モンゴル族の音楽(暫定版)
○民謡
※音階:下点6・1・2・3・5・6という五声が多いですが,まれに4が経過音として入っていることもあります。
また,123567上点1のような六声音階があるのも特徴です。
※旋律:以下のような特色があります。
(1)比較的近い音に行く前に,高い音が挟まって低→高→低という形をとる傾向がある。
元の形:5→6 3→2 6→2 上点3→6
変更形:5→上点1→6 3→6→2 6→上点2→2 上点3→上点5→6
(2)旋律の途中で,6度(多くは大6,たまに小6)やオクターブで大幅に音が跳ぶ。多くは下行型である。
(だから弾きにくいんや,と,ある団員の言)
これと(1)がフクザツに複合している場合も多い。
(3)ウイグル族の音楽のように,跳ね上がる音(shuai音)が付加されることが多い。
(4)下点6→1→2→3→2→1→下点6 のように,鏡に映したような左右対称?の形を取ることが多い。
この形式は圧縮したり,拡大したりと,自在に応用されている。
(5)多くが下点6か1で終わる。
(6)同じ音型で,終わりが少しずつ下がったりという形も多い。br>
(「A:下点5・下点6・下点5」「B:4」という形で,Bのみが4→3→2→1と下がっていくなど)
(7)モンゴル民謡は強拍に当たる部分が強い,というわりとオーソドックスで整ったリズムが多い。
(8)よく見られる構成は短フレーズを2つセットで1フレーズを形成するパターン。
そして,例えばABで1フレーズを形作るとき,Aの最終音は短く,Bの最終音は長めで,
叙情性を高めるという手法がよく用いられる。
そのほか,起承転結形式など,構成もオーソドックスであるが,たまに
3つの小フレーズで1フレーズにするなどの変則的なケースもある。
※出典データ:
・楊瑞慶編著『中国風格旋律写作−域性旋律和族性旋律』(人民音楽出版社,2002年)162頁〜
・・・他書も参考にしてさらにつけくわえます。