おごちゃん的視点のページ1996年11月分


朝日新聞

1996年11月1日

私は ネットワーク上の検閲について のMLに参加してます。ま、Internet界も昔のような楽園じゃなくて、だんだん お上の手が伸びて来て、息苦しくなって来たわけです。また、最近は法務省が 「盗聴法案」なんぞを提案しようとして、ますます住み難くなって来ました。 本当に日本は文明国かや?

で、その 「盗聴法案」に反対するホームページ に朝日新聞より「自社の著作物の無断使用の抗議」があったそうな。まぁ社説 は確かに「著作物」だから、「無断使用」すりゃ文句も言いたくなるわな。

しかし、だ。こーゆー使い方をして何が悪いと言うのだろう? この社説を誰 が書いたか知らないけど、この社説に意思があるなら、このような使われ方を すれば喜ぶことはあっても、怒ったりはしないんじゃなかろーか? そもそも あの社説ってのは、「盗聴法案反対」という声が増えて欲しくて書かれたもの じゃないの? だったら、このような「引用」のしかたは、歓迎されることは あっても「抗議」するようなことじゃないでしょ。

MLで今井さんが言ってたけど、謝罪するなら、

朝日新聞が、盗聴法を廃案にするた めに、活動的な市民などと協力するために、自分の記事を活用してもらうことよりも 、営利企業の論理の法を前面におしたてるような企業だと知らなかったことの非をお 詫びします

と謝罪するのが良いかもね?

インターネットは役に立たない?

1996年11月15日

先日、仕事の用があって、NTT の専用線の料金表が必要になった。それまでは一々問い合わせていたので あるが、面倒でもあるし迷惑でもあろうから、自分で何とかしたかったのだ。 以前に表を日経コミュニケーショ ンで見たような気がしたのであるが、どうしても発見しないので、「じゃ あインターネットで探そう」ということになった。まぁここまでは当然の話で ある。最近色々な動きがあるので、ちょっと古い情報は意味をなさなくなった りするわけで、いつでも最新情報にアクセス出来るインターネットは実にいい...

はずであった

ところが、 NTTの公式ホームページをいくら探しても、問題の情報は発見出来ない。 自社の商品のカタログなんだから、そーゆー情報はまっさきにアクセス可能に なっていなければならないはずなのに、苦労して発見したものは単なる 「御紹介」だけで、必要な価格表は出て来ないのである。

それではというわけで、NTT の検索エンジンで「NTT」やら「専用線」をキーワードで検索するのであ るが、ここでも発見出来ない。結局高い通信料金(自宅は専用線であるが、会 社はNiftyを使っている)を使って、何も出て来なかった。これではInternetを 嫌うジジイ共が、

「インターネットなんて役に立たない」

などと言うのが納得出来ようというものである。

PS.

↑のような文句を書いていたら、山本@県の偉い人さんより ここにあるよと教えて戴いた。 確かにある。しかし...だ。ここに到達するのはなかなか困難だ。何しろそん なページがあるなんて、 NTTの公式ホームページには書いてないし、直接リンクされたページの一 覧のうち、直感的にそのようなページがあることが発見出来るものはないのだ から。


山陰ホームページコンテスト

1996年11月18日

「山陰ホームページコンテスト」とゆーイベントが行われ、 日本Linuxユーザー会 も一応参加した。人気投票ではトップだったのであるが、最終結果は

佳作入選

みたいなものであった。

1位のD-clubは個人的 には文句ない。人気投票でも2位であったし、「見られるホームページ」 のツボを押さえているので、むしろこれの上位になってなかったことにホッと しているくらいだ。

しかし、気になるのは2位以下の入選作。例えば2位の宣伝倶楽部米子デザイナーズギャラリー 確かにこいつは綺麗なホームページだし、自己主張はしっかりしている。だけ ど、Javaがなきゃ見えないし、重たいページである。「デザイン」が一般的な 美術関係の用語としてのものであるなら、確かに素晴しいページである。私は これに非を説えようとは思わない。しかし、WWWページなんてものは、ネッ トワークを通じて見るものであるし、見る人はどんな環境で見るかわからない。 その辺を考慮されていなければ、「設計」という意味のデザインでは失格であ る。作者には名刺なんかもらったりしたんで、その人のデザインとかをあれこ れするのはよそうと思う(実際、美術的な意味でのデザインは素晴らしいと思 う)。私が面白くないなーと思うのは、そのページが技術的にどうこうとか、 設計がどうこうと言うことではなく、「WWWページはネットワークから見ら れるもの」「見る人はどんな環境で見るかわからないもの」という観点で審査 が行なわれてないということなのである。つまり、

ホームページはInternetで意味を持つもの

ということを審査員がわかって ないのである。

ついでなので3位も見てみよう。

3位は鳥取県中山町立中山小 学校ホームページである。このページは小学校のホームページである。見 れば「なかなか頑張ってるな」と思わせるものがあって、微笑ましい。だが、 悪いがこれは

その程度

に過ぎない。これくらいのホームページなら、選外になったところでもいくら でもある。これが3位になる理由は見当たらない。しかも、こいつも楽しそう なホームページにありがちの「重たいページ」なのである。モノが純心な子供 のものであるが故に、「このホームページが3位入選した」というところに、 大人達の黒い部分を感じる。

このイベントは、「山陰」とは言え、実は鳥取県主導のイベントなのである。 上位3位までを見る限り、

地元へのゴマスリ

と言われて、反論出来る審査員はいるんだろうか? ま、1位はいい。客観的 に見て素晴しい内容であるからだ。しかし1位はこの審査の行なわれたイベン ト山陰インター ネットフェスタの会場の大山町なのだ。1位は実力の上でも優れていた、 その名誉を傷つけるのが、「鳥取県勢上位独占」であり、この小学校のホーム ページの3位入選である。私はそーゆー「県民プチナショナリズム」的はもの は好まないので、「鳥取だ島根だと言うのはナンセンス」と思っているのであ るが、それをベースにゴマスリする奴がいるというのは情けない。

もうひとつオマケをつけよう。気になるのは、賞状の文言である。

あなたは山陰インターネット協会主催
「第1回ホームページデザインコンテス
ト」において魅力あふれるデザインと
斬新なアイディアのホームページで全国の
インターネットユーザーを大いに魅了し
ました 今後インターネットを通じて山陰
から全国へそして世界へとはばたいていかれるこ
とを期待し右の賞を与えここに表彰します
だそうだ。こっちは最初から全国なり世界なりを相手にしているんであって、 「山陰」なんて全国や世界の部分集合としか思ってない。それを「これを足が かりにして、外に出て行って下さい」なんてのは、おかど違いもはなはだしい。 元々選外になった連中にしたって、

俺全国に情報発信してんだもんね〜

と思っているはずで、こーゆーせりふは

何を今さら

なのである。その程度の 感覚しかない連中が山陰インター ネット協会なんてものの実像なのだ。あ〜一瞬でもマジメに相手した私が 馬鹿だった。


ルーズソックス

1996年11月20日

このネタを書くと、

おやじ

と言われるのことは明白なんだが...ま、どう せ「おやじ」だからいっか。

松江のような田舎でも、最近はルーズソックスの女子高生なんぞを見掛ける。 あれって何がいいのだ? 少なくとも私の目には

単にゆるんだソックス

にしか見えないのだが。

ま、その辺は当人の好みの問題なんで、「俺はルーズソックスな女子高生は嫌 いさ」で終わりなんだが、あれにただよう不潔感は何とかならないものだろう か?

ルーズソックスは御存知のように「ゆるんだソックス」である。ゆるんでいる から当然

しわ

が出来る。「おやじ」な私にはよくわからんのだが、まぁ当人達はその辺がい いのだろう。しかし、この「しわ」があるのが問題なのだ。「しわ」があると、 表面は均質でなくなる。もっと簡単に言えば、「しわ」の山の部分と谷の部分 とがあるのである。また、山が出来ると「陰」の部分も出来る。これがはいた 直後なら別に問題はない。ところがしばらくはくと汚れる。この辺に問題があ る。

普通、晴れた日にはほこりが立つ。表面が均質な場合、ほこりが付着しても、 均等につくから別にどってことはない。ところがルーズソックスは均等ではな い。当然山の部分には多くほこりが付着するし、谷や陰の部分にはほこりは付 着しにくい。これが「掃除機のゴムホース」のような硬い「しわ」であるなら、 谷や陰の部分が山になったりすることはないので、見えたりしない。ところが 元々「ゆるんだソックス」なのだから、「しわ」は移動する。それまで谷や陰 であった部分が山になったりして、ほこりの付着のムラが表に見えてしまう。 これはどう見ても

みっともない

やっぱりあーゆーのはエアロビのねーちゃんだけにしておいた方が良いんじゃ なかろうか?

ついでに言えば、くるぶしのあたりはちゃんと靴の外にかかるようにたるませ るのが「ツウ」のようだけど、あれってよけいに不潔に見えるんだよね。実際 ほこりかぶって汚れてるのって多いし。しかも、あの部分は

ブルドッグのほっぺた

を連想させるんだよねぇ。


サラ金ばんざい

1996年11月26日

いつもボロクソなことを書いてるから、たまには何か誉めてやろう。

1年くらい前からサラ金なるものに手を出している。「あーおごちゃんも堕ち るところまで堕ちたか」と言う奴もいるかも知れない。でもそうではない。サ ラ金は使い方によっては素晴しいという話である。

世の中には「サラ金を使っていい人間」と「そうでない人間」といるのである。 「そうでない人間」がサラ金を使うとロクなことにならないし、それがサラ金 イコール悪者という図式を作ってしまったのである。しかし、「サラ金を使っ ていい人間」が使う限り、サラ金はとても良いものであると認識するにいたっ たのである。

まず何よりも、サラ金は「借金する人はお客様」という認識で仕事をしている。 そりゃ金貸しだから当然である。サラ金は少額を借りようとする人間を見下し たり、普通のサラリーマンなら当然返せるような借金に関して、信用だ保証だ などという面倒なことは言わない。これが銀行になると、少額を面倒がったり、 定期預金がどうたらとか、所得証明がどうたらと、うるさいことおびただしい。 しかも、

借金する客は泥棒と思え

と思っているのか知らないが、どうも不愉快な思いをしてしまう。その点サラ 金は自分たちが何でメシ食っているかを十分認識しているし、客を客として扱 うことを知っている。

次に営業が積極的である。何しろ人に金を貸すことを商売だと思っているから、 お客にいかに借金をさせるかということを上手に提案して来る。例えば「銀行 の営業時間を過ぎてからお金を下ろしますと、手数料が取られますが、私ども から借金されますと、翌日返済した場合は、その手数料よりも安い金利となり ます」という聞いた者を感動させるような提案をして来る。確かにそうだ嘘で はない。もちろんそんな客ばかりではサラ金は商売が成り立たないだろうが、 それでもそういう提案をして来る。銀行も「いい商売」になりそうな客にはちゃ んと借金の営業に来るらしいが、こっちは高額預金者でもなければ、高額所得 者でもないし、資産家でもないので、そーゆーのとは無縁である。サラ金がこ ういった「いい商売」でない客に積極的に営業する姿勢は素晴しい。

そして最後に「いつでもやっている」ということを挙げよう。これはもうあれ これ言うこともなかろう。仮に深夜突然金が必要になった時(みんなで飲みに 行って精算したらびっくり...という経験はないですか?)、銀行では全く役に 立たないが、サラ金ならやっている。そして前述のように翌日ちゃんと返せば、 金利なぞないに等しい。これを活用しない手はない。

と言うわけで、サラ金は銀行よりもずっといい。確かに金利は安くないが、こ の金利とて、「すぐ返す」ということさえ心がけておけば、たいしたことはな い。それよりも、「突然明日までに30万必要だけど、今そんな金を出せる程口 座に余裕がない」みたいな時の借金の時には銀行なんかよりもずっといい。こ れが銀行になると審査だ何だと言って、下手すると1週間くらいかかってしま うこともあるわけだから、「少額を急々に」という必要はサラ金を使うのが一 番である。

とサラ金を誉めまくったのであるが、世の中にはサラ金を使ってはいけない人 種とゆーものも存在している。その人の条件を挙げても良いのだが、それより も「こういった時にはサラ金を検討に入れよ」ということを挙げておくので、 それから類推して欲しい。それは

すぐ返すあてのある時にだけ使う

につきる。例えば「月末には金が入って来るけど、明日は金がない」といった 場合のように、すぐに返せる予定が立つ場合だけ使って良いのだ。そして、そ のように「すぐ返せる程度の金額」を借りることである。そうしておけば「サ ラ金地獄」といったことにならなくて済む。すぐに返すのだから、多少金利が 高い分も別にそう大きな問題とはならない。ただ、高金利とは言え、今のサラ 金の金利なら、「無心のために友達に菓子折りを持って頼みに行く」よりは安 いのであるから、これくらいは「気持ちよく借金させてくれる会社の健全な利 益」と言えなくもない。そういった意味では、普通のサラリーマンなら50万円 の限度額は変更しない方がいいだろう。これ以上になると1回ではとても返済 出来ないだろうし、そうなると金利が厳しい。返済に何度もかかるような借金 が必要なら、素直に銀行に行くなりローンにした方がいい。もっと良いのは、 その支出は「分を越えている」と認識して、諦めてしまうことだ。


本線料金所

1996年11月26日

お仕事で大阪に行ってました。で、知人が天理にいるので会いに行きました。

大阪は新大阪付近なので、新御堂筋→阪神高速→近畿道→西名阪道というコー スになります。このうち、近畿道と西名阪道は「本線料金所」なるものがあり ます。つまり入口や出口に料金所があるわけではなく(ある場所もあります)、 本線車道に料金ゲートがあるわけです。

実はこいつがとんでもない。本線に立ちはだかるように料金所があり、全ての 車を対象に金を取るわけである。つまり、その料金所があると、そこで交通が 詰まってしまう。通過の所要時間は交通量に比例して増える。つまり料金支払 いのための停車時間が延びるわけである。そうなると、その車道における平均 速度は低下せざるをえない。ところが料金所を抜けてしまえば、道はガラガラ。 だからいくらでもスピードは出せるのではあるけれど、次の料金所で止まるわけ で、結局平均速度は落ちてしまうのであるから、「高速道路」としての意味が 減ってしまうわけである。いくら良い道を作っても、この

アホな集金システム

のために、良い道が意味を失なってしまう。

確かにこのようにすれば、料金計算システムは簡単になる。しかし、その「料 金計算システム」の構築(つまり料金所を作ること)や運用(チケットの発行)に かかるコストと、道路建設のコストを比較すれば、圧倒的に道路建設コストの 方が大きいはずである。つまり、

わずかな金をケチったために

大きなムダを作ってしまう

という近視眼の典形みたいな例である。

また、人間の心理として、これから自分が抜ける料金所で渋滞が起きる分には、 「まぁ待ってりゃいいか」という軽い気持で我慢が出来るものである。ところ が、本線料金所というシステムの場合、自分の目的地に行きまでこの用のない 料金所で待たされることになる。急いでいる人なら、

ちゃんと最後で払ってやるから

途中で止めるなよ!!

と思うのは無理もなかろう。

さらにつけ加えるなら、このシステムは小銭を大量に要求する。それぞれの料 金所で払うのは少額であるからだ。もちろんお釣りはちゃんとくれるので、小 銭がなくなっても問題がないと言えばないのだが、細かく何度も払わされるよ りは、ちゃんと目的地付近でまとめて払いたいというのが人情だろう。

ついでだから書いておくと、西名阪方面から、中国道下り方面に用のある人は、 西名阪から近畿道に入らずに、阪神高速に乗り、池田線(11番)から中国池田で 乗る方が経済的である。つい近畿道から吹田で乗りたくなるのであるが(この 方がまっすぐなコースになる)、そうすると近畿道の料金の方が阪神高速より も高いし、下りなら吹田で乗るより中国池田で乗る方が安い。また、中国道は よく豊中のあたりで混むことが多いので、それを避ける意味もある。ただ、阪 神高速は下手すると市内で混むので、その辺の見極めは必要である。

この話で思い出したが、西名阪道に書いてある「阪神高速(有料)」という表示 は変である。これを普通の感覚で見ると、「なるほど。近畿道は有料じゃない のか」と誤解してしまう。と言うよりも、これは

消防署の方から来ました

に匹敵するようなサギである。実は近畿道も有料なのであるから、他所から来 た人は注意すべし。しかも前述のように、中国道に乗るという観点からだと、 近畿道の方が高いのだ。
[今月]
おごちゃんのホームページへ