと、伊藤さんの姪御さんのトモちゃんのニューフェース2名を加えた6名です。勝手がよく判らないタワ尾根で、突端から篶坂ノ丸を目指すと、単なるピストンになってしまうのを嫌い、篶坂ノ丸から南に派生する支尾根(オロセ尾根)を上りに使うこととしました。

いつものようにホリデー快速で奥多摩駅で下車し、東日原行きバスに乗車。シーズン到来を思わせるが如く、増発バスが出る盛況ぶり。川苔橋で大量の登山客を吐き出してもまだほぼ満席状態のまま終点の東日原到着。この客のおよそ半分は日原鍾乳洞を訪れる観光客で、さらに残りの登山客がちりぢりになってしまうと、大ダワ方面に進むのは我々を含めても10名程度となりました。久しぶりに通う日原川沿いの林道は緑が濃く将に深山幽谷の情景。孫惣谷に掛かる橋で大ダワ林道と別れを告げて、やや勾配のある孫惣谷林道のヘアピンカーブを3つ過ぎたところにしっかりした木製の階段があり、これが目指すオロセ尾根の取り付き。尾根は急ですが歩きやすいジグザグの道で高度をどんどん稼ぎます。やがてしっかりした道(水源巡視路)は水平に巻くようになるので、ここからはテープ目印を頼りに尾根を直登。あたりは新緑輝く自然林でモミジやブナもありますがミズナラが一番多いようです。高度が上がってくるとガスがかかるようになりちょっと幻想的な雰囲気で遠目が利かなくなります。

ふと気が付くと足下に白い草。ギョリンソウ、正式にはギンリュウソウ(銀竜草)という葉緑素を持たない草で、群落を作っていました。標高1,200m辺りからは枯れた篠竹の残骸が目立つようになり、その上をパキパキと音を立てながら進めば、ひょっこりタワ尾根の上に出て、明確な踏み跡があります。さて篶坂ノ丸はどっちだと見渡せば霧の中で左手の方に高みがあるのでそちらに進むと果たして「鈴坂丸1,456m」という標識を発見。「篶」は「鈴」と同意なのでしょうか?それはさておきここで大休止。尾根取り付きから標高差約600mをほぼ2時間で登ったことになるのでまずまずのペースと言えるでしょう。この山頂も先日の八丁山と同様、季節柄アブだか何だかが五月蠅く顔の周りを飛び回ります。山の頂に限って多くの虫に攻撃を受けるのは単にじっとしているから気が付くだけなのでしょうか。とは言え、みんな思い思いのメニューでワイワイ言いながら昼食をとり、証拠写真を撮影して下山にかかります。

南東に延びるタワ尾根は地形図でもわかるように一石山(1,007m)までは緩やかな下りで自然にピッチが上がりますが、あたりはガスで覆われていて方向が掴みにくく、トレースが見つからないと結構迷いそうな馬の背状のところもあります。何かが霧の中から現れそうな雰囲気で、強いて言えばリンゴを携えた魔女でしょうか。金袋山はどこかと探しながら進むと、たおやかな二重山稜の右手に小振りのピークがあり、登ってみると立木に赤テープが二重に巻かれた標識を発見。ここがそうかな、と思いましたが、あとで考えると、その後左の尾根を選択して下ったらと一石山を通らずにそのまま林道まで降りてしまったので、どうやらあれは人形山だったのかも知れません。

このあたりはときどき踏み跡が分かれていて、複数のコース取りが出来るようです。それぞれの確認は今後の宿題としましょう。尾根から外れて顕著なつづら折りの仕事道(これも巡視路?)を単調に下り両側が岩に挟まれた凹状の小沢をひたすら左右に行ったり来たりして下ると、突然、林道に飛び出ます。篶坂ノ丸からここまで1時間10分。思いの外歩きやすい道で、飽きが来ないうちに下りられるのはなかなかグッド。東日原発16時17分のバスに余裕で間に合ったため、バス停手前の酒屋(いいところにあります!酒屋はバス停のそばにあるべし!)でビールを調達し、日原集落の周りの緑を愛でながらゆっくりと喉を潤します。

そうこうしているうちにバスがやってきましたが、通常よりやや早い。聞けば臨時バスとのことでこれまたラッキー。奥多摩駅に着き、いつもの玉翠荘で汗を流そうとして行ってみると玄関の前に本日休業の立て札。それではということでもえぎの湯(2 時間750円)に行くと、やっぱり今日も大混雑で洗い場も順番待ちの状態。儲かってますね〜。さっぱりしたところで休憩室で女性陣を待ちながらまた生ビール。駅に行く途中の酒屋で澤ノ井、酎ハイ等調達し、電車の中でまたまた酒盛り。立川で途中 下車し、好評につき「しぇ・もと」で1,900円セットを注文。焼味噌と天麩羅と酒と蕎麦以外に、それぞれ出汁巻き卵、鴨のたたき、ふろふき大根等々をチョイスし大いに舌鼓を打ちました。酒を追加注文したのは言うまでもありません。

本日の実働時間:4時間25分
本日の累積登高差:1,258m
本日の踏破距離:11.7km

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写真左から【01】日原行きバスは増発便を含めこんな状態。
【02】東日原バス停に到着。
【03】あれが稲村岩だー!
【04】このピークから撮った写真が・・・
【05】・・・先々週のこれです。
【06】山の上の方はガスが掛かっています。
【07】日原川本流。

【08】日原川本流と孫惣谷との合流点。
【09】深山幽谷。
【10】ウツギが咲いていました。
【11】こちらは桐の花です。
【12】オロセ尾根登り口。
【13】ちょっと小休止。このあたりはまだ植林帯です。
【14】明るくなると広葉樹林帯。

【15】ギョリンソウ(ギンリュウソウ)の群落を見つけました。
【16】高度が上がってくるとガスが現れてきます。
【17】2回目の小休止。
【18】篶坂ノ丸(鈴坂丸)に到着。
【19】思い思いの昼食。
【20】みんなで証拠写真。
【21】下りにかかりますが、ガスで後ろがよく見えません。

【22】下りやすい道なのでバンバン飛ばします。
【23】また植林帯。
【24】「巨樹コース」の標識。
【25】あっというまに小川谷林道に出ました。
【26】籠岩の下で小休止。
【27】奥の尖塔は梵天岩。
【28】燕岩はかなり迫力。

【29】一石山神社の由緒書
【30】また稲村岩が見えるところまで戻ってきました。
【31】バス停到着。右手にはしっかり缶ビールが握られています。
【32】もえぎの湯でさっぱりして、さー飲むぞー!
【33】青梅線の車内。
【34】青梅線の車内その2

≪ビ−ルを持って歩いたり、お湯に入ったり、結構なハイカ−達だッ!
電車内で飲み喰いして、、、チョット? 香港では罰金ものだぜ〜!(^_^)=光頭老≫

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