傷…そして
Rushifa 作
少し修正。…文才なし(T.T)
ごく普段通り…街を巡り森を抜け旅をしてるだけだった。 ――あの時がくるまでは。 旅の恒例行事と言って良いほど現れる妖怪達。 ――突然、何か異変が起きた。 何かが崩れる音と共に。 ……? これって…まさか。 …流れだしたまま止まらない…身体が凄い勢いで朽ちてく…。 ――なんで? 俺はただ…いつも通り妖怪を倒し三蔵の傍に行こうとして… それから… 「!!」 ――敵は?!敵はどうなった!? 力が抜ける身体を引きずり周囲を見渡したその刹那。 「……だ…れ?」 上手く声にだせなくてもどかしくてたまらない。 「…黙ってろ。」 ――もう…声も…でなくなった。 何もかもが…壊れてく…。 どうして…こんな事になったんだ? ――三蔵…。 俺、このまま死んじゃうのかな? ああ…八戒が心配してる。気功…もう手遅れなのに必死で…。 ――もう何もみえねぇ…よ…。 あれ…三蔵、なんて情けねぇ顔してんだよ。 ソウ…オモッテイタカッタ…ヒキカエセナクナルカラ。 目を静かに閉じ息を僅かに吐く。 「…これは…何の冗談だ?」 愛しい人の声が再度、耳につく。 それにしても…人がこういう時になっても馬鹿猿っていうんだな。 死んだら…どこに行くのかな。口だけ動かしたら伝わるかな?俺なりの最後の言葉…。 ――500年間、ずっと1人で淋しかった…解放してくれてありがとう…。 “さ…んぞ…ぉ…す…きだ…った…” 「……っ…馬鹿…が…」 誰かの悲痛な叫び声が聞こえたけど…俺にはもう届かない。 三蔵…好き。大好き…。 “愛してた” 確かに始めは太陽のように眩しくて憧れでしか過ぎなかったけど…。 …ずっと続くと思っていたのに…。 “悲しいってこういう事…なのかな。三蔵…” 姿形なくした魂…今、風となり声となる。 サンゾウ…コンドウマレカワルトキハ…ズットソバニイテ…ネ…。 僅かな声。遣る瀬無い想いを感じつつも辛うじて正気でいる、らしい。 「…っ…さね…ぇ…」 言葉に言い尽くせぬ想いを背負いつつ空をただ眺めていた。 |